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有識者インタビュー7

遺伝子組換え作物研究や消費者の反応等の現状をどのようにお考えか

・STAFFの消費者アンケート結果について、消費者は、食の安全性の観点から、BSEなどの一連の経過から、GMの安全性について懐疑的になったため、80%が不安という結果につながったのではないか。本当に危険かどうかの客観的事実が消費者に分からないと、今後GMが受け入れられるという方向性は示せない。また、現行の表示制度の不備(GM不使用は表示、油への使用は非表示)から、油など、日常的に摂取しているにもかかわらず、GM食品の使用実態が消費者に知られていないことも一因と考える。

・「安全」の基準について、食物であるので、人体に対する影響がないことが分からないと安全と認識されず、不安が残る。現状では動物実験で安全性が確認されているが、ラットなどの実験動物と人とは異なる反応を示す場合がある。人体への影響がないことが証明されないと不安はぬぐえない。

・企業などによる安全性の証明について、過去、動物実験によるイタイイタイ病発症実験などでは、データの作為的秘匿が行われたの例があるので、手法、経過を含めてすべてのデータを公開し、検証可能としなければ信用できない。

遺伝子組換え作物研究や食品流通の将来像をどのように見たらよいか

・機能性GMについて、副次的作用の有無を合わせてみる必要がある。

・過去、夢の物質と言われたもので、後代大きな問題を引き起こしたものがある。GMに関しても、実用化された後、何か問題が出てきたときに直ちに中止し、影響を排除できるかどうか疑問である。

・GMの研究については、PRTRなみの厳しい管理をし、隔離状態での実験が必要。商品化は、環境、人体に対する影響がないことが保証されないと不可。

・国、県の政策理念に照らして、GM研究の推進が整合性があるかどうかで判断する必要がある。島根県の、「地産地消」「有機農業」「持続可能な農業」といった政策の方向とGM研究が整合性があり、なおかつ例えば「殺虫剤不要で環境に優しい」といったGM作物の利点と、副次的作用の可能性や目的達成の困難さといった欠点を比較し、利点が上回れば導入を検討すればよい。

・GM作物認知の可能性については、今のところ、GM作物が何のために必要かはっきりしない(代替物がある)ことや悪影響があるかどうか不明なので、認知の可能性は低いと考える。

・DNA操作を行った作物を食べ続けると、子孫に何らかの影響が出るといった懸念があり、その懸念を解消するためには数十年単位の時間が掛かるので、当面はGM作物が受け入れられる可能性は低い。

・自然界への影響について、GM作物は「人工物質」であり、自然界では浄化不可能であると考える。

県立研究機関としてどこまでの研究をするべきと考えるか

・GMの基礎研究は国でできる部分が多いのではないか。基礎研究は、県でしかできないもので、県の方針として必要があれば取り組めばよい。

・GM実用化研究は、安全性と同時に、研究に係るコストも考える必要がある。島根県がコストを負担できるか検討する必要がある。もし前述の2点が解決できるのであれば、必要性の高いものについて研究することも可能であろう。

・GMの研究より、例えば、エネルギー作物の普及のため、休耕田を利用してエネルギー作物栽培研究といった研究を行うべきである。

県農林水産技術会議が検討している方針についてどのようにお考えか

・この通りでよい。

・悪影響のないことが証明されない限り、中止した方がよい。食関係で情報操作がまかり通っている現状では、 GM 作物についても県民の理解が得られない。


お問い合わせ先

農林水産総務課

島根県農林水産部農林水産総務課

 〒690-8501 
   島根県松江市殿町1番地
TEL:0852-22-5393 FAX:0852-22-5967
E-mail:nourin-somu@pref.shimane.lg.jp