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製材廃材を緑化資材や雑草を抑える資材として利用する

課題名:製材廃材の有効利用技術の開発(研究期平成15年度〜18年度)

 

■研究の目的

 県内の製材工場やプレカット工場から排出される製材廃材は、主に家畜の敷料、バーク堆肥、チップ原料、熱源等に利用されているが、未利用のまま処分されるものもある。

 従来、製材廃材は焼却処分されていたが、平成14年度の環境規制強化により、製材工場での焼却処分は不可能になったため、早急に製材廃材の有効利用技術の開発を行う必要がある。

 

■結果の概要

(1)島根県内の製材工場から発生する製材廃材の排出状況の把握

 島根県内の製材工場を対象に素材入荷量、製品生産量、製材廃材の総量・種類毎の利用量・処理経費を調査し、実態を把握した。製材廃材は家畜敷料、チップ原料、堆肥等に利用されているが、一方で有効な利用を行わず、廃材として有償処理する製材工場が3割以上あることがわかった(県内183工場のうち回答率31.7%、廃材排出率:製材廃材量/素材入荷量31.4%)。

(2)製材廃材の炭化物や樹皮の利用技術の確立

 スギ製材廃材の炭化物と繊維化またはパウダー化したスギ製材廃材樹皮を利用したシートを製作し、マリーゴールド、ナデシコ、コマツナの育苗培地として生育させた後、畑土や培養土へ移植した。また、パウダー化したスギ製材廃材樹皮を育苗床土として使用し、同様の生育と移植を行った。

 樹皮パウダーを育苗床土として使用したものは根がよく張った。樹皮シート、樹皮パウダー育苗床土のいずれも生長阻害は見られずよく成長し、移植後も同様であった。

 製材廃材の炭化物と樹皮は育苗培地として使用に問題がないことがわかった。

(3)製材廃材のマルチング資材としての利用

 スギの製材廃材をチップ化し、これを地面に被覆した場合、土壌中の含水率は敷設2年目の調査区においては7月調査時で被覆無しの対照区14%に対し10cm被覆区が25%、チップの含水率は64%とそれぞれ高くなった。チップの敷設により、出現する雑草の種類や量、被覆率を抑えることができた。

 チップは敷設2年目でも形状や堅さについての大きな変化は見られなかったことから、製材廃材のマルチング資材としての利用は、アスパラガスのような地上部を毎年継続して収穫するものに適しているということがわかった。

 

■成果の活用上の課題

 製材廃材の炭化物や樹皮から緑化資材を制作するためには植繊機のような樹皮や木質材料をパウダー状に加工する機械が必要となる。

 

■その他

 製材廃材のマルチング資材はチッパー使用によるチップ化や均一な厚さに敷設するための労力がかかり、追肥を与えるためには敷設したチップを掘り返さなければならない。普及には、これらの問題を解決することが必要である。

 

(1)育苗培土の写真(2)コマツナ移植前の写真(3)コマツナ移植後の写真

 

写真(1)樹皮パウダーを使用した育苗培土(マリーゴールド、ナデシコ、コマツナ)

写真(2)コマツナ移植前

写真(3)コマツナ移植育苗培土から移植後も生育阻害は見られず

 


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