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須山議員

(問)全国学力・学習状況調査の結果と対応策について
1.今年度の全国学力・学習状況調査の結果の概要について伺う。
2.昨年の9月定例会での教育長答弁を踏まえ、これまでの一年間、学力育成のために何をしてきたのか伺う。
3.今年度の学力調査の結果は「しまねの学力育成推進プラン」が機能していないだけのことであり、このプランを浸透させる具体的な手法を検討することが一番の処方箋と考えるが、所見を伺う。
4.学力調査で上位にくる他県の取組については既に分析していると思うが、その分析結果と本県への導入状況について伺う。
5.県では全ての学校図書館に司書を配置するなど先進的な取組をしているが、学力調査の国語で残念な結果となった理由について伺う。
6.今後の対応の柱の1つとして、学力育成のPDCAサイクルを着実に実施するとされているが、これまでの1年サイクルでできなかったことを、より短期間で行うことが本当にできるのか、所見を伺う。

 

(答)教育長
1.全国学力・学習状況調査に係る6点の質問にお答えします。
1点目は、全国学力・学習状況調査の結果の概要についてです。今年度の全国学力・学習状況調査は、中学校理科を除いて平均正答率が全国を下回る、全問正解やそれに近い児童生徒の割合が全国に比べて低い、記述式問題の正答率が全国を下回るものが多い、小学校の算数については、平均正答率が全国を下回る状況が続いていることや、「算数の勉強が好き」な児童の割合が全国で最も低いなど、厳しい結果でございました。

 

2.2点目は、これまでの一年間、学力育成のために何をしてきたのか、というお尋ねについてです。
「しまねの学力育成推進プラン」策定以降、県教育委員会と市町村教育委員会の協同組織である学力育成会議を設置し、プランに基づいた取組を市町村教育委員会と連携しながら実施してきました。
主な取組ですが、昨年9月に小学校の学力育成リーダーを対象として、全国学力・学習状況調査の課題を踏まえた授業改善について研修を行いました。
12月には、学力調査から見られる課題に対応した、国語と算数・数学の指導のポイントを各学校に提供しております。
2月に、すべての児童生徒の保護者に配付している教育広報誌「教育しまね」で、スマートフォンなどの使用時間と学力の関係を紹介し、家庭での規則正しい生活の確立を呼びかけました。
そして今年度に入ってから、校内研修を活性化して、教員の指導力向上を図るため、県教育委員会の指導主事が学校に出かけて研修を行う出前講座や、学校での授業改善の取組に指導・助言を行う学校訪問指導を充実させています。

 

3.3点目は、学力育成推進プランを現場に浸透させる具体的な手法についてです。
プランを現場に浸透させるためには、その目的や取り組む意義を現場の教職員に周知し、その必要性を理解してもらうことが大切です。各学校において、教職員一人一人がプランに基づいた取組を着実に実施していくことが、子どもたちの学力育成に結びついていくものと考えています。
昨年度までのところで、プランの趣旨を管理職に説明したり、プランの内容についてまとめた教育情報紙をすべての教職員に提供したりするなど、その必要性の理解に努めてきました。
今後、算数の指導を中心とした学校訪問をすべての小学校を対象に予定しています。指導主事が地域や学校に出かけて行う、このような訪問型の指導や研修の機会を活用し、プランに基づいた取組について各学校にしっかり浸透させていきたいと考えています。

 

4.4点目は、他県の分析結果と島根県への導入状況についてです。
他県の学力育成の取組については、訪問しての調査のほか、取組が紹介されている著作物、ホームページなどの情報や聞き取りなどによって分析をしているところです。
子どもや学校を取り巻く状況が異なる中で、他県の取組をそのまま導入するのではなく、島根県の現状から参考となるものがあれば取り入れていくことが必要であると考えております。
これまでも、次のような取組について、他県の取組を参考にしてきました。
秋田県の授業スタイルを参考に、授業の最初に目標を示したり、授業の最後に学習内容を振り返ったりする学習を授業改善の重点として推進しております。
また、福井県の取組を参考にし、昨年12月から県の教育情報紙を逐次発行し、「しまねの学力育成推進プラン」の取組内容について、すべての教職員に行き渡るように情報提供をしております。

 

5.5点目は、島根県の学校図書館教育と学力調査結果の関連についてであります。
学習状況調査によれば、島根県の子どもは、全国に比べて「毎日少しずつでも読書をする」児童生徒の割合が高いなど、本に親しんでいる子どもが多いという結果が出ております。
一方、国語の「読むこと」という分野における設問の正答率は、小学校では全国を下回り、中学校では上回っています。
小学校学習指導要領では、第5学年及び第6学年の「読むこと」という分野では、「文章全体から内容や要旨を把握するとともに、自分の考えをまとめる能力を育成する」ことが求められています。
今回の学力調査結果では、特に「まとめて表現する」点が十分ではなく、小学校の正答率が全国を下回ったことにつながっていると分析しています。
今後は、読書活動をさらに充実させるとともに、本や文章を読んで考えたことを発表し合い、お互いの考えの共通点や相違点を明らかにし、自分の考えを広げたり深めたりする活動にも力を入れていくことが必要だと考えております。

 

6.6点目は、今後の対応の柱の1つとして、学力育成のPDCAサイクルを着実に実施するとされているが、これまでの1年サイクルでできなかったことを、より短期間で行うことが本当にできるのか、所見を伺う、というお尋ねについてです。
全国学力調査で平均正答率が高い秋田県や福井県では、県独自の学力調査を年度の後半に実施しております。
島根県の学力調査は、市町村教育委員会と協同で平成18年度から4月に実施してきました。
実施時期の変更について、市町村教育委員会に意向調査を行い、協議の結果、今年度から実施時期を12月に変更し、実施することにしたところです。
これまでは、4月の全国学力調査を活かした指導の改善を、年度内に評価する機会がありませんでしたが、12月に県学力調査を行うことで、その年度のうちに、教員が自身の指導の結果を評価することが可能となり、指導の改善や個別指導を充実していく上での効果が大きいと考えております。以上です。


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