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田中明美議員

(問)教育の魅力化と小さな拠点づくりについて

1.地域社会全体で「教育の魅力化」を推進する上で、社会教育はどのような役割を担うべきか、所見を伺う。

2.「小さな拠点づくり」と「教育の魅力化」の効果が相まってこそ、中山間地域・離島の将来が見えてくると思うが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.教育の魅力化に関します2点のご質問にお答えいたします。まず、「教育の魅力化」における社会教育の役割についてであります。

 「教育の魅力化」を進める際には、島根の子どもたちにどのような人間に育ってほしいのかという教育の目標・理念についてよく議論し、それを地域社会全体で共有していくこと。また、「教育の魅力化」を学校だけで進めるのではなく、学校・家庭・地域の連携の中で子どもたちの育ちを支えていくこと。これが大切であると考えております。

 また、「教育の魅力化」の具体的な取組につきましては、今後、学校と市町村、地域の方々などで構成する「教育魅力化協議会」仮称でありますが、そのような場で検討されていくことになると思いますが、こうした場で多様な意見が交わされ、丁寧なプロセスを経て合意形成がなされ、地域の方々の主体的な参画を得ながら、その取組が進められていくことが重要であると思っております。

 これまで県では、例えば公民館活動や地域婦人会の活動などを支援しながら、社会教育の学びを通じて、地域が抱える課題に主体的に関わろうとする人づくりに取り組んでまいりましたが、これから進めようとする「教育の魅力化」は、先ほど述べましたように、地域社会全体での認識の共有、学校・家庭・地域の連携、合意形成に向けた丁寧なプロセスという三つの観点から、社会教育を通じた人づくり・地域づくりと重なり合う部分が多いと思っております。

 このため、社会教育を実践する様々な立場の方々や、実践者に対する助言を行う専門職としての社会教育主事に大きな役割を担っていただく局面も出てくるのではないかと感じております。

 その際、社会教育に携る方々が長年に渡って培ってこられました知見や経験を、「教育の魅力化」に向けて大いに発揮していただけないかと期待をしているところであります。

 

2.「小さな拠点づくり」と「教育の魅力化」の関係性についてお答えをいたします。

 「小さな拠点づくり」と「教育の魅力化」は重なる面があるので、相乗効果を狙うような意識を持って取り組むべきではないかとのご提案を議員からいただところですが、私も、同様の考えを持っています。

 「小さな拠点づくり」を進めることが「教育の魅力化」に繋がる面もありますし、「教育の魅力化」が「小さな拠点づくり」を促進するという面もあると思っております。

 また、議員からは、「教育の魅力化」を通じて、子どもたちが地域に対する理解を深め、地域の魅力を再発見し、その学びの上に立って、子どもらしい大胆で柔軟な発想で地域づくりの具体的な提案をしてくれれば、それが地域の大人たちの心を動かし、地域住民の主体的な参画による地域づくり、すなわち「小さな拠点づくり」に結びついていくのではないか、とのご提案も頂きました。

 子どもを地域の中で「お客さん」扱いするのではなく、むしろ地域の「主役」として活躍してもらおうという、近年公民館活動の中で重視されている考え方にも通じるものがあり、私も、「教育の魅力化」を通じて、子どもたちが地域の中で存在感をより増していってくれることを願っております。

 そして私は、もう一つの側面で、「教育の魅力化」が「小さな拠点づくり」を加速するのではないかという期待感を持っております。

 議員からご指摘がありましたとおり、「小さな拠点づくり」に向けて一番難しいステージは「0から1を産むところ」だと私も感じております。

 地域の方々に、苦労を伴う「小さな拠点づくり」の理念に共感を覚えていただき、他人事でなく自ら参画してみようという当事者意識を持っていただくまでの気運醸成の段階が最も難しいのではないかと思っております。

 一方、公民館職員をはじめ社会教育の関係者が培ってきた経験則といたしまして、地域の方々に地域の課題解決に向けた活動に参画していただくための効果的なアプローチは、実は「子ども・学校・教育」を入口にすることです。

 地域活動にご参加頂きたいとお願いしても、なかなか腰の重たかった方々が、子どもたちのために一役買っていただけませんかとお願いすると喜んで参加していただける。そして、その活動が次第に、次の世代のために地域をより良くしていこうという取組へと発展していく。このようなプロセスを多くの社会教育の関係者が経験しておられます。

 「教育の魅力化」の理念に多くの方々の共感を得ることができれば、そして、地域の方々の主体的な参画を得ながら「教育の魅力化」の取り組みを進めていけば、それは、地域の方々の主体的な参画による地域づくりへと発展し、「小さな拠点づくり」の具体的な実践活動に繋がっていく可能性があるのではないか、そのように私は期待しております。以上でございます。

 


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