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池田議員

(問)県の今後の教育・人財育成について

1.教員は、子供たちに今住む地域や社会の現状をしっかり認識させ、その厳しさを自覚させ、自分で考えて行動に移させる教育に力を入れ、また、保護者に対しても、その重要性を認識させてほしいが、所見を伺う。

2.教員が児童生徒の教育に専念できる環境となるよう、教員の負担軽減を図る取り組みを進めていく必要があると思うが、所見を伺う。

(問)ITにおける教育、人財の育成・確保、基盤整備について

3.専門でなくとも、ITを理解していないと仕事すらできなくなる社会に対応する、ITの基礎的教育の必要性、現状と今後の課題について伺う。

 

(答)教育長

1.3点のご質問にお答えをいたします。

 まず、変化の激しい社会の現状を認識させ、自分で考えて行動に移させるための教育についてであります。

 複雑で予測困難な時代だからこそ、次代を担う子どもたちには、変化を前向きに受け止め、人生と社会を豊かなものにしていく資質・能力が求められます。

 島根県教育委員会が目指している「島根の子どもたちに身につけてもらいたい力」とは、変化の激しい社会の中で生き抜いていく力であり、すなわち「主体的に課題を見つけ、様々な他者と協働しながら、定まった答えのない課題にも粘り強く向かっていく力」を育むこと、このことこそ、議員ご指摘の人財を育てる教育に直接つながるものだと考えております。

 具体的には、論理的思考力、コミュニケーション力、感性・情緒といった力は、次期学習指導要領においてもその重要性が指摘されています。教職員に対しては、まずは、次期学習指導要領を深く理解してもらうことが肝要であり、教職員が十分に理解し、その力を子どもたちに身につけさせるための日々の授業改善が進むよう、学校訪問や研修等で働きかけてまいります。

 なお、今年度は全ての小中学校の校長を対象にした説明会を6月に実施し、各学校で周知するよう働きかけました。また、各学校に指導主事が直接出向き、全ての教職員に対して今回の改訂の背景や趣旨を直接伝える機会を設けております。

 さらに、保護者の理解を得ることが極めて大切であり、広報紙などを通じて、これからの社会で求められている力について、引き続き発信するとともに、PTAの研修会に直接出向いて話をするなど、さまざまな機会を通じて理解を求めていく考えであります。

 

2.次に、教員が児童生徒の教育に専念できる環境となるための負担軽減の取り組みについてお答えをいたします。

 教員が児童生徒の教育に専念できる環境を整えることは極めて重要であり、国においても、中央教育審議会の「学校における働き方改革に係る緊急提言」の中で環境整備のための支援が必要不可欠として、「チームとしての学校」の実現に向けた専門スタッフの配置促進について提言がなされております。

 県教育委員会が配置している専門スタッフとしては、スクールカウンセラーを学校、各教育事務所、子ども安全支援室に配置し、専門的立場からの指導・助言を行い、教育相談体制の充実を図っております。

 また、いじめや不登校等への生徒指導上の課題に対応するため、スクールソーシャルワーカーを市町村教育委員会や学校に配置し、教育分野に関する知識に加えて、社会福祉等の専門的な知識・技術を用いて、児童生徒の置かれた様々な環境に働きかけて支援を行っております。

 これらスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーについては、国の補助事業の活用により、来年度予算の拡充に向けて検討を進めております。

 さらに、教員が担っている事務的作業をサポートする専門スタッフの配置についても、来年度の予算編成に向けて検討しているところであります。

 また、保護者などから寄せられる問い合わせや苦情などが深刻化・複雑化したような場合には、法律家に入ってもらい、法律家の視点から絡みついた問題を解きほぐし、速やかな解決に至る道筋を作ることが大切だと考えております。

 こうした観点で、現状では、いじめ等対応アドバイザーとして学校に弁護士等を派遣しておりますが、いじめ問題に限らず、多様な事態に対応するため、幅広く法律家を活用する必要性が高まっております。

 文部科学省では、概算要求において、いじめ防止等対策のためのスクールロイヤー活用に関する調査研究を予定しております。国の動向を注視し、スクールロイヤーの学校への派遣について、引き続き検討していく考えであります。

 

3.最後に、IT産業等が求める人財を育成していくための基礎・基盤となる教育を学校はどのように提供していけばよいのかという論点について、議員からご指摘、ご質問を頂きました。

 IT産業が求める人財に必要な資質・能力としては、コンピュータに対して、どのような指示出しを正確に組み合わせることで効率よく目的を達成できるのかを「論理的に思考」していくプログラミング的思考や、ITの恩恵を受ける人々の様々なニーズを、多様な他者との「コミュニケーション」を通じて把握・調整し、社会全体が納得のいく解を見出し、よりよい社会を創り出していけるような「豊かな感性・情緒」を身に付けていくことが求められております。

 こうした力、具体的には「論理的思考力」「コミュニケーション力」「感性・情緒」といった力は、これまでも学校教育において、「言語活動の充実」や「体験活動の実施」などを通じ、子どもたちが将来どのような職業に就くとしても時代を越えて普遍的に求められる力として、学校内外での多様な教育活動を通じ、育成を目指してきた力であると考えております。

 なお、こうしたITの基礎的教育に加え、より実践的な教育としては、小学校では、ICT機器の基本的操作や活用を通して、ITを身近に感じたり、情報活用能力の育成を図ったり、また、中学校では、技術・家庭科において、プログラミング学習が行われ、生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を養うための教育活動も取り組まれております。

 引き続き、IT産業等が求める人財を育成していくための基礎・基盤となる教育の充実に向けて、取り組んでまいります。以上であります。

 


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