島根県水産技術センター研究報告第12号(2019年3月)

タイトルをクリックするとご覧いただけます。

研究報告書の一括ダウンロードはこちらをクリックして下さい。(PDF,7700KB)

報文

島根半島沖産アカアマダイの年齢査定手法についての検討(松本洋典)(PDF,1,291KB)

アカアマダイのAge-LengthKeyを作成する場合には,多数の魚体測定および年齢査定の処理が必要で,特に年齢査定には高い正確性が求められる.年齢査定の手法には表面法と横断面法の2つがあり,高齢魚の査定結果の信頼性は横断面法が優れているが,表面法は試料処理が容易で効率的である.

島根半島沖で漁獲されたアカアマダイについて2つの手法を検討したところ,雌は概ね全長300mm未満,雄では350mm未満の個体は表面法と横断面法によって計数された輪紋数に差異は認められなかった.このことから,この全長を基準として,基準未満の個体は表面法で,それ以上の大きさの標本については横断面法によるものを査定結果とすることにより,年齢査定作業の効率化と正確性を確保できると考えられる.

資料

宍道湖におけるシラウオの水深別産卵,発生,ふ化,仔稚魚および成魚の分布(石田健次・福井克也)(PDF,700KB)

宍道湖におけるシラウオの産卵,発生,ふ化,仔稚魚および成魚の分布状況を調査した.産卵盛期は3月,4月で,産卵基盤が砂粒の秋鹿,来待沖で産卵数が多かった.産出間もない卵は1月に来待で,2月には湖内全域で出現した.3月にはふ化が近い卵が出現し,5月には卵が採集されない地点が増加した.ふ化が近い卵は浅場より水深2~3mの深場に多かった.水槽飼育試験によると,砂礫に埋もれた受精卵は死滅する可能性が大きいと推察され,産卵場となっている砂質のシジミ操業水域(水深2~4m)における保護対策の実施が望ましいと考えられた.仔稚魚は7月頃まで浅場が主な生息場となっており,湖心部では8月以前の採捕はみられなかった.9月以降のシラウオは成長に伴い湖深部を含む沖合へ移動・分散すると考えられた.

 

宍道湖ヤマトシジミ生態系モデルの仕様について(内田浩・畑恭子・村山達朗・勢村均・清川智之)(PDF,846KB)

宍道湖保全再生協議会の指示により作成した宍道湖ヤマトシジミ統合モデルの内、餌環境の変化に対応するヤマトシジミの成長を考慮した生態系モデルの仕様の報告。

ヤマトシジミの資源量変動要因は起因した餌環境(植物プランクトン)の違いとし、初期値は6月と10月に行う資源量調査結果、生残は自然および漁獲死亡、カモにより被食、水揚げされない漁獲死亡とした。資源への新規加入、成長を考慮したモデルとなっている。

パラメータは仮定に基づいて設定している数値もあり、計算結果は実測値との差異がある。今後、これらの課題を解決して、モデルの精度向上を目指す。

寄稿

江の川の漁労文化我が鮎獲り物語(天野勝則・絵:くまえみこ)(PDF,716KB)

 我が鮎獲り物語・技術編(天野勝則・絵:くまえみこ)(PDF,4,82KB)

 天野勝則さんの寄稿に当たって(今井聖造)(PDF,377KB)

 編集を終えて(くまえみこ)(PDF,399KB)

 

企業広告
ページの先頭へ戻る