掲載企業インタビュー   VOL.4

マイナス温度保存・解凍システム「テクノエナジ」  マルシェマシナリー

 

マイナス温度で生鮮品を保存・解凍する特許技術「テクノエナジ」を開発


 

マルシェマシナリー(松江市東出雲町揖屋)は、魚や野菜などの生鮮品をマイナス温度で解凍し、保存する特許技術を生かした冷蔵庫や冷凍庫を製造・販売しています。「テクノエナジ」と名付け、1台で保存、解凍、静菌、熟成の4役をこなす優れもので、全国の農林水産物の生産地、外食チェーン、高級レストランなど約1600カ所で導入されています。海外でも注目され、今後は島根発のグローバル製品として米国などへの輸出を拡大する計画です。

 

古安社長とテクノエナジ

 「テクノエナジ」を説明する古安社長

 

▼食料品の鮮度にこだわり研究

 

 創業者の古安正好社長は船舶用品を扱う会社や製菓、洋食材を取引する企業に勤務後、1987年に独立。前職で学んだ機械技術を活用して鮮度を保つ冷蔵庫の開発を試みました。当時、高圧電流を利用して鮮度を維持する冷蔵技術が文献にはあったものの、実際に実用化はされていませんでした。自己流で製品化して販売しましたが、冷蔵庫から煙が出る、オゾンが発生するなど故障やトラブルが相次ぎ、会社をたたもうと悩みました。

 

高電圧を微弱エネルギーにして帯電

 

 それでも、「生きる道はこれしかない」と改良を重ね、1995年に高電圧を微弱エネルギーにして帯電させることでマイナス6度でも凍らないシステムを完成させました 。(1) 鮮品を最適なマイナス温度で保存、(2)バクテリアなどが活動できない静菌環境、(3)旨みや糖度を上昇させる熟成、(4)たんぱく質、旨み成分などのドリップが出ない解凍ーの特徴をもち、 特許を取得しました。その後従来製品を購入していた全国の顧客の元へ1社ずつ出向き、修理や新製品への無償交換を手掛けました。こうした「顧客ファースト」の対応が長期顧客を育てていきました。

 

テクノエナジ

テクノエナジは顧客の利用環境に応じた要望に対応できるよう大小豊富な機種を用意しています。

 

▼さらなる新技術への挑戦

 

 島根大、松江高専、県産業技術センターなどとも連携して研究し2016年に、超音波を使うなどしてマイナス13度での急速な均一冷凍・解凍システムを完成させました。実験結果から、細胞が壊れにくいなど既存製品以上の鮮度保持が可能に。翌年に特許を取得し、国際特許の出願をしています。

 既にシンガポール、韓国などに輸出していますが、日本食ブームもあって米国本土やハワイ、カナダなどの日本料理店からの依頼が増加し、本格的な海外展開を視野に入れています。また、新技術の研究にも余念がありません。「新技術の開発はセンス以外の何ものでもない」と語る古安社長だけに、夜中にひらめいた時のため、枕元には筆記用具を置いて寝るほど技術開発への情熱が尽きることはありません。

 

技術開発への想いを語る社長

技術開発への想いを語る古安社長

 


■会社概要

マルシェマシナリー株式会社

代表取締役社長   古安  正好

https://www.marche-machinery.com/(外部サイト)

所在地:島根県松江市東出雲町揖屋2299-4

TEL:0852-52-2340

FAX:0852-52-4408

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