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放牧景観も美しく、牛糞にシバを移植して乳牛の放牧場を改善

 奥出雲町にある「ダムの見える牧場」では、平成26年から総面積20ヘクタールの放牧場にホルスタイン種乳用牛30頭余りを放牧する放牧酪農が行われています。乳牛のいる放牧場は、隣接する尾原ダムと相まって美しい景観を形成し、晴れた日には路肩に車を止めて景観を眺める人もいます。

 この放牧場では、栄養価の高い牧草を繁茂させるため、農業技術センター技術普及部畜産技術普及課の指導のもと、シバの一種、センチピートグラスを移植しました。このシバは、ほふく茎を伸長して平面に広がり、地上に出す葉は牛に食べられてよく再生し、栄養価の高い牧草です。シバの生育期間は、放牧牛に養分を安定供給できます。

 移植方法は、経費節減のため、放牧場で繁殖しているシバを使った糞上移植でした。シバの一部をクワやハサミで切り取り、放牧場に落下する真新しい泥状の牛糞にシバを置いて、長靴で踏みつける作業です。シバは、牛糞の水分と肥料を吸収し枯死しにくく、よく活着します。また、牛糞上のシバは、牛が避けるので、しばらくは糞に守られて生育できます。詳細はインターネットに公開されている「耕作放棄地放牧等における省力・低コストなシバ型草地化技術マニュアル」に記載されています。

 移植後に適度な降雨に恵まれ、20日後の6月17日には根の活着を認めました。移植後は、シバ自身の繁殖力と牛の糞に含まれる未消化の種子で広がります。

 牧場では、昨年から梅雨前に移植をしており、10年後には牧場全面をシバで覆う計画です。完成するとゴルフ場のように緑一面の景色になって、持続可能な放牧場の完成です。

牛糞に活着したセンチピードグラス

 【牛糞に活着したセンチピードグラス】

牛糞を探す報告者ら

 【牛糞を探す報告者ら】



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