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白石議員

(問)学校図書館活用教育の推進について

1.県立図書館への司書教諭配置に以下の三点を期待して所見を伺う。

・配置された司書教諭の十分な活動の場を確保し、県全体のレベルアップに取り組むこと。

・今回配置された司書教諭と教育指導課に以前から配置されている学校図書館担当との連携と分担によって小中学校の現場指導に取り組むこと。

・市町村教育委員会や校長に図書館活用教育についての理解を進め学校図書館活用教育のシステムを作ること。

(問)準要保護児童生徒就学援助費支給時期について

2.全市町村が3月支給となるよう、また、3月にできない場合でも保護者に対して就学援助制度や入学準備金の支給時期などの周知を徹底するよう県内市町村教育委員会へ働きかけてほしいが、所見を伺う。

3.学校生活を送るために必要なものは県内どこでも支給されるよう市町村に働きかけていただきたいが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.3点のご質問にお答えをいたします。

 まず、学校図書館活用教育に関し、県立図書館への司書教諭の配置についてであります。

 議員からご指摘がございましたのは、次の3点でありました。

 このたびの司書教諭の配置を契機として、県全体のレベルアップに取り組むこと。

 今回配置された司書教諭と、教育指導課に以前から配置されている学校図書館担当との連携によって、小中学校の現場指導に取り組むこと。

 そして、市町村教育委員会や校長の理解を進め、学校図書館活用教育のシステム化を図ることでありました。

 学校図書館活用教育は、言語活動の充実に資するものでありまして、知的活動すなわち論理や思考、コミュニケーション、感性・情緒の基盤となる言語に関する能力を伸ばしていくものであります。

 さらに、情報活用能力、問題発見・解決能力など、学習の基盤となる資質・能力を学校図書館を核として、教科横断的な取組によって育成するものであります。

 また、学校図書館活用教育は、これからの社会の中で生き抜いていく力、すなわち、「主体的に課題を見つけ、様々な他者と協働しながら、定まった答えのない課題にも粘り強く向かっていく力」を育成するための効果的な教育の方法論であると考えております。

 島根県は、「子ども読書県しまね」を標榜し、次の2つの目的意識を持って、平成21年度から学校司書の配置を促進してまいりました。

 一つは、児童生徒の読書活動の充実を図ること。そして二つ目は、先に述べました学力観に立った新しい教育の方法論を全国に先駆けて導入するため、司書教諭と学校司書との連携による学校図書館活用教育に取り組むことであります。

 そして、県立図書館は、配置された学校司書に対しまして、選書、レファレンス、館内ディスプレイなどに関する研修を継続的に開催するなど、学校図書館を運営する上での実務的な支援を行ってまいりました。

 これまでの取組により、学校図書館の貸し出し冊数が大きく伸びるなど、児童生徒の読書活動は格段に進んだと教育現場から聞いております。

 一方、新しい教育の方法論を全国に先駆けて導入するという学校図書館活用教育の面では、市町村教育委員会や校長をはじめ現場の教員の方々に、その概念や具体的な授業イメージを理解してもらうためのモデル校指定事業を行ってまいりましたが、この点については、いまだ道半ばにあり、学校現場への更なる浸透を図る必要があると考えております。

 今回、県立図書館と教育指導課に司書教諭を新たに兼務配置をいたしましたが、これは、これまで教育現場で得られた知見と経験を振り返り、再整理するとともに、学校図書館活用教育の理念や目的意識、また効果的に実施するための具体的な授業イメージなどを今一度県内の学校に広めていき、学校図書館活用教育の本来の目的を達成しようという、いわば「背水の陣」の考えもあって、配置したものであります。

 この配置をきっかけに、教育指導課と県立図書館が中心となり、教育センター、教育事務所などとも連携し、学校図書館活用教育に関する研修の充実、モデル校指定事業の活性化などを通して、市町村や学校の理解を深め、議員ご指摘の3点をしっかり実現していきたいと考えております。

 

2・3.次に、就学援助制度に関する市町村への働きかけについて、2点の御質問に一括してお答えをいたします。

 まず、準要保護児童生徒への新入学学用品費等の支給時期を早めることにつきまして、これは保護者の負担を軽減することにつながると考えられます。一方、実施主体である市町村は、まず入学前説明会で就学援助制度を周知し、申請を遺漏なく受け付け、所要の認定事務を処理して支給を実施するという、一連の事務手続きを正確に行う責任があります。

 新入学学用品費等の支給時期の問題につきましては、昨年度に引き続き、今年度も市町村教育長会議の議題で取り上げ、各市町村の状況を情報共有し、さらに、3月支給を行った市町の事例や、検討を行っている市町村の状況などを意見交換してもらいました。

 その中で、入学前の3月に支給を受けて4月以降に転出してしまうことによる返還などが生じることが課題であるとの意見もありました。

 市町村にとりまして、正確な事務手続きを行いつつ支給時期を早めることは、なかなか容易なことではないという実態もございますが、新たに3月支給を検討してみたいという市町村も出てきております。

 次に、就学援助制度についての保護者への周知につきまして、現在、市町村のホームページや広報誌での周知に加え、各小中学校では、入学前説明会などの機会を利用して保護者に直接説明しているところであります。一方、真に援助が必要となるご家庭に、制度の詳細や申請の手続、支給時期などについて正しく理解していただくためには、直接対面形式で資料説明を聞いていただけるような、そのような機会を新たに設けるなどして、これまで以上に詳しく丁寧に説明していくことが大切であると考えます。

 また、支給品目が拡大されることは、一人当たりの援助額も増えることになりますので、保護者の負担も軽減されることになります。

 県内の状況は、体育実技用具費やクラブ活動費等を支給しているのは、一部の市町村にとどまっておりますが、県内全体での支給対象品目は、近年で推移を見てみますと、平成23年度、延べ145品目であったものが、平成28年度は延べ172品目に増えており、市町村のご努力によって拡大しつつございます。

 そもそも、この就学援助制度は、平成16年度までは、要保護・準要保護のいずれも、国の補助事業でありました。

 このうち要保護分については平成17年度以降も二分の一が国庫補助となっており、残りの市町村負担についても所要額が普通交付税で措置されております。

 一方、準要保護分については、平成17年度から国庫補助が廃止され、市町村が単独事業として実施することになりました。

 その財源は、普通交付税の「単位費用」に算入されておりますが、実際の支出額に関わらず、機械的に計算される仕組みになっております。

 このため、平成27年度でみますと、県全体での準要保護の就学援助の支出の実績額が、交付税措置額の2.5倍程度になっております。

 このように多額の一般財源を持ち出してまで、県内市町村は、就学援助制度を積極的に運用しようと努力しておられます。県としては、今後も、情報提供などを通じて、市町村の適切なご判断を促していくこととしたいと考えております。以上であります。

 


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