• 背景色 
  • 文字サイズ 

内田議員(せ)

(問)義務教育費国庫負担金について

1.義務教育費国庫負担金の一般財源化による教育上のメリットを具体的に伺う。

2.義務教育費国庫負担金の一般財源化は、地方税と地方交付税によって措置されるが、地方交付税が減額されるなかで、財源確保に支障がないのか伺う。

3.義務教育費国庫負担金制度は、総額裁量制の導入により、かなり運用が柔軟になったと義務教育特別部会は指摘しているが、実態を伺う。

(答)広沢教育長

1.まず、義務教育費国庫負担金の一般財源化による教育上のメリットについてお答えします。

 義務教育費国庫負担金は、教員の給与費を保障するものでありますが、一般財源化され、教員の給与費以外の謝金などにも充当することが可能となれば、次のような柔軟な取組が考えられます。

 例えばふるさと教育の講師として地元住民の方や外部の専門家への謝金、読み聞かせや生活支援、心の相談を行う社会人への謝金に活用でき、各市町村や学校の実態に即して、児童生徒一人一人に応じたきめ細かな配慮ができるものと考えております。

 このことは、昨年三月策定した、島根教育ビジョン二十一の中の、本県教育の特色である、1)ふるさと教育の推進、2)地域の教育力を生かした教育の推進、3)少人数指導の充実と拡大に資することも考えられます。

2.次に、義務教育費国庫負担金の一般財源化による財源の確保についてであります。

 義務教育費国庫負担金の一般財源化につきましては、かねてから申し上げておりますように、義務教育費国庫負担金制度の維持のいかんに関わらず、教育に充当できる必要な財源が、総体として確保されることをもっとも重視しているところであります。

 財政規模が小さく、離島や中山間地域を多く抱える本県においては、義務教育の基本理念であります教育の機会均等と教育水準の維持向上を保障するため、本県の義務教育に支障が生じることがないよう、財源が確保されることを強く望んでいるところであります。

3.次に、総額裁量制についてであります。

 昨年度から実施されております「総額裁量制」は、都道府県ごとに国庫負担額の総額を定め、その総額の範囲内で教職員の給与や配置について、各都道府県の裁量が活かせ、少人数学級編制やいじめ、不登校への対応など学校の実情に応じた柔軟な定数配置が可能になるなどがメリットであります。

 本県では、この人件費や定数配置の柔軟な対応ができることにより、小学校低学年における三十人学級や中学校一年生におけるクラスサポート事業、今年度からスタートしたLD、ADHDなど発達障害児童への支援のためのにこにこサポート事業など、国の基準を超える独自の取組が実施できているところであります。

 それぞれの事業いずれもが、児童生徒一人一人に応じたきめ細かな対応ができ、児童生徒の個性を生かした教育の充実に大きな成果をあげております。

(問)人事評価制度について

教職員の勤務評価の実施に当たっての留意点を伺う。

(答)広沢教育長

次に、教職員の勤務評価の留意点についてであります。

 本年九月から、教職員の資質能力の向上、職務に対する意欲の向上、学校組織の活性化を図り、活力ある学校づくりの推進をめざした教職員の評価システムの試行を行っております。

 この試行を踏まえ、平成十八年度からの実施を予定しております。実施に当たっては、特に次の点に留意したいと考えております。

 第一は、評価の公正性を確保することであります。

 複数評価者による評価を行い、教職員の職務の状況をより的確に捉えた評価が実施されるようにしています。

 また、本県が独自に考えた資質能力向上支援システムにおいて、管理職は教職員一人一人との面接を行うとともに、校内組織の話し合いに積極的に参加し、教職員の自己目標の達成を支援すると同時に、職務の状況をより適切に把握し、さらに伸ばすべき点、改善が期待される点を見出したり、仕事の達成度や職務上の成長を捉え、勤務評価の参考とすることとしています。

 さらに、「優れている」「普通」等の評価の段階を具体的に示した評価基準を設けるとともに、評価者研修を実施し、評価者の評価能力を高めることとしています。

 なお、大規模な学校についても、校長と教頭が一層連携し、評価システムの試行に取り組んでおりますが、教職員数が多いことから、グループ面接や学年部会を活用するなどの工夫によって、公正性が確保されるよう、さらに改善を図る努力をしているところであります。

 第二は、評価の納得性を確保することです。

 評価の納得性を高めるために、教職員の自己評価、評価結果について評価者と教職員が話し合う面接を取り入れています。

 また、評価について、評価者から説明を受けても納得できなかった場合の対応として、教育委員会内に苦情処理システムを設け、評価システムの信頼性を高めることとしております。

 これらの点に留意するとともに、本格実施後においても、さらに改善すべきところがあれば、より効果的なシステムになるよう充実に努め、新たな評価システムを活用し、教育委員会、各学校の管理職及び教職員が一体となり、活力ある学校づくりの推進に向け取り組みたいと考えております。


お問い合わせ先

島根県教育委員会

〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎)
島根県教育庁総務課
TEL 0852-22-5403
FAX 0852-22-5400
kyousou@pref.shimane.lg.jp