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中島議員(自民)

 

(問)大学入試センター試験に代わる「達成度テスト・発展レベル(仮称)」について

1.教育再生実行会議が提言した「高等学校教育と大学教育との接続の在り方について」の内容を伺う。

2.教育再生実行会議が提言している「達成度テスト・発展レベル(仮称)」の導入目的等を伺う。

3.中央教育審議会の高大接続特別部会が中間報告した「達成度テスト・発展レベル(仮称)」の考え方、内容を伺う。

 また、特別部会は関係団体からの意見を公表したと聞いているが、具体的にどういった団体から、どのような意見があったのか、併せて伺う。

4.県は「達成度テスト・発展レベル(仮称)」の導入をどのように考えているかのか伺う。

 また、国に対し地方の現場の声を届けていく必要性をどのように考えているか、併せて伺う。

 

(答)教育長

1.教育再生実行会議が、第4次提言において示した内容は3点であります。

 1点目は、高等学校教育においては、教育の質の向上を図り、主体的に学び、社会に貢献する能力を習得させること。

 2点目は、大学が生涯を通じての学びの拠点となるための改革に取り組み、人材育成機能を強化すること。

 そして、3点目は、大学入学者選抜を、受験生の能力・意欲・適性を幅広く総合的に評価・判定する仕組みに変えること。そのために「達成度テスト・発展レベル」を新たに導入することです。

 

2.「達成度テスト・発展レベル」は、高等学校段階における学習の到達度を把握し、大学教育を受けるために必要な能力の判定を行うために導入されるものです。

 高等学校では、達成度テスト・発展レベルの試験結果を各学校での指導改善に活用します。

 また、各大学では、それぞれの判断で試験結果を基礎資格として利用することとなっております。

 

3.高大接続特別部会の中間報告では、「達成度テスト・発展レベル」導入については、大学教育を受けるために必要な「主体的に学び考える力」などの能力を測ることが主な目的とされております。

試験内容は、知識や技能に加え、これらを活用する力や高校生活全般を通じて育成される幅広い能力を測ることを重視しています。

そのために、例えば数学と物理、歴史と地理のように教科を合わせた、従来の教科・科目にとらわれない試験などの導入が検討されています。

実施にあたっては、1年間で複数回の受験を可能にすること、試験結果は1点刻みではなく、得点に応じていくつかの段階別に示すなどの方法が検討されています。

また、高大接続特別部会は、関係42団体に対し意見を求め、22団体から回答が寄せられています。

全国都道府県教育長協議会からは、1点目として、意欲・適性などの幅広い資質や能力を測定することは、高等学校教育を改善するためには必要である。

2点目に、学習内容の基となる学習指導要領を変更しない限り、達成度テストで意欲・適性などの能力を測ることは困難である。

そして3点目に、年複数回の実施は、授業への影響も大きく、受験対策のために、授業進度を上げようとする高等学校が増えると予想するといった意見が出されております。

また、全国高等学校校長協会は、教科の実施や部活動、学校行事に多大な影響を与えるので、1回目の試験を高校3年生の1月以前に実施するというのは受け入れがたいといった意見です。

このほか、様々な団体から導入について慎重な検討を必要とするという意見が提出されています。

 

4.この達成度テストの導入に向けては、実施方法や時期、試験科目、内容など様々な視点で慎重に検討する必要があると考えています。

早い時期に実施する場合、授業やその他の活動など、高等学校の教育活動への影響が大きいことが予想されますし、例えば数学と物理などといった、教科を合わせた科目で求められるような力などについては、教員の理解と、その力を育成するための学校の指導体制の充実が必要であると考えています。

 大学入試制度を変えることによって、一番影響を受けるのは生徒や教員であります。地域の実情なども踏まえて、十分な議論や検討を行うよう、関係の例えば教育長協議会のような全国組織を通じて、国に働きかけてまいります。

 

 

 

 


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