一般国道9号三隅益田道路(仮称)環境影響評価方法書に係る知事意見

(総括的事項)

1.具体的なルート、構造及び環境保全措置(例えば騒音防止のための遮音壁や低騒音舗装の設置、貴重な動植物の移設又は移植等)の検討に当たっては、今後の調査・予測結果を基に複数案を比較し、環境影響が回避又は低減されるかどうかを検証する必要がある。

2.環境影響評価を行う過程において、評価項目の選定等に係る事項にあらたな事情が生じたときは、必要に応じ参考項目及び参考手法等を見直すとともに追加的に調査、予測及び評価を行う等適切に対応するものとする。

(個別的事項)

1.大気、騒音、振動、低周波

(1)工事中及び供用後の大気・騒音・振動に係る環境の保全について、特に配慮を必要とする住宅地、保育所及び社会福祉施設等の存在を踏まえた調査、予測及び評価を行うものとする。

(2)供用後の大気・騒音・振動に係る環境の保全について、既存道路が並行・交差する場所、インターチェンジ部及びトンネル抗口部等の周辺については、調査地点の選定に当たって、放射音の発生などの特殊性を考慮するものとする。

2.水質・地下水

(1)計画路線周辺には、三隅川、日本海等の河川や海域があることから、工事に伴う濁水については、下流部における利水や河川水質の状況等を踏まえ、必要に応じて水質に関する調査、予測及び評価を行うものとする。

(2)計画区域及びその周辺では、地下水が飲料水の水源等として利用されているので、必要に応じ事業に伴う地下水への影響について調査、予測及び評価を行うものとする。

3.動物

(1)海と陸との連続性を隔てるような形の開発であり、その間を移動する動物への影響を適切に調査し、予測及び評価を行うものとする。

(2)川の上流部と下流部・海とを行き来する回遊魚等について、移動時に工事の影響が及ばないようにするため、それらの生態に配慮して調査し、予測及び評価を行うものとする。

(3)計画地域は小型鳥類の渡りルートになっているので、既存文献に載らない種も含め、渡りの時期を配慮して調査し、予測及び評価を行うものとする。

(4)冬期から交尾行動を始める鳥類もいるので、この間も調査対象時期に含め、予測及び評価を行うものとする。

(5)クマタカの営巣が確認された場合は、営巣中心域、高利用域などを明らかにし、それらの消失割合を示したうえで、予測・評価するものとする。

(6)タガメやネアカヨシヤンマが事業実施区域内及びその近傍において確認されていることから、これらの生息する湿地や湧水地への工事の影響について予測・評価するものとする。

4.生態系

 調査対象区域には、保安林及び県指定の鳥獣保護区(鎌手鳥獣保護区)が含まれている。計画路線の決定に際しては、これらの区域をできる限り除外するよう考慮するものとする。

5.景観

 主要な眺望点の決定やその予測・評価に当たっては、必要に応じて地元自治体、住民等の意見を聞くなど、十分に配慮するものとする。

6.廃棄物等

(1)建設発生土については、事業実施区域内での再利用に努め、区域内で利用できない場合には可能な限り他の公共工事等で利用することについて検討するものとする。

(2)廃棄物の最終処分量をできる限り削減するため、種類ごとの発生抑制及び再資源化等についてその具体的な方策を明らかにするものとする。

(3)廃棄物の種類ごとの処理施設(減量化・再資源化等の中間処理施設、最終処分場)の処理能力、処理実績、受入可能性について調査し、上記の具体的方策に反映するものとする。

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