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三島議員(無)

(問)学校図書館について

1.フォーラムに結実した学校図書館活用教育の成果、また、その成果をどう発展させるのか考えを伺う。

2.今までの成果を踏まえ、設定した事業期限以降の考え方について伺う。

 

(答)知事

1.三島議員の御質問にお答えを申し上げます。

 最初は、十一月十一日、十二日に開催をされました、しまね学校図書館活用教育フォーラムについての評価いかんと、こういう御質問でございます。

 このフォーラムには、十九都府県から延べ千二百人の方々が参加をされたわけです。学校の先生でありますとか学校図書館の司書の方々、図書館を通じた教育をどういうふうに考えたらいいかと、島根の例なども紹介をしながら、みんなで意見交換をしたり講演を聞くというようなことであったわけであります。教育委員会が主催をしておるわけでございますけども、フォーラムが終わった後、アンケート調査などをやっております。参加者からは、島根の取り組み、あるいは島根における図書館の教育における利用の仕方などがわかって参考になったとか、あるいは、島根県の場合は短期間に学校図書館を充実する施策を打ってまいりましたけども、その変化がよくわかったとか、いろんな感想もあったようでございますけども、フォーラム自体がよかったという方が九割を超えると、こういったような状況だったというふうに聞いております。

 私も十二日、二日目の午前中に、三十分ぐらいでございましたが、県が進めております学校図書館充実のための事業を始めたいきさつでありますとか、あるいは考え方でありますとか、具体的な事業の内容などについてお話をいたしました。それからその後、島根県の児童生徒たちが、図書館についてどう自分たちは利用してるのか、あるいはどういうふうに思ってるのかっていう発表が、たしか四人ぐらいからだったと思いましたが、ありましたが、その子どもたちの意見発表を聞きますと、図書館のことを人と人がつながり合う場所だと、大勢の友達なんかが図書館へたくさん来てますから、そこで話ができたり、あるいは学校司書さんとお話ができたり、人との触れ合いができる場所になってるというふうなことを言っておりました。また、新しい自分が見つけられる場所だと。本などを読むことによって、そういうことを感ずるっていうことでしょうか。あるいは、浮き浮きさせてくれるおもちゃ箱のような場所でもあったということで、子どもたちにとって学校図書館が大切な場所になってきているなあという感想を持った次第でございます。

 今後とも、保護者の方々あるいは地域社会の協力を得ながら、市町村と県が連携をしまして、そして学校の先生たちのお力をかりながら、県民全体として子どもの読書運動が進んでいくように努力をしていきたいというふうに思うところでございます。これにつきましては、議会の多大な御理解があって進んでおるわけでございまして、今後とも御支援をよろしくお願いを申し上げる次第でございます。

 

2.それから、この事業は、この効果がどういうことになるのかわからない初めての事業でありますから、当面とりあえず五年ということでスタートをしたわけでございますが、それについて議員のほうから、今後どうするのかと、こういう御質問でありました。

 その後どうするかということにつきましては、事業の進捗のぐあいでありますとか成果などをよく評価をし、また市町村、学校あるいは保護者の方々などの意見などもよくお聞きして検討すべきものだろうというふうに現段階では考えてるところでございます。そういう観点で図書館の現状を見ますと、先ほども申し上げましたが、人のいる図書館がかなり実現ができているんではないかというふうに思います。他方で、図書の充実がまだ必ずしも十分でないということもありますし、学校司書、司書教諭の配置等につきましても、まだまだ十分でないという意見もあるように思います。そうした課題に当面取り組んでいく必要があろうというふうに考えておるところであります。

 

3.中学校や高校の学校図書館活用教育の取組の現状をどう認識し、今後どのように推進していくのか考えを伺う。

4.支援センターの設置推進と機能拡充の状況と認識、市町村の支援機能強化について所見を伺う。

5.定時制の学校図書館について、機会の均等はどのように担保しているのか、また、存続する浜田高校、松江工業の現状と今後の考え方を伺う。

 

(答)教育長

3.私から、大きく学校図書館とふるさと教育についてお答えをいたします。

 学校図書館につきまして、三点御質問をいただいております。

 まず一点目でございますが、中学校や高校の学校図書館活用教育の現状についてでございます。

 議員御指摘のように、一人の教員がほとんどの教科を担当する小学校と比べまして、教科担任制の中学校、それから高校では、教員間の意識の共有が難しいということもありまして、学校図書館の活用が十分ではない現状にあるというふうに認識をいたしております。そういった中で、具体的な取り組みを進めている県内の中学校あるいは高校では、学校図書館を活用いたしまして、問題解決のために図書資料等から情報を探し、加工し、まとめ、発信するといった学習過程を通じまして、子どもたちに情報活用能力を身につけさせております。

 例えば、人権問題につきまして自分でテーマを決め、図書資料を検索してまとめて発表する、それを学校全体で取り組むといった事例もございます。また、高校になりますと、例えばインターンシップのための事前学習でありますとか、キャリア教育の一環としての職業、大学調べ等々、義務教育段階とは異なりまして、みずからの進む社会を意識した図書館活用教育も行われていると思っております。こうしたことによりまして、情報をまとめることができる生徒がふえてきた、あるいは発表する力がついてきたと、こういった成果も報告をされております。今後、こういった図書館活用教育の充実を、中学校、高校においてもさらに広げていく必要があると思っております。そのために、司書教諭等の研修ばかりではなく、管理職の研修を始めさまざまな研修の機会において、学校図書館活用教育の重要性について理解を深めていく必要があると思っております。

 

4.それから、学校図書館の二点目でございます。学校図書館支援センターについてでございます。

 この学校図書館支援センターでございますが、これは現在のところ県内四つの市、安来市、松江市、浜田市、益田市、この四つの市に設置をされておりまして、基本的な業務といたしましては、その市で所管する学校図書館につきまして、担当者研修の実施でありますとか、図書館を活用した授業への指導、助言、あるいは図書資料の相互貸借、こういったことで学校図書館を支援をする目的で設置をされております。この四つの市とも、それぞれ特色ある取り組みをしているというふうに聞いております。各学校の図書館機能の充実のために大切な役割を果たしているというふうに認識をいたしております。今後、県といたしましても学校図書館担当者研修などを通じまして、市町村教育委員会が行う研修などへ積極的に支援、助言をしていきたいというふうに考えております。

 

5.それから、図書館の三点目でございます。定時制課程の図書館についてであります。

 現在、全日制と定時制の両方の課程を持つ高校は、県内に松江工業、出雲高校、浜田高校と三校ございます。この三校におきましては、全日制の図書館とは別に定時制独自の図書館を設置をいたしております。ただ、御指摘のとおり、蔵書数は全日制の図書館よりは少ない状況にございます。ただ、定時制の生徒も、三校とも簡単な手続で全日制の図書館を利用できるというふうな規定になっております。実際に利用もされていると聞いております。

 なお、松江工業につきましては、昨年度校舎改築を行いましたが、その際、新校舎に定時制の図書館を整備したところであり、また浜田高校につきましても、現在建設中の新校舎に図書館を整備をする予定にしております。通信制課程の利用も踏まえまして、蔵書の充実も計画しているところでございます。今後とも、全日制課程、定時制課程ともに、生徒の主体的な学習意欲を支援する学校図書館となるように取り組んでまいります。

 

(問)県立図書館のレファレンス機能の強化について

1.県立図書館のレファレンス機能をどう評価し、様々な住民ニーズにこたえる方途を模索する県立図書館の在り方をどのように考えているのか伺う。

 

(答)知事

1.それから、島根県の企業経営者のブログに関連をして、図書館が持ちますレファレンス機能、調査、相談機能と、こういうようでありますが、それについて島根県の図書館はどうであるかという御質問でございました。

 議員が御紹介になった、この鳥取県の図書館を活用、利用された企業経営者の方のブログも見まして、県立図書館のほうに、こんな評価もあるけどもどうですかというのを教育委員会のほうが聞いたようでありますが、県立図書館でも専任の司書を配置をしておりまして、ビジネス支援に関する調査相談、レファレンスに、同様の対応はできるだろうというふうな話もあったと聞いております。それから、鳥取県のほうから、例えば境港市あたりからは島根県の図書館を利用される例もあるというようなことでございました。

 議員も御指摘になったわけでございますけども、島根県立の図書館もレファレンス機能については一定の整備があるけれども、資料ですね、についてはどうかという御意見もございました。私ども、そういう御指摘も参考にしながら、県民の方々の図書に関する調査相談に対応するための資料、あるいは体制の整備につきましての必要性などにつきまして、さらに検討をしていきたいというふうに考えておるところであります。

 

(問)定住対策について

1.ふるさと教育の子どもたちへの取組と成果について伺う。また、親世代の意識は子どもたちのふるさと志向に寄り添っているのか、意識を変えるための親や地域を巻き込んだ取組について伺う。

 

(答)教育長

1.それから、大きい二点目でございます。ふるさと教育であります。

 このふるさと教育のこれまでの取り組みと成果についてお尋ねがございました。

 このふるさと教育でありますが、目的といたしましては、子どもたちにふるさとへの愛着と誇りを持って地域に貢献する心を養ってもらいたいという目的で、平成17年度から本格的に取り組んできたところであります。具体的には、例えば小学校では地域の山や川での自然観察、野菜やあるいは米づくりの体験、あるいは地域の伝統行事や歴史に関する調べ学習、こういったことをやっております。それから、中学校では総合的な学習の時間を使いまして、生産体験や職場体験などに取り組んでるところであります。学校現場の話を聞きますと、子どもたちが地域の人や伝統文化、行事あるいは地域の動きや地域が抱えてる課題、こういったものに関心を持つようになったというふうな声を聞いております。そうした意味で子どもたちには、地域によって若干差異はございますが、全体として確実にふるさとに対する誇りや関心が高まってきているのではないかというふうに認識をいたしております。

 また、親や地域を巻き込んだ取り組みについて御質問がございましたが、各市町村教育委員会では、公民館や学校を中心といたしまして、積極的なふるさと教育に対する支援が行われております。例えて申し上げますと、安来市の布部小学校、ここでは保護者や地域の方と子どもが一緒になりまして、ツバキ油づくりでありますとかササ巻きづくり、そういった地域の資源を生かしたいろんな取り組みがされております。それから雲南市では、住民も一緒になりまして中学生の職場体験、これを市全体で取り組んでるというような取り組みもございます。それから松江市では、地域の子どもや親子が交流をする場、そういった場をつくって交流を深めるといったジュニアスクールといったようなことも取り組まれております。そういったことで、各地でいろんな取り組みが行われております。こうした親世代が子どもたちと一緒になりましてふるさと教育を支える取り組みを行うことによりまして、子どもたちを理解するだけではなくて、親みずからふるさとを見直し、愛着を深めることにもつながっているものというふうに思っております。以上でございます。

 

 

 

 


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