松江第五大橋道路(仮称)環境影響評価方法書に係る知事意見

松江第五大橋道路(仮称)環境影響評価方法書に係る知事意見

 

(総括的事項)

 具体的路線のルート・構造や環境保全措置(例えば、騒音防止のための遮音壁や低騒音舗装の設置、希少な植物の移植等)については、今後の調査・予測の結果を基に、複数案の比較検討を行うことによる環境影響の回避・低減がなされるかどうかの検証を行う必要がある。

 なお、環境影響評価を行う過程において、項目の選定及び手法の選定等に係る事項に新たな事情が生じたときは、必要に応じ選定項目及び選定手法等を見直すとともに、追加的に調査、予測及び評価を行う等適切に対応するものとする。

 

(個別的事項)

1.大気、騒音及び振動の調査・予測・評価地点は、計画路線周辺に住宅密集地等があること、また、環境の保全についての配慮が特に必要な学校、幼稚園があることを考慮して選定する必要がある。特にインターチェンジやトンネルの設置等を計画する場合は、インターチェンジ部及びトンネル坑口部分等の特殊部についても住居等の状況を踏まえ、検討する必要がある。

 なお、インターチェンジ及び高架道路の設置を計画する場合は、計画道路と、既存の道路及び鉄道による複合的な影響についても考慮するものとする。

 さらに、騒音に係る環境影響が高さ方向(例えば、高層住宅、丘陵部にある住宅地等)に及ぶおそれがある場合は、必要に応じ、適切な予測点を設定するものとする。

 

2.計画路線においては、湖沼法指定の中海に流入する複数の河川を跨ぐ橋梁等の工事が予定されているが、この工事に伴う濁水については、下流等における利水や水質等の状況を踏まえ、必要に応じ水質の予測及び評価を行うものとする。

 

3.計画路線周辺に、農業用水用のため池があることから、必要に応じため池の改変等による計画路線周辺の利水や生態系等への影響について、調査、予測及び評価を行うものとする。

 

4.計画路線周辺に、土砂流出防備保安林があることから、具体的なルートを踏まえ、事業に伴う地盤への影響について、必要に応じ調査、予測及び評価を行うものとする。

 

5.現地調査により、オオタカ等の希少な猛禽類が確認されているので、調査を行うにあたっては、必要に応じ適切な調査を行ったうえ、予測及び評価を行うものとする。

 また、計画路線周辺に、嵩山鳥獣保護区があることから、鳥獣の生息環境の保護のため、騒音及び振動の低減等に努める必要がある。

 

6.計画路線周辺の水域において、オオクグ等の希少な植物が確認されているので、調査を行うにあたっては、必要に応じ適切な調査を行ったうえ、予測及び評価を行うものとする。

 

7.動物相の状況の調査の結果、ほ乳類、鳥類、両生類、は虫類、魚類、底生動物及び昆虫類以外の動物についても、重要な種及びそれらの注目すべき生息地等が確認された場合は、予測及び評価を行う必要がある。

 

8.凍結防止剤及び工事中の濁水等による希少な動植物への影響についても、予測及び評価を行う必要がある。

 

9.景観に係る調査、予測及び評価の手法について、必要に応じ松江城のほかに計画路線を俯瞰できる周辺のレクリエーション施設等を主要な眺望点として追加し、調査、予測及び評価を行うものとする。特に計画道路と既存の街区や諸施設との色彩等の調和や土地改変に伴う景観への影響について配慮する必要がある。

 

10.建設発生土等については、搬出量、搬入量、再利用量、処分量及び搬出入方法等についても予測及び評価を行う必要がある。

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