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支豆支の御埼(きづきのみさき)

八穂米支豆支野御埼(やほしねきづきのみさき)
 「栲衾志羅紀(たくぶすましらき)の三埼(みさき)を、國の餘(あまり)ありやと見れば、國の餘あり」と詔りたまひて、童女(おとめ)の胸鋤取らして、大魚(おふお)の支太衝(きだつ)き別けて、波多須々支(すすき)(幡薄)穂振り別けて、三身の綱打ち挂(か)けて、霜黒葛(しもつづら)繰(く)るや繰るやに、河船の毛曾呂毛曾呂(もそろもそろ)に、「國來(くにこ)、國來」と引き來縫へる國は、去豆(こづ)の折絶(たえ)よりして、八穂米支豆支の御埼なり。
 かくて堅め立てし加志(杭)は、石見国と出雲国との堺なる。名は、佐比賣(さひめ)山、是なり。亦、持ち続ける綱は、薗の長濱、是なり。

大社町日御碕
▲大社町日御碕

 「支豆支の御埼」は出雲市小津浦から西の、島根半島西端にあたります。
 八束水臣津野命(やつかみづおみつぬのみこと)は新羅国(韓国の西半部)の余った土地を、「薗の長浜」を綱にして引いて来ました。その綱をつなぎとめた杭は佐比賣山(三瓶山)です。


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