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福田議員(自民)

 

(問)市川校長名誉回復について

1.市川忠雄元隠岐水産高校校長に対する当時の県教育委員会の処分について、所感を伺う。

2.市川忠雄氏が叙勲を受けられたという事実と叙勲の栄に浴された経緯を伺う。

3.市川忠雄氏への叙勲は名誉回復に相当するかどうか、政治家として、市川校長と関係者及び当時の隠岐四万人の魂が慰められるような所信を伺う。

 

(答)知事

1.次に元隠岐水産高校長市川忠雄氏に対する質問が三点ございます。

 一つは、議員がご紹介にありました市川忠雄校長が教育委員会により懲戒の処分を受けたと、この処分についてどういう所感を持っておるかという、こういうご質問でございます。

 この処分につきましては、実は平成八年の定例県議会においても取り上げられております。

 その時は澄田知事が次のように答弁をされておられるわけでございます。

 要旨をご紹介申し上げますと、「竹島は日本の領土であり五箇村を練習船で航海することは差し支えないが」と、こういうことで領土の問題ではないと、こういうことを言っておられます。

 この航海には三つぐらい問題点があるということを言っておられます。「一つは韓国が李承晩ラインを引いていろんな警戒をしているところですから安全性に問題があると、それから生徒が乗ってない航海でありまして、生徒を乗せない、教育活動とは直接関係のない記者を乗船させた航海である。それから教育財産でございますからそういう管理上の問題があるといったことから、教育長が出航中止命令を出したにもかかわらず、練習船『鵬丸』を出航させたというものである。」、それで続くわけでありますが、「教育委員会としては、校長が職務命令を無視したことは、教育行政の秩序をみだすものとして、地方公務員法に基づき懲戒処分を行ったものであり、その限りにおいて、この措置は適切なものであったと考えている。」と、こういう答弁をされております。

 これは、やはり県としての見解であろうと思います。私もその見解でございます。

 

2.そこで、その教育行政上の問題とは別に市川忠雄氏に叙勲が受けられておって、叙勲がなされておって、そこでいろんな市川校長先生の教育活動におけるご尽力に対して政府として表彰されている、叙勲をされているということでございます。この叙勲は昭和五十五年春、一九八〇年、今から三十二年前になるんでしょうか、教育功労により「勲四等旭日小綬章」を受章されておられます。

 実は、市川忠雄先生は埼玉県松山市の出身でございまして、昭和三十九年、一九六四年に公職から退官をされ、郷里の埼玉県松山の方にお帰りに、(「東松山」という声あり)東松山ですか、失礼しました。東松山にお帰りになっておられる。三十九年で、叙勲を受けましたのが昭和五十五年でございますから、その間に十六年ぐらいおありになったということでございまして、たぶんそういう郷里と隠岐が離れておったというようなこともあって、先生の叙勲が多くの人に知られないできたんでないかと想像するところでございます。

 そこでその、市川校長先生の叙勲における功績でございますが、資料によりますと、教員生活は三十九年間勤められており、その間離島のへき地教育の振興と水産教育の発展推進に尽力を捧げたことが認められた、総括的にはそういうことでございます。

 具体的な事項としては、隠岐には二十九年間在職をされ、うち十九年間は学校長の重責を果たされたと、学校長は、戦前は島根県立商船水産高校、これは教師時代でございますが、昭和二十六年四月に隠岐高等学校長に、二十九年に県立隠岐水産高等学校長を務められておるわけでございます。その間、隠岐水産高校の基礎を築かれたということでございます。それから、島根県及び全国の水産教育の振興に寄与をされた。それから、隠岐の経済基盤である水産業の発展に貢献をされた。そして、卒業生の中からは多数の業界経営者、船長、機関長など指導者を輩出をされた。また、教育者も育てられた。と、こういう業績でございます。

 

3.先生は資料によりますと、明治三十七年、1904年になろうかと思いますが、ご存命であれば百八歳ぐらいにおなりになるわけでございます。叙勲を受けられた時が七十五歳ぐらいでございます。この叙勲を受けられた時期と隠岐を離れられた時期が長かったということが、今回、この叙勲のことが多くの人に知られることになるのに時間がかかったと思われるわけでございますが、議員が質問でですね、そういう叙勲のことに言及をされ、今でもこの市川先生を敬愛する隠岐の皆様に事実を知っていただける機会になったと思います。

 これは県議会の話でございますから、県民の方々、他の方々もお知りになるわけでございます。大変、議員のいろいろ調査をされて、こういう事実に到達されたわけでございますが、議員のご努力に敬意を表する次第でございます。

 いろいろありますが、市川氏が多くの人に愛され、情熱と強い信念をもった教育者であったことが私どもも知るいい機会になったわけでございまして、県民の方々にもこのことをいろんな形で機会を持ちまして、みまして、また広報などもしていく必要もあろうかと考えておるところでございます。以上でございます。

 

(再質問)

 市川校長への叙勲、これは名誉回復に相当する、と理解をしてよろしいでしょうか。

 

(答)知事

 この名誉回復、いろんな意味があると思うんですけでも、懲戒という処分の方はですね、これは行政行為でございますから、そこは遡及して直るということではたぶん、ないだろうと思います。

 他方で、叙勲はもうすでに昭和五十五年、三十数年前に行われておって、その時点でいろんなことを含めてですね、市川校長先生の隠岐における教師としての功績が大いに評価をされていると、そういう意味でそのことを名誉回復と言われるのであればそのとおりであろうと思います。

 

 

 


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