ヤマトシジミは宍道湖の代表生物
ヤマトシジミは薄い塩分のある水域を好みます。宍道湖〜大橋川にかけては塩分濃度0.3〜1.0%(海水の1/10〜1/3)程度で、ヤマトシジミが好む塩分濃度と一致しています。ヤマトシジミは宍道湖の環境にもっとも良く適応した生物であり、現在の宍道湖でもっとも栄えている動物といえます。調査結果では宍道湖の湖底の生物の量の99%以上をヤマトシジミが占めており、多い場所では1m2当たり10kg以上(数千個以上)ものヤマトシジミが生息しています。また、宍道湖全体では5万トン(体重50kgの人なら100万人分の重さ)ものヤマトシジミがいると推定されます。
シジミの生息深度
ヤマトシジミが多いのは宍道湖でも水深4mより浅い湖岸部だけです。水深4mより深いところは、底質が悪く夏季に溶存酸素量が少なくなるためシジミはほとんど住んでいません。
シジミの生活形態
ヤマトシジミは宍道湖の砂泥の中にもぐって生活しています。通常シジミは砂泥の中から水管だけを出し、湖水を吸い込んでは吐き出しています。シジミは入水管から水を吸い込んで、えらでこしとることによって、呼吸するのと同時に水の中のエサもとります。ヤマトシジミは宍道湖の水の中に漂っている植物プランクトンなどを主に食べています。