急傾斜地の崩壊等の土砂災害が発生した場合に、建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる区域です。
特定の開発行為に対する許可制、建築物の構造規制等が行われます。
特別警戒区域では、住宅・宅地分譲や特に防災上の配慮を要する者が利用する社会福祉施設、学校及び医療施設の建築のための開発行為については、土砂災害を防止するために自ら施行しようとする対策工事の計画が、安全を確保するために必要な技術的基準に従っているものと都道府県知事が判断した場合に限って許可されることになります。
特定開発行為許可制度の手引き(PDFファイル:3,228KB)
特別警戒区域では、住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがある建築物の損壊を防ぐために、急傾斜地の崩壊等に伴う土石等が建築物に及ぽす力に対して、建築物の構造が安全なものとなるように、居室を有する建築物については建築確認の制度及び構造規制が適用される場合があります。
すなわち区域内の建築物の建築等に着手する前に、建築物の構造が土砂災害を防止・軽減するための基準を満たすものとなっているかについて、確認の申請書を提出し、建築主事又は指定検査確認機関の確認を受けることが必要になります。
都市計画区域外でも、敷地の半分以上が特別警戒区域である土地で新築や増改築を行う場合は、建築確認が必要な場合があります。なお、建築確認が不要な場合でも、建物が特別警戒区域にかかっていれば構造規制の対象となります。
都市計画区域外における建築基準法の適用の考え方(PDFファイル:38KB)
特別警戒区域内で新築や増改築を行う場合は、建築物の構造が土砂災害を防止・軽減するための基準を満たすものとしなければなりません。この時、当該建築物に作用すると想定される土石等の力及び高さに対して安全な構造とする必要があります。
土砂災害防止法第9条に基づき指定した土砂災害特別警戒区域内において新築・増改築する場合は、壁を補強するなど土砂災害に対して安全な構造にしなければなりません。
島根県では、この壁を補強するなどの経費の一部を補助する「島根県土砂災害特別警戒区域内住宅補強支援事業」を平成22年に創設し、平成29年にこの支援事業を拡充しました。
島根県土砂災害特別警戒区域内住宅補強支援事業の概要(PDFファイル:128KB)
急傾斜地の崩壊等が発生した場合にその居住者等の生命又は身体に著しい危害が生じるおそれのある建築物の所有者、管理者又は占有者に対し、特別警戒区域から安全な区域に移転する等の土砂災害の防止・軽減のための措置について都道府県知事が勧告することができることになっています。
特別警戒区域外への移転等に対しては、以下のような支援措置があります。
地すべり等関連住宅融資は、特別警戒区域からの移転勧告に基づく家屋の移転、代替住宅の建設、土地の取得等に必要な資金の融資を受けられます。
(融資金利の優遇措置有)
特別警戒区域内にある構造基準に適合していない住宅(既存不適格住宅)を特別警戒区域から移転し、代替家屋の建設を行う者に対し、危険住宅の除去等に要する費用及び危険住宅に代わる住宅の建設に要する費用の一部が補助されます。
(平成21年度より「がけ地近接等危険住宅移転事業」を住宅・建築物安全ストック形成事業に統合)
※補助制度を実施していない市町村もあります。
地方公共団体により交付金事業が行われている場合には、土砂災害特別警戒区域内にある構造基準に適合していない住宅(既存不適格住宅)の補強・改築を行う者に対し、危険住宅の補強・改築に要する費用の一部が市町より補助されます。
特別警戒区域では、宅地建物取引業者は、特定の開発行為において、都道府県知事の許可を受けた後でなければ当該宅地の広告、売買契約の締結が行えず、当該宅地又は建物の売買等にあたり、特定の開発行為の許可について重要事項説明を行うことが義務づけられています。