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角議員

(問)性的少数者(LGBT)に係る問題解決に向けて

1.LGBTへの子どもたちの理解を深めるための教育はどのように行われているのか伺う。

2.自分の心や体に性的違和感を持ちながら、そのことが言えず悩み苦しんでいる子どもたちへの学校での対応について伺う。また、相談体制はどのようになっているのか伺う。

(問)スマホ依存対策について

3.依存症になる恐れもあるスマホをはじめとしてメディアとの接し方について、教師の理解を深めることが必要だが、どのような取組みをしているのか伺う。

4.スマホ依存にならないよう、子どもたちへの指導はどのように行われているのか伺う。

5.スマホ依存が疑われる子どもたちについて、医療機関など関係機関につなぐことも必要だと考えるが、どのように取り組んでいるのか伺う。

6.スマホ依存にならないよう、幼児期の子どもを持つ親に対しての取組みはどのようになっているのか伺う。

 

(答)教育長

1.2項目6点のご質問にお答えをいたします。

 まず、性的マイノリティに関する子どもたちの理解を深めるための教育の現状についてであります。

学校においては、様々な人権課題について、それぞれ大切な課題として指導していく必要がありますが、教育課程の編成上、すべての課題を網羅的に扱うことは難しく、子どもや学校の状況、地域の実態に応じて人権上の問題・課題を取り上げ、学習する機会を設けております。

 このような中、平成27年度人権・同和教育推進状況調査をみますと、性的マイノリティについて取り上げて学習を行っている学校は、国立、公立、私立を合わせまして、小学校211校の内14校、中学校102校の内9校、高校46校の内4校、特別支援学校12校の内0校でありまして、これは全学校の7%に相当します。

 また、性的マイノリティの人権課題を直接取り上げていない学校においても、人権意識の基盤となる、多様性を認め、固定的な考え方や偏見にとらわれない態度や他者を思いやる気持ちを育てる人権教育を推進しております。

 

2.次に、性的違和感を持つ子どもたちへの対応と相談体制についてお答えをいたします。

 各学校においては、子どもたちの様々な悩みを積極的に把握するためのアンケート調査を実施しており、これに加えまして、担任や養護教諭が相談の窓口となって、個別に話を聞く機会も設けております。

 しかしながら、性的違和感を持つ子どもたちへの学校での対応や相談体制の整備については、取組に着手したばかりの状態といってよいと思います。

 これまでの島根県教育委員会の取組を挙げますと、文部科学省が平成27年4月に通知した「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」という文書を県内すべての学校に発出し、各学校における相談体制の整備について、早急に対応するよう要請いたしました。

 さらに、具体的な対応についての理解を深めるために、文部科学省が平成28年4月に公式ウェブサイトに掲載いたしました「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」という資料の周知を図っております。

 併せて、県立学校の校長会、市町村立学校の校長を対象として教育事務所ごとに開催した教育施策説明会、さらには人権・同和教育主任を対象とする研修会においてこの資料を紹介し、各学校での活用を促しております。

 また、学校で対応しきれない場合には、教職員がスクールカウンセラーや教育センターに相談し、助言を受けることができるようにしています。

 性的違和感を持つ子どもは、どの学校にも在籍している可能性がありますので、すべての学校で適切な対応ができるように、相談体制の整備を急ぐ必要があると考えております。

 

3.次に、スマホをはじめとするメディアとの接し方に関する教師の理解を深める取組についてお答えをいたします。

 県教育委員会では、養護教諭や学校保健担当者を対象とする研修会において、メディアに長時間触れることで生じる弊害について、専門家の講義を聞いたり、子どもたちに教える方法を話し合ったりしてきております。

 また、研究モデル校を指定してネットを通じたコミュニケーションのルールやマナーを子どもたちが考える活動などに取り組み、この研修会で成果を紹介したりしております。

 さらに、昨年度と今年度は、県内の全ての公立学校の情報教育担当者を対象に、情報モラルやメディア依存に関する内容についての研修会を行いました。

 その中では、ネットゲームや無料通話アプリの利用から抜け出せなくなっていく子どもの様子などのビデオ教材を使いまして、子どもたちにメディアとの接し方を考えさせる指導のあり方を学んでもらったところであります。

 このほか各市町村では、教育委員会がメディアに関する講演会を開いたり、学校保健や生徒指導の担当者の集まりや、中学校区単位で「メディアとの接し方」について、専門家による講義を受けたり講演を聞いたりするなど教員の自己研鑽を深めているところがございます。

 

4.次に、スマホ依存を防ぐための子どもたちへの指導についてお答えをいたします。

 スマホ依存を防ぐための子どもたちへの指導としては、児童生徒一人ひとりに対する個別指導と、学校全体で取り組む教育活動に大別されます。

 このうち個別指導については、一人ひとりのメディア接触の実態、具体的には、スマートフォンなどの一日の使用時間やテレビゲームをする時間など、これらを、全国学力・学習状況調査や島根県学力調査の児童生徒質問紙によって把握をしております。

 その結果、長時間メディアに接触していることが明らかになった児童生徒については、健康面や学習面に深刻な影響が出ることを教え、生活リズムを整えることやメディアとの付き合い方について個別の指導を行っております。その際、保護者にも同様の情報を提供し、理解と協力を求めております。

 一方、学校全体で行う取組としては、例を挙げますと、「子ども一人ひとりが、チェックカードを使って、メディア接触時間、家庭での学習時間、睡眠時間などを記録することで生活を見直す活動」「児童会や生徒会が中心となって、メディアの使用ルールを決めてポスターを作ったり、メディア標語を作ったりするような活動」「外部講師から、メディアとの上手な付き合い方に関する講演を聞いたり、メディアのない時間の過ごし方を親子で考えたりする活動」こういったものがございます。

 昨年度、メディア接触を考える取組を行った学校の割合は、小学校の99%、中学校の95%、高等学校の75%、特別支援学校の50%でありました。

 こうした学校での取組を支援するために、県教育委員会では、学校の要望に応じまして、講演会や研修会の講師として医師や大学の先生などを派遣しております。

 各学校からの派遣依頼は、近年六十件を超えておりまして、幼稚園や認定こども園からの依頼も年々増えております。

 このため、講師派遣を拡大することができないか検討しているところであります。

 

5.次に、スマホ依存が疑われる子どもたちへの医療機関や関係機関などと連携した対応についてお答えをいたします。

 スマートフォンを長時間利用することによる影響としては、睡眠不足による体調不良、視力低下、集中力の低下などが心配されます。

 また、「絶えずスマホを持っていないと不安になる」「生活時間が昼夜逆転する」「スマホを通してのやりとりが多くなり、直接会話することが面倒になる」「感情のコントロールが難しくなる」など、日常生活に支障が出たり、学校生活への適応が難しくなるといった影響も考えられます。

 児童生徒にこうした状況が生じた場合、各学校では学校医やスクールカウンセラーと連携した健康相談を実施しております。

 また、より専門的な指導や助言が必要な場合、県教育委員会が「健康相談アドバイザー」として委嘱しております地域の小児科医や精神科医に相談できる体制もとっております。

 学校においては、平素から子どもの変化を見逃さないよう、健康観察を丁寧に行うとともに、家庭とも細やかに連絡をとっていくことが大切であります。そうした中で、過度の依存状態がうかがえる子どもに対しては、できるだけ早期に適切な医療を受けられるように、関係機関の力も借りながら保護者へのアドバイスを行っていく必要があるものと考えております。

 

6.最後に幼児期の子を持つ親への取組についてお答えをいたします。

 議員から幼児期の子どもがスマホ依存になる危険性をご指摘いただきましたが、率直に申し上げまして、私の認識不足でありました。

 おそらく、幼児期の子どもが自ら求めてスマホを使い出すというよりも、何らかの事情のもとで、親が玩具代わりに幼児向けのスマホ・アプリを与えているのではないかと推察をいたします。

 そうであるとすれば、幼児期の子どもを持つ親に対する啓発を急ぐ必要があると思います。

 現状の取組みをあげますと、健康福祉部では、青少年の安心・安全なインターネット利用に関する広報啓発や、メディアを題材とした子育て講座の開催などに加えまして、乳幼児健診の問診において、親子のメディア接触の状況を聞いた上で、必要に応じた指導に努めております。

 また、教育委員会が作成した「親学プログラム」については、ケータイ・インターネットとのつきあい方も学べるようになっておりまして、民間のファシリテーター約600人によって、県内各地で参加型学習が開催されております。

 年間の延べ参加者数約6300人のうち、幼稚園・保育所等の保護者が約1400人を占めておりまして、これは健康福祉部の取組みを一部ではあるが補完する役割も担っております。

 今後の取組みとしては、例えば乳幼児健診に併せて「親学プログラム」による参加型学習を開催するようなことができないか、健康福祉部とともに検討してみたいと考えております。

 

(再質問)LGBTの子どもたちへの学校の相談体制を早急に整備してほしいと考えるが所見を伺う。また、メディア教育の推進員を幼稚園・保育所の保護者会等の場へ積極的に派遣してほしいと考えるが所見を伺う。

 

 性的違和感をもつ子どもたちへの学校の相談体制、そして幼児期の子を持つ親への啓発の問題であります。

 いずれもこの2点、先ほどご答弁しましたとおりしっかり対処して参りたいと考えております。

 


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