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11月(第1回)定例記者会見(11月9日)

最近の主要な動きについて


■知事コメント

 

 きょうは、発表の資料はありませんけども、冒頭に最近の私に関連した主要な動きなどについて、ちょっとお話をして、それから質疑に入りたいと思います。

 

 まず、財政の健全化の方は10月の末に基本方針を発表して、今、県庁内では予算の編成作業に入ったと。あのときに要求の概略の基準を出してますけども、これは基準であって、各課、各部、それから県庁全体で工夫をして、今、財政の制約がある中でどういうふうにしたらいいかというのはこれからよく検討していくと。それから、そういう中で重点分野の個別の施策も、どういうぐあいにしたらうまくいくかとか、効果的だとか、そんなことをしながら、何回もトップと各部署との間でやりとりしながら作成していくということであります。

 

 それから、財政の健全化と関連いたしましては、職員の給与の取り扱い、これも職員組合の方々の御理解も得て、条例が提出できる状況になりましたので、11月議会に4年間の特例減額、これは一般職員、特別職もそうでありますけども、提出をすると。それから19年度の人事委員会の勧告につきましても、この前発表したような形で条例を提出して、議会で審議をしていただくということであります。

 

 それに関連して、一つ御報告したいことがありますが、一つは行政委員会があります。例えば教育委員会でありますとか人事委員会、選挙管理委員会、公安委員会、労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会及び内水面漁場管理委員会等があります。こちらの委員会は特別委員会でございまして、一定の独立性を持って活動をされているわけでありますけども、本日、すべての行政委員会の委員の皆さんから、県が進めている財政健全化に向けた取り組みに協力をしたいというお申し出がありまして、行政委員会の方々としては、来年度から23年度までの4年間、特例減額期間中といいますか、改革集中期間中に相当するわけですけども、その間、本来の給与の水準から10%の減額をしたいというお申し出がありまして、私どもは島根の経済、財政の現状を踏まえた御判断であり、大変ありがたいことでございまして、これにつきましても減額をする条例を11月議会に出したいと考えております。

 大体4年間で10%の減額になりますと4,000万円弱の減額が行われるということであります。大体対象となる委員会の委員の方は75名でございますが、そんなことがありましたので、この機会に報告をさせていただきます。

 

 それから、産業の振興につきまして戦略会議を開催をし、先週でありましたが、中間的な取りまとめの検討をしたわけでありまして、そのとき申し上げましたように、11月の20日ごろに報告をまとめて公表したいというふうに考えております。

 

 それから、産業の振興との関連では、これも前回申し上げましたけども、東京のスーパーの紀ノ国屋と協力協定を結ぶということでございまして、本日午後3時半から紀ノ国屋の社長であります増井徳太郎さんをお招きして調印式を行うと。その前に、場所はホテル一畑ですが、120人ぐらいの県下の事業者、あるいは農業経営をやっておられる方も含まれると思いますけども、そういう方々に対しまして増井社長みずから紀ノ国屋としてこういうことをやっておりますと、こういうところに関心がありますと、こういうものが都市の消費者が望むとこですといったような話をしていただいて、県下の事業者の方々にそういう情報をお伝えをすると、そういう講演会も開くことにしております。

 

 それから、ちょうどこの機会に、今年度の企業立地の計画、県が認定をしまして計画ができてまいりますと、それに対して一定の基準に基づきまして支援をするという仕組みがあるわけです。大体話がまとまりますと認定書を県から交付するということをやってるわけですけども、今年度は今までに6社でございまして、対象となる投資計画は約250億円でございます。昨年の18年度全体は16社でありまして、認定計画の投資額は126億円でございまして、それからすると、まだ11月ですけども、認定された投資額が倍ぐらいになっているということですね。

 一つは、去年は126億円の中には島根三洋電機ですね、雲南にあります太陽電池の工場を拡張するというのが100億円ぐらいありました。ことしは250億円の中には村田製作所ですね、これが200億円でありますから、大きなものがあったということもありますが、全体の投資額もその他でもふえていると。

 それで、見ますと、ことしの傾向としてありますのは、広島アルミニウム、これは大田市ですけども、自動車部品の製造を行う、約3億円の投資。それから島根イーグル、これは雲南市ですけども、22億円の投資をする。これはカーエアコンとか自動車用の制御関連部品の事業であります。それから出雲村田製作所の200億円はセラミックコンデンサーの製造ということですね。それからつい最近はMCセキュリティ、ミックが韓国の企業と一緒になりまして、パソコンといいますか、インターネット等を通じていろんな不正侵入ということが起こるわけですけども、それを防ぐシステムを開発して販売、それから保守をするということでありまして、韓国は国同士のこと、あるいは韓国自身、IT産業が発達しておりまして、山陰で初めての日韓の合弁といいますか、企業ができたわけですが、そういったもの。それから松江第一精工、これは京都に本社がありますけども、九州の福岡の南にある企業ですけども、電子部品の製造とか自動車用の部品をつくっているわけですが、高い技術を持っておられて、この投資額が約15億円といったようなこと。それからツチヨシ産業、これは邑南町でありますけども、鋳造用の機械設備、材料等をつくるわけですけども、こういうものがありまして、一つは自動車関連の部品の工場の増設、それから電子関連の工場の増強といったようなものがうかがえるわけでありまして、日本全体、自動車産業、それから高度な電子部品産業を拡張しているわけですけども、そういう影響が島根にも少しずつ波及してきているという感じがするわけであります。

 

 それから、そういうことと関連しますけれども、山陰自動車道の建設促進ということで、今週ですか、7日に東京で島根、鳥取、山口、3県の知事等、あるいは議長、あるいは地元の国会議員の方々、それから国交省の道路局長などをお招きして要望活動を行ったところであります。それからその後、自民党の伊吹幹事長、谷垣政調会長、二階総務会長などにも陳情したということであります。

 

 あと、世界遺産の登録の記念式典が今週の日曜、11日に大田市でございます。島根県、大田市、それから県の教育委員会、大田市の教育委員会が一緒になって主催をするものでありますが、世界遺産に登録をされまして、ユネスコの正式な認定書が政府の方に送られてきているわけでありますけども、それを地元の島根、大田市の方に伝えるということでありまして、外務省の木村副大臣が政府の代表として来られて、認定書の交付について我々に連絡をしてくださるということであります。それに関連しまして、文化庁の亀井文化財鑑査官など3人による講演を1時間程度、その式典の後、行うことにしております。

 

 それから、全国知事会でありますけども、11月の14日に東京で開催をされるということになります。今、地方分権の動きの中で、税収の格差ということが政府レベル、いろんなレベルで動きがあるわけでありまして、政府あるいは与党においていろんな検討が進められておると思います。知事会でもそういうことについて政府あるいは関係省庁等に申し入れることになりますが、そういう議論をするということでございます。

 

 とりあえず冒頭の私のお話は以上であります。〔資料(外部サイト)

 

■質疑応答

 

○山陰中央新報

 行政委員会の件ですけれど、結局何委員会になって、それぞれ何人かみたいなことが......。

 

○溝口知事

 それはありますので、後でコピーを、もらってきて配ってください。

 

○山陰中央新報

 これは、きょうその委員会の方から申し出があったということですけれど、だれかおいでになられたんですか。

 

○溝口知事

 ええ、代表の方が来られて、だれだれだれにしたということも後で連絡しましょう。

 

○読売新聞

 都市と地方の税収の格差についていろんな動きが出てきてるんで、恐らく次の知事会でも議論になるということですけど、ここでもう一度知事のお考えを整理しておきたいんですが。

 

○溝口知事

 今、案としては2つぐらい浮かび上がっているわけですね。一つは法人二税について、法人の本社の多い大都市に法人二税が偏って配分をされるという仕組みにどうもなってると。その仕組みを変えないと、二税の偏在、地方団体ごとの偏在は直らないんじゃないかということで、配分の仕方を少し変えるというやり方ですね、一つです。と申しますのは、法人も支店とか子会社を持って展開しているわけでありまして、あるいは支店ですと本社で上がった分を支店の活動として、例えば島根にこういう支店があるので、その分は法人二税を島根にこれだけ分配しましょうというようなことがあるんですが、そういう調整をもう少し実態に合わせてした方がいいということでありまして、それが一つ。

 

 それからもう一つは、そもそも法人二税は偏在が起こるもんだと、できることなら偏在が少ない方がいいと。いわゆるなぜそういう議論になるかといいますと、地方財政の調整措置として、本当は基準財政需要から基準財政収入を引いたものがプラスといいますか、需要の方が多ければ、その分だけ交付税で埋めるという仕組みになっているんですけども、収入が多いところは調整しないという仕組みになってるわけですね。つまり東京は不交付団体なんですけども、基準財政需要に対して基準財政収入が非常に多いわけですが、その分が調整されないわけですね。そうすると、東京とか本社の多いところの財源の調整が十分進まないんで、結局そういう基準財政収入が多いところの財源を少し不足のところに多く回すようにしたらどうかというのが偏在論の議論でして、それを、例えば法人二税を消費税に変えますと、国が今、消費税、国、地方それぞれ持っているわけですけども、国の消費税の一部を地方消費税に変えれば、財源的には国の方はプラス・マイナス同額であればゼロになるわけですけども、今度はどういうことが起こるかというと、東京といった大都市の基準財政収入超過額が減るわけですね。今まで調整しなかった分が例えば100あったのが50になるというのは、法人税収よりも消費税収の方が東京都の方は少ないわけですから、そうすると、その部分がほかの地域に回ると。ただ、それだけではなかなかうまくいかないんです。消費税に回すと、今度は消費税がふえる県は、法人税は減って消費税がふえて幾ばくか地方税収入がふえますけども、ふえた地方税収入は、今度は基準財政収入がふえるということになりますから、それに応じて交付税が減るという仕組みになるわけです。なぜそういうことが起こるかというと、地方税収入の全部を基準財政収入に入れてるわけじゃなくて、4分の3だけ入れてるわけです。4分の1というのは留保財源ということで、基準財政収入の外に置かれてるからそうなるわけでして、それで、交付税総額を減らす必要はないんで、地方団体間の調整をうまくやることによって生ずる財源ですね、主としてそれが不交付団体の基準財政超過額が落ちる、つまりそういう地方団体の地方税が減るわけですね。減ったのがほかに回る。余った財源は交付税としてまた配分をするということになるわけですが、きょうの報道などを見ますと、政府の経済財政諮問会議では総務大臣がそういうことを明確にした案を提出をされております。いずれにしましても案が2つあるわけですけども、法人二税を地方団体間でダイレクトに調整しようということは、なかなか地方団体の方の意見がまとまらない可能性があると思います。

 

 それから、国の消費税と法人二税を差しかえると、交換するということについては、消費税を一体どう考えるかという問題と絡みますので、特に今の国家情勢を見ますと、民主党の方は消費税の財源というのは年金財源といいますか、そういうことに充てるという方針をとってますから、現実の問題としてはそういう調整はうまくいくかどうかということも関連をするわけですね。

 

 それで、私は先般、ある全国紙にインタビューを受けて書いたのは、そういう2つの案があるけども、今、地方として大事なのは、早くそういう調整が行われるということであって、そういうことであるならば、できるものから、調整の仕方はいろいろお任せするとしても、早くやってもらうということが大事なんで、例えば法人二税は引き続き地方団体が徴収すると。しかし4分の1は、留保財源と同じ考えですけども、徴収した地方団体にそのまま帰属すると。残る4分の3を地方団体間で調整をするという仕組みをとってはどうかと。その仕組みとして、地方団体が一つのファンドみたいなのをつくって、そういうやり方もありますけども、一番簡単にできるのは国の特別会計にその部分を入れまして、直接入れて、その分を地方団体に配分するというようなことにすれば、容易にといいますか、簡便にできるんではないかという提案もしておりますけども、譲与税そのものは、やっぱり国の税ということになりますから、形式上どうかなという議論もあると思いますが、大事なことは、配り方、あるいは名称ということじゃなくて、実態的に地方団体、税収が不足する、あるいは交付税が不足する地方団体の一般財源がふえるような仕組みを早く政府の方において検討されてつくって、それを今度の国会で法案として成立をし、来年度から適用できるようにしてほしいということであります。そんなようなことを私自身は言っております。

 

○山陰中央新報

 済みません、今の4分の1、3分の1というのは......。

 

○溝口知事

 4分の1、4分の3。

 

○山陰中央新報

 ああ、4分の3というのは......。

 

○溝口知事

 今の、例えば地方税でいいますと4分の1というのは留保財源で、基準財政収入に入れれないわけですよ。それで4分の3は基準財政収入に入れて、それで交付税の額が調整されてるわけですよね。交付税のところは財政需要が財政収入の不足するところに行くという仕組みなんですよね。譲与税というのはそういうことじゃなくて、人口でありますとか、あるいは例えば道路の譲与税なんていうのは国で徴収して、たしか道路の延長だとか、そんなようなことで配分されてるわけですね。

 

○山陰中央新報

 これは、制度的には地方税のままになるんですか。国の特別会計に入れるというところで、どういう扱いになるのか......。

 

○溝口知事

 だから、そこはどういう手法でつくるかということなんであって、名称というよりも、税としてやっぱり地方税として徴収するわけですよ。

 

○山陰中央新報

 地方税のままで。

 

○溝口知事

 例えば消費税なんていうのは、地方消費税というのを国で自主的に徴収してね、それで地方にも配分してるわけだから、あんまり名称にこだわるというのは、やや......。

 

○山陰中央新報

 それに近いイメージでいいんですか。

 

○溝口知事

 逆のようなイメージになりますかね。それで、消費税ですと、その消費額とか、たしか人口もありましたっけ、そういうことで地方団体間で再配分してるわけですよ。法人二税を今、私が申し上げたようなやり方でやるというのは、今度は地方の方が法人二税を今までどおり徴収するけども、4分の1は地方財源として地方にそのまま帰属すると。それで残る4分の3は人口だとか、そんなような基準で配るということでありまして、だから、地方税であるという名称というものはそう大事なことじゃなくて、どういうファクションで調整すればうまくいくかという実際的な見地、それから実際の政治情勢なども見まして、実際的な解決が必要だと、そう技術的なところで議論がとまるんじゃなくて、早く実際的な解決のできるように政府の方として考えてほしいと思いますし、地方団体もそういう方向で行動することが大事じゃないかというのが私の考えですね。実際的にいこうということです。

 

○山陰中央新報

 これの前段として、増田総務大臣に以前提案されたときに、知事は法人税と消費税の入れかえというようなこともおっしゃってた。

 

○溝口知事

 言ってましたね。

 

○山陰中央新報

 はい。だからそれに続く次善の案という意味で......。

 

○溝口知事

 いや、あの中にもね、増田大臣にお見えになったときに出した提案書の中には、譲与税というような形も考えられると。今の3つは大体申し上げておきましたけどもね。それからもう一つ、財源超過団体の基準財政収入超過分が減ることによって、交付税の必要額が減ることになりますけども、その分は交付税総額が減らないように、地方財政計画上、歳出をふやすということによって交付税全体が確保されるということが必要だということも言っておりますが、今回の増田総務大臣がお示しになった提案は、そんなようなことと同じ考えですね。増田大臣の方は、割と明確に地方歳出の増加も、地方の活性化につながるような歳出に対して交付をすると。つまり基準財政需要を見込むときに、こういう需要は計上してくださいとすれば基準財政需要がふえますから、その分だけ交付税がふえるという仕掛けになるわけですね。今まで議論があったのは、地方団体間でいずれにせよ調整をすると、東京都などの不交付団体の地方税収が減って、交付税の額が減るんじゃないかと、必要額が。そうすると、その分が国に召し上げられるんじゃないかというような議論があったわけですが、そういうことはないですよというのが総務省の御提案であり、私も地方団体間で生じた財源は、やはり地方の中で活用すべきだというのが当初からの案であります。

 


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