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第2回宍道湖・中海ラムサール条約と「賢明な利用」を語る会

ラムサール条約汽水域の魚介類を通して共存と保全を考える

 島根県では、平成17年11月にアフリカのウガンダで開催される第9回ラムサール条約締結国会議での宍道湖・中海の条約登録を目指しています。
条約登録に向け、その意義と、条約の主旨である「賢明な利用」について語る会(第2回)を、平成17年10月22日(土)、島根県立宍道湖自然館ゴビウスで開催しましたので、その模様をお知らせいたします。

1主催:島根県、島根県立宍道湖自然館ゴビウス、ホシザキグリーン財団、島根県環境学習サポートネットワーク

2実施年月日:平成17年10月22日(土)午後1時30分〜午後4時30分

3実施場所:出雲市園町島根県立宍道湖自然館ゴビウス

4参加人数:約40名

5次第
(1)開会挨拶島根県環境生活部次長長谷川眞二

(2)事例発表
板倉宏文氏(島根県環境生活部自然環境課主査)
「ラムサール条約とは?」

越川敏樹氏(宍道湖自然館ゴビウス館長)
「宍道湖の魚類の季節消長の特性」

高橋正治氏(宍道湖漁業協同組合参事)
「水産資源の活用と保護について」

吉尾二郎氏(島根県農林水産部海づくり推進室長)
「宍道湖の水産振興について」

(3)宍道湖で漁獲された魚介類の試食と素材の解説
「意外と知られていない宍道湖七珍以外のうまいもの」
橋本勝正氏(「割烹だいこく」店主)

(4)座談会

(5)宍道湖・中海に生息する生物の観察と解説(ゴビウス見学)

6概要
次長の挨拶

 開会に先立ち、島根県環境生活部長谷川次長より、挨拶と本会の趣旨の説明が行われました。その後、宍道湖及びラムサール条約登録関係機関の関係4氏より、事例発表とこれまでの取組について15分ずつ発表が行われました。


まず、島根県自然環境課板倉主査より、「ラムサール条約とは?」と題してラムサール条約について説明。特に同条約が水鳥に関する条約だと一般的に捉えられがちなことについて触れながら、同条約そのものの意義と宍道湖の環境について解説が行われました。

 次に、宍道湖自然館越川館長より、宍道湖の魚類相と季節消長について発表。名前は知っている魚類でも宍道湖・中海をどのように利用しているのか等について、季節消長を切り口に解説が行われました。

 続いて、宍道湖漁協高橋参事より、宍道湖における水産資源の活用と保護について説明。特にシジミ漁の安定的持続可能な漁業のための漁協組合員による自主規制や、最近では少なくなった漁法等の紹介を交えながら、宍道湖の現状とこれからの取組について紹介が行われました。

 最後に、島根県海づくり推進室吉尾室長より、宍道湖における水産振興について、県の取組とそれによる改善状況について解説が行われました。
事例発表者

 板倉氏越川氏高橋氏吉尾氏

橋本氏

 4氏による発表の後は、「割烹だいこく」店主の橋本氏より、「意外と知られていない宍道湖七珍以外のうまいもの」と題して解説。ハゼの天ぷら、セイゴの煮付け、サッパのおから漬け、コノシロの柿なます、テナガエビの夕焼け煮、ヤマトシジミの酒蒸しを試食しながら、なごやかな雰囲気の中、宍道湖の豊かな素材の解説が行われました。

 セイゴの煮付けハゼの天ぷら料理盛り付け

 事例発表と試食会に続き、宍道湖自然館越川館長を座長として、長谷川次長、発表をされた4氏をパネラーに、参加者全員による「賢明な利用」についての座談会が行われました。
試食された素材やアマサギの現状などに関する質問のほか、パネラー、参加者からは、

  • ラムサール条約登録が言葉だけで終わってほしくない。様々な機関でなされている研究の調査結果なり成果なりを共有していくことが重要ではないか。これまではどういう方向性を作っていくのかというまとめをする場所がなかったと思うので、これを機に住民を含めた一つのテーブルで大きな将来に向かっての話しができる場がほしいと思う。
  • 宍道湖漁協の取組が条約の主旨である「賢明な利用」であることが理解できた。こうした取組が広がるよう、漁協や行政だけではなく、市民、そして子供たちがこのような勉強会に参加して、宍道湖を良くしていく取組を行うべき。
  • 宍道湖・中海の水質の現状を踏まえると、大人のツケを子供たちに回してはならない。子供たちの力を借りるような運動を進めていくべき。
  • 宍道湖の魚を捕り、それを料理して食べるという活動をしてきたが、郷土心が育てばいいと考えていた。身近な活動も重要だと思う。
  • 宍道湖の環境改善は行政だけでは進まず、市民の方でやることもたくさんある。そういう意味で、ゴビウス、グリーンパークで行われている活動は市民と行政をつなぐパイプ役として重要だと思う。

などの活発な意見が出されました。

7来場者へのアンケート結果
来場いただいた方々にアンケートにご協力いただきました。主な内容は以下のとおりです。
島根県としては、語る会当日でのご提言、ご意見や、アンケート結果などを踏まえ、今後の活動を検討してまいりたいと考えております。

 
(1)どのような内容の会議やセミナーに参加したいですか

  • 水質についてのセミナーが聞きたい
  • 貴重な緑地における取組の事例
  • 両湖の環境をどのように保全又は改善していくのかの会議
  • 専門的な話しではなく柔らかい会議が聞きたい
  • 偉い先生の講演会
  • 情報がインターネットに掲載されているものが多く、ラムサール条約を進めたときにどうなるのかの方向性の話しもしてほしい
  • 今日の料理も含めてメニューは良かった。あまり学術的な面ばかりでない方がいいのではと思った。
  • 湖面の環境改善の取組
  • 住民意識の向上
  • 様々な話題が出て楽しかった

 

(2)賢明な利用についてのご提案がありましたらご記入下さい

  • 宍道湖・中海についてどうするか、長期(100〜200年)の計画を作ってほしい
  • 関係する主体の合同会議の開催(「アサザプロジェクト」のような取組)
  • 今を守るために現地に出て、まずは実態を知ることのできる勉強会
  • 日本一のシジミの新たな発展
  • 水辺と親しむ機会を増やす工夫をしてほしい
  • CATVなどにも案内してほしい

 


お問い合わせ先

環境政策課宍道湖・中海対策推進室

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
TEL:0852-22-6445