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大屋議員

(問)教育施策について
1.「離島・中山間地域の高校魅力化・活性化事業」について、これまでの成果を踏まえ、地域全体の「教育の魅力化」に結びつけていくために、今後どう展開するのか伺う。
2.島根の子どもたちの学力を育成していくために、今後、どのようなことに重点を置いて取り組むのか伺う。
3.「今後の県立高校の在り方検討委員会」において開催された、浜田と江津両市での地域公聴会の状況と、今後の両市の高校に関する議論の進め方について伺う。

 

(答)知事

1.離島・中山間地域の高校魅力化事業についてのご質問であります。

 離島・中山間地域の8つの県立高校は、平成23年度以降、3年ごとの1期、2期と6年間にわたり、地元の町村とともに魅力化事業に取り組んで参りました。

 子どもの数が減る中、地元の高校への進学率の向上や、「しまね留学」による県外入学者の増加を通じて、高校の学級数を維持するなど、着実な成果を上げていると考えております。

 今後は、こうした成果を踏まえ、次のような観点から、「第3期の在り方」を考えていくのがよいのではないかと、今、考えているところであります。

 一つは、高校だけでなく、幼稚園・保育所から小学校、中学校、特別支援学校も含め、地域を挙げて「教育の魅力化」に取り組んでいくこと。

 二つ目には、魅力化事業を実施している8校の地元だけでなく、「教育の魅力化」に取り組もうという意欲のある他の市町村にも、事業を拡大していくこと。

 三つ目には、学校教育の分野だけでなく、地域づくりや移住・定住対策との連携を強化していくこと。

 こうした問題を教育委員会を中心にですね、検討をしていってはどうかというふうに考えております。

 このような「第3期の在り方」を具体化するためには、まず、市町村と十分に協議・調整を図る必要があることから、教育委員会、地域振興部を窓口に、市町村との意見交換を進めていきたいと考えているところであります。以上であります。

 

(答)教育長
2.2点のご質問にお答えをいたします。

 まず、学力育成の取り組みについてであります。

 子どもたちの学力を伸ばしていくため、「授業の改善」と「家庭学習の充実」の二点に重点を置いて取り組んでいく考えであります。

 まず「授業の改善」については、全国学力・学習状況調査や県の学力調査を踏まえ、各学校が、「チーム学校」として組織的にPDCAサイクルを回しながら授業改善に取り組んでいくことが重要であり、こうした認識が学校現場で徹底されるよう、引き続き学校への働きかけを行って参ります。

 特に課題の見られる算数については、「算数の授業は好きだ」と感じる児童を増やすことが、学びたいという意欲を育み、それが学力につながっていくという考えのもと、「授業の質の向上プロジェクト」に取り組んでおります。

 このプロジェクトは、中央教育審議会で議論されている次期学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」、いわゆるアクティブ・ラーニングにつながるものでありまして、今後、算数での成果を踏まえ、他の教科にも広げていきたいと考えております。

 二点目の「家庭学習の充実」については、中学生の家庭学習の時間が少ない状態は依然として続いておりますが、一方、家庭で計画的に学習したり、授業の復習をするなど、家庭学習に取り組もうとする生徒の意識面で、改善の傾向が見られます。

 このような生徒の意識を、実際の家庭学習の質と量に結びつけていくためには、授業と家庭学習を連動・一体化させるようなやり方、例えば調べ学習や文章を書く課題を与えるなど、生徒に課題を提示する際の工夫が必要になると考えており、こうした改善策を学校現場に提案していきたいと考えております。

 

3.次に「今後の県立高校の在り方検討委員会」についてお答えをいたします。

 「総合戦略」や「中山間地域活性化計画」を策定する過程で行われた議論や、計画に盛り込まれた課題意識、施策の方向性等を踏まえますと、今後の高校の在り方を考えるにあたって、学校教育のみに閉じた自己完結的な発想による検討であってはならないと考えます。

 人口減少問題に対処するため、県内のそれぞれの地域は、いわば生き残りをかけて「地方創生」の取組を進めようとしておられます。県は、市町村に対する積極的な働きかけを行いながら、市町村と連携して、それぞれの地域を支えていかなければなりません。

 そうした中にあって、県立高校の在り方を議論する際には、特に、次のような観点が重要になると考えております。

 第一に、「小さな拠点づくり」の一環として、中山間地域における教育機能をどのように確保していくのか。

 第二に、移住・定住対策を進めるための、地域の魅力づくりの重要な要素である「教育の魅力化」をどのように進めるのか。

 第三に、技術革新や国際環境の変化によって社会の先行きが見通しにくくなる中、島根の子供たちにどうやって「生き抜いていく力」を身につけさせるのか。また、県内産業や医療・福祉等が求める人材ニーズにどう対応していくのか。

というような、観点であります。

 「検討委員会」における議論はこれからいよいよ本格化していくことになりますが、こうした重要な観点について検討が深まっていくことを期待するものであります。

 また、「検討委員会」は、現在、浜田・江津エリアにおける高校の在り方を、次期計画の基本理念を探るためのリーディング・スタディと位置付けて、集中的に議論を進めておられます。

 その考え方は、次のとおりであります。

 まず、浜田・江津エリアでは、平成21年に策定した現行計画の基準や考え方をそのまま適用して統廃合の検討が進められるのではないか、というような懸念の声が多いため、こうした誤解を早い段階で払拭しておく必要があること。

 また、次期計画に向けた検討に際し、人口減少問題がより厳しい石見地域において、先ほどの三つの重要な観点からの議論を深めていくことで、県内それぞれの地域の実情や課題に配慮した高校の在り方が見えてくるのではないか。

との考えによるものであります。

 なお、一昨日、「検討委員会」が開催した地域公聴会では、高校存続を望むご意見とともに、次のようなご意見もございました。

 「社会経済、生活などの面で、浜田・江津エリアは一体化しているので、高校の在り方についても両エリアを別々に考えるのではなく、一体的に検討してほしい。」

 「普通科高校と専門高校の組み合わせで考えるのではなく、2つの普通科高校の関係をどう考えるか。また、専門高校については、石見地域全体を視野においた産業教育の在り方を検討してほしい。」

 「生徒に生きる力を身に付けさせるためには、切磋琢磨できる環境も重要であり、そうした観点で学校の規模を検討してほしい。」

などであります。

 検討委員会における今後の議論の参考となる貴重なご意見を、お聴きすることができたと思っております。以上でございます。

 


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