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細田議員

(問)教職員の人事権移譲について

1.教職員の人事権の移譲について、所見を伺う。

 

(答)知事

1.教職員の人事権の問題についてのご質問であります。

 公立小中学校の教職員の人事権は、法律により、学校設置者である市町村ではなく都道府県教育委員会が担うこととなっております。

 また、教職員の人事権は、次の四つの要素で構成されておりまして、これらに係る責任と権限を一体的に担うものとされております。

 一つは、学級編制基準の決定であります。二つ目は、教職員定数の決定であります。三つ目は、教職員の給与の負担であります。四つ目は、教職員に対する、採用、昇任、人事異動、懲戒などの任命権であります。この四つがあるわけでございます。

 その考え方につきましては、市町村の財政力の違いに関わらず、優秀な教職員の安定的確保、広域人事による適正な教職員配置を行うことによって、県内全域の教育水準の確保を図ろうとするものであります。

 また、国は、これまでの閣議決定や中央教育審議会答申におきまして、権限移譲の前提として、次のことを求めております。

 一つは、広域での人事調整の仕組みに配慮すること。二つ目には、小規模市町村等の理解を得ること。この2点が求められておるのであります。

 したがいまして、この問題につきましては、松江市の意見はもちろん聞かなければなりませんが、他の市町村の考えもよくお聞きをしまして、慎重に判断をしていく必要があると考えております。

 さらに具体的な問題につきましては、この後、教育長から説明がありますのでよろしくお願いを申し上げます。

 

(答)教育長

1.知事から、この問題に関する基本的な考え方について答弁がございました。私からは、補足的な説明をさせていただきたいと思います。

 公立小中学校の教職員の人事権については、学校設置者である市町村ではなく、都道府県教育委員会に担わせる「県費負担教職員制度」が法律で定められている旨を知事から答弁があったところでございます。

 一方、県条例を制定すれば、県の権限を特例的に市町村へ移譲することも可能とされており、松江市は、この「事務処理特例制度」を用いて、教職員の人事権を松江市へ移譲するよう要望しておられます。

 この松江市の要望について、県教育委員会は、これまで町村の教育委員会や学校現場等から次のような問題点があるという声を聞いております。

 教員採用試験の志願倍率が長期的に低下傾向にある中、県教育委員会とは別に、松江市が独立した任命権者として教員採用を行うことになれば、松江市に志願者が集中しかねず、中山間地域・離島での勤務も求めることになる県教育委員会では、人材を獲得しづらくなるのではないか。

 中山間地域・離島では、現状でも都市部からの異動希望者が不足し、毎年度の定期人事異動に苦労していますが、松江市が独立した任命権者として採用・人事異動等を行うことになれば、中山間地域・離島の教員配置に重大な支障が生じて、県内全域の教育水準を確保できなくなるのではないか。

 松江市内を「生活本拠地」とする教員の数が、松江市の小中学校の教員定数を約300人上回っているため、人事権が移譲されると、超過する教員が松江市内で勤務できなくなり、その人生設計に大きな影響が及ぶのでないか。

 約300人超過する状況の中、松江市が、どのような基準で、どのように教員を選抜するのか、既に学校現場で不安が広がっている。

 また、仮に松江市が、県教育委員会との間で人事交流を行うのであれば、「生活本拠地」が松江市以外の教員が松江市内で勤務することになり、かえって超過人数が拡大するのではないか。

 このような声を聞いております。

 したがって、県教育委員会としては、こうした問題点も含めて、県内全域の教育水準を確保する観点から、教職員の人事権の移譲の是非について慎重に判断する必要があるものと考えております。以上であります。

 


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