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高見議員

(問)学力向上の取り組みについて
1.島根県が全国学力・学習状況調査で低迷していることについて、知事はどう受け止めているのか、所感を伺う。
2.県がリーダーシップをとって、教科の壁、学校の壁を越えたチームによる授業研究の仕組みを確立すべきだと考えるが、所見を伺う。
3.児童・生徒と保護者に対する家庭学習の指導を強化することが急務だと考えるが、これまでの取組状況と、今後どのように改善していくのか、伺う。
4.言語活動こそ教科を越えたすべての軸とすべきものだと考えるが、所見を伺う。
5.学力先進県との人事交流を進めるべきだと考えるが、所見を伺う。

 

(答)知事
1.高見議員のご質問にお答えをいたします。
2つの、私どもが必ずしもよく承知をしてない取組についてご紹介をいただき、たいへん刺激の多いお話だったと思います。
まず、2つの分野についてご意見を述べられたわけでございますが、1点目は、島根県が全国学力・学習状況調査で低迷していることについて、どう受け止めてるかというご質問であります。
私も教育委員会から教育委員会の考え、取組をよくお聞きをしております。
やはり結果から見ますと、全体的に正答率が全国を下回っている。特に、算数の平均正答率が全国と比べて低い状況が続いているなどが課題であり、教育委員会も大変厳しい状況と受け止めておりますし、私もそう思っているところであります。
教育委員会は、この問題に長年取り組んできておる訳でございます。新しい進展もあったところもありますし、十分な進展がないところもあるように思いますが、教育委員会におきましては、昨年の8月に、「しまねの学力育成推進プラン」を作成いたしまして、市町村教育委員会と協同で「学力育成会議」を立ち上げまして、授業の質の向上、家庭学習の充実に向けた取組を進めております。
また、学力育成に関しまして、県内の有識者の方々、あるいは保護者の方々などの意見も幅広く聴いていこういうことに取り組もうとしておられます。そしてまた、議員がご指摘になったような各県の状況なども、これもずいぶんやっておられる訳でございますが、やはり全国との格差の大きい問題について、いろんな工夫、努力をしなければならないというふうに考えております。
差の大きい算数につきましては、プロジェクトチームを立ち上げ、学習指導の改善方策を検討中でございます。また、県教育委員会と市町村教育委員会の指導主事が連携・協力して、すべての小学校を訪問して、授業改善に向けての指導・助言なども始めておるところでございます。
市町村教育委員会と連携して、これらの取組を進めていくことにより、児童生徒の学力が育成されるように期待をしております。
やはり、教育に限らず、いろんなことで進んだところ、あるいはいろんな取組をしている他の地域の状況をよく咀嚼をして取り入れていくということは大事な課題でございます。教育委員会も既にやり始められておりますけども、私からもお願いをするところであります。

 

(答)教育長
2.4点についてお答えします。
1点目は、全校体制での授業研究、あるいは地域の学校が連携した授業研究の仕組みについてであります。
授業の質を向上させるためには、教員が行う授業を校長・教頭や他の教員が参観し、その後で授業を改善する方策について話し合う授業研究、これが重要でございます。
授業研究にあたって、教科の枠を越えた全校体制で、また近隣の学校が協力して行う仕組みを確立することは大切だというふうに考えております。
学校全体で組織的に授業研究を進めるために、今年度から県が主催する研修を実施しない曜日を設定し、具体的には月曜日と火曜日ですけれども、校内研修を行いやすい環境づくりを行っております。
また、地域の学校が共同で行う授業研究は、各市町村ごとにあります教育研究会の取組が中心です。各市郡では毎年、公開授業や研究発表会が行われており、県教育委員会や市町村教育委員会の指導主事が指導・助言を行うなど、貴重な研修の場となっております。
学校が日常的に近隣の学校と連携し、授業研究を行っていくことも大切であり、地域全体で教員の指導力向上を図っていくための効果的な方策について、県教育研究会や市町村教育研究会との連携を深めてまいります。

 

3.2点目は、児童・生徒と保護者に対する家庭学習の働きかけについてです。
これまでの家庭学習の充実に向けた取組状況は、家庭学習の習慣化を目指した中学校の実践研究の成果をリーフレットにまとめ、各学校に配付したり、家庭学習充実のためのリーフレットや、家庭で規則正しい生活を送るための記事を盛り込んだ教育広報誌「教育しまね」を児童生徒の保護者に配付したりしております。
学力の育成のためには、授業の質を高めるとともに、授業で学習した内容を定着させたり、深めたりするための家庭学習の充実に、学校と家庭が連携して取り組むことが重要だと考えております。
これまでの取組の成果が必ずしも十分でないというふうに思っておりまして、他県の事例も参考にしながら、家庭学習が充実していくためにどういったやり方が良いのか、市町村教育委員会と検討してまいります。

 

4.3点目は、言語活動こそ教科を越えたすべての軸とすべきものだと考えるが所見を伺うというお尋ねについてです。
現行の学習指導要領では、児童生徒の思考力・判断力・表現力などを育む視点から、各教科などを通じた言語活動の充実を重視しています。
言語活動は、すべての教科で取り組まれるべきものであり、国語科において培った言語に関する能力を基盤に、算数をはじめ各教科における目標を達成するための手立てとして充実する必要があるというふうに考えております。

 

5.4点目は、他の都道府県との人事交流についてであります。
多くの都道府県では、それぞれの取組について情報発信をしておられ、それらの先進的な取組から学んだり、必要に応じて視察や聞き取りなどを行ったりしながら、島根県に合ったやり方で学力育成に取り組んでおります。
また、今回の算数のプロジェクトチームには、福井県の先生に参加してもらうことにしており、効果を上げている他県の取組を参考にしながら、学力育成推進プランに基づく取組を着実に実施してまいります。以上です。


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