ノロウイルスは冬場に起こる感染性胃腸炎の主な原因の一つです。感染力が強く、家族や職場で感染が広がることがあります。特に、抵抗力の弱い乳幼児や高齢者が感染すると重症化したり、吐物を誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。
ノロウイルスについてはワクチンがなく、また、治療は輸液などの対症療法に限られます。
皆様が周りの方々と一緒に予防対策を徹底していかなければなりません。
ノロウイルスが口の中に入ると感染します。
1.感染した人のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐物から人の手を介して二次感染した場合
・・・例えば、トイレを例にして考えてみましょう・・・
その他にも・・・
2.家族や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染する場合
3.食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者などが含まれます。)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合
4.汚染されたカキなどの二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合
5.ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合
という経路により口の中にウイルスが入り感染します。
手洗いは、手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。
調理を行う前、食事の前、トイレに行った後、下痢等の患者の汚物処理やおむつ交換等を行った後には必ず行いましょう。
爪を短く切って、指輪等をはずし、石鹸を十分泡立て、ブラシなどを使用して手指を洗浄します。
すすぎは温水による流水で十分に行い、清潔なタオル又はペーパータオルで拭きます。
石鹸自体には、ノロウイルスを直接失活化する効果は有りませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指からはがれやすくする効果があります。
※消毒用エタノールによる手指消毒は手洗いの代用にはなりませんが、一般的な感染症対策の観点からの補助として用いてください。
一般にウイルスは熱に弱く、加熱処理はウイルスの活性を失わせる有効手段です。
ノロウイルスの恐れのある二枚貝などの食品の場合は、中心部が85℃から90℃で90秒以上の加熱が望まれます。
家庭や集団で生活しているような施設の利用者で、医療機関等で感染性胃腸炎と診断された方が出た場合、他の方に感染を広げないように注意しなければなりません。
具体的には次のことに注意しましょう。
(1)吐物や便の処理をするときは十分注意しましょう。
不特定・多数の方で処理すると、かえって感染を広げてしまう可能性がありますので処理をする人以外は吐物や便に近づかないようにしましょう。
(2)吐物や便が付着したリネン類を処理する際にも注意が必要です。
(3)トイレ周辺の消毒
※注意※
今回紹介しました消毒液には塩素系漂白剤を使用しております。
塩素系漂白剤は
・酸性タイプの洗浄剤を混合すると有害なガス(塩素ガス)が発生するため危険である。
・金属製品、繊維製品では腐食や変色を起こす場合がある。
・漂白剤であるため、色落ちする。
・使用時には十分に換気を行う必要がある。
など、使用される製品に注意点が記載されておりますので、必ずご確認いただき、ご使用の際にご注意ください。
次に消毒液の作り方を紹介いたしますが、製品に記載のある注意点のほかに、次のことに注意してください。
今回消毒液に用いる容器はペットボトルです。間違って飲んでしまうと大変危険ですので、「消毒液飲まないこと」など、注意書きをするとともに、一時的に保管する場合には子どもが簡単にふれる場所を避けて保管し、作ったらできるだけすぐに使い切るようにしましょう。
(作り方)
濃度 | 0.1%(50倍希釈) | 0.02%(250倍希釈) |
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使用場所 | おう吐物・便で汚染された場所や衣類の消毒 | 調理器具・床・トイレのドアノブ・便座などの消毒 |
作り方 | 1.500mlのペットボトルに水を 約半分入れる (2)ペットボトルのキャップ2杯分 (10ml)の漂白剤を入れる (3)さらに水を加え全体を500mlとし、キャップをしてよく降り混ぜる。
※ペットボトルに「消毒液飲まないこと」など注意書きをする。 |
(1)2リットルのペットボトルに水を約半分入れ る (2)ペットボトルのキャップ2杯 分(10ml)の漂白剤を入 れる (3)さらに水を加え全体を2リットルとし、キャップをしてよく降り混ぜる
※ペットボトルに「消毒液飲まないこと」など注意書きをする。 |