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園山議員(自民)

(問)子どもの教育について

1.地域の偉人にスポットを当てて後世に伝えていくべきと思うが、現状の取組みや今後の考えを伺う。

2.すべての学校で花いっぱい運動に取り組むことについて所見を伺う。

3.読書の奨励について県内での取組みについて伺う。

4.文書による報告スタイルを大幅に簡潔にしてもらいたいが、状況を伺う。

5.体育活動ばかりでなく、芸術活動、社会活動にも範囲を拡大して「良くやっている」人たちを誉めるべきと思うが、所見を伺う。

 

(答)教育委員長

1.まず、地域の偉人、先人の業績から学ぶことの大切さについてお答えします。

 本県におきましては、これまでも小学校の総合的な学習の時間や社会科で地域の偉人や先人に関する学習が行われております。

 具体の例としては、森鴎外、西周、永井隆といった全国的にも著名な偉人のほか、高瀬川により荒木浜を開拓した大梶七兵衛や隠岐航路を開いた松浦斌(さかる)など、地域社会の発展に貢献した偉人の業績も多く取り上げられております。

 このほか、治水対策のため佐陀川を開削した清原太兵衛、享保の大飢饉から人々を救った「芋代官」こと井戸平左衛門、海外貿易で藩財政に寄与した会津屋八右衛門や、たたら製鉄に従事した人々、幕末に隠岐で起こった自治政権の樹立など、さまざまな先人の姿が想起されます。

 それら先人の営みには、幾多の困難を克服して成し遂げられたものも多くあり、また、そうした姿は今を生きる我々に勇気と感動を与えてくれるものでもあります。

先人の努力に謙虚に思いを致すことは、感動する心、地域を思いやる心の涵養などにも繋がるものであることから、「ふるさと教育」などにおいて、そうした取組みを行っておりますが、引き続き今後においても進めていきたいと考えております。

 

2.次に、花いっぱい運動の取組みについてお答えします。

 私は、学齢期という人格形成の最も重要な時期に、植物を育てることにより、生命や自然の神秘に触れ、四季折々の移ろいを体感することは、心の豊かさを育む上で貴重な原体験となり、知・徳・体の調和の取れた健全な成長・発達にも大変意義深いことであると考えております。

 県内でも、多くの学校で花壇やプランターで草花などの栽培に取り組んでいるほか、ふれあい環境財団二十一が進める「花いっぱい緑いっぱい運動」などにも多くの児童生徒が参加しています。

感動する心、人を思いやる心など、心の豊かさを尊重することは、すべての教育活動の基盤となるものであり、知育や体育も、こうした徳育の上に積み上げるべきものと思っております。

 草花をはじめ、命あるものを慈しみ育てる機会を通じて、豊かな感性を磨くことを、今後の教育活動においても重視してまいります。

 

3.次に、幼児の読書活動についてお答えします。

子どもは、本を読むことによって、言葉を学び、自分の思いを的確に伝える表現力を身に付け、他者の思いを深く理解する能力を高めていきます。

 そして、それにも増して、幼児期に親が子どもに絵本や童話を読み聞かせることによって、子どもは肌のぬくもりを感じ、物語の中で自由に遊び、豊かな想像力や感受性を育んでいくものと考えております。

 読書は感性を磨き、知性を高め、想像力を養うものであり、心豊かな人格の形成にとって非常に重要なものであることから、議員のご指摘には同感であり、幼児期からの読書活動については、さらに盛んに行われるよう願っております。

御質問のあった三件をはじめ、基本的に子どもの教育には、両親や家族が深く関わっていく姿勢が重要であると思います。

 ほとんどの家庭で読み聞かせなどはされていないから学校で、とのご意見なども承知しておりますし、学校でもそういった状況に対応していくことは必要であると考えております。

 しかし、何よりも、家族を中心に大人が姿勢を示すこと、まずもって我々大人が襟を正し、「隗より始める」気持ちで子ども達に接することが大切であると思っております。

 

(答)教育長

4.その前に、教員の多忙感について若干申し上げさせていただきますと、教員の一日の実態を見ますと、子どもが学校にいる間中、休憩をとることもなく学習指導や生活指導に真剣に向き合い、放課後は各種の会議や生徒指導に関わる対策の検討、報告文書の作成、あるいは親からの多様な要求への対応など、様々な用件が重なり、このことが多忙あるいは多忙感を助長していると承知しております。

 こうした実態にあると私も思っておりますので、管理職研修では、校務の一層の簡潔化に努めること、あるいは会議の設定の在り方や校内の文書処理の在り方等、学校運営上の工夫をするよう要請もしております。

 例えば会議の復命を必ず文書で行う必要はないのではないか、軽易なものについては、口頭でもよいのではないか、あるいは、大くくりな会議をすることによって会議の回数を減らすとか、あるいは、平時から情報交換を密にすることにより、改めて会議を開かなくてもいいようなやり方もあるではないか、ということも申しております。

 また文書に関しましても、できることから改善に努めるようにしておりますし、また公用文書については改めてとる必要がないものがあれば、具体的な提示をしてほしいことも申しております。そういう提示があれば、すぐに可否の検討をしてまいりたいと思っておるところでございます。

 とは申しましても、いろいろな学校の現場で文書の作成も必要となっております。お話がありました人事評価の問題、あるいは研究指定校の報告書の問題、あるいは家庭に出します家庭通信とか子ども向けの資料の作成とか様々な文書の作成があると承知しております。こうしたことについて、できるだけ簡素にし、あるいは、省略化が図られることによりまして、子どもに向き合う時間が増えるように今後も努力していく必要があると考えております。

 

5.次に、「子どもや教師を誉めて欲しい」ということについてでございます。

 私も、全く議員がおっしゃいますように誉めるということは、大事だと思っております。この誉めるという言葉で真っ先に思い浮かびましたのが、山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させて見て、誉めてやらねば、人は動かじ」という言葉でございます。

 なかなか実際の実践の中では、難しい面もありますが、教職員の研修とか意見交換の場を通して、体育活動あるいは文化活動など、子どもの努力や行いを適時適切な場で認めて、誉め称えるようしていこうじゃないかということを提唱しております。

 また、教師に対しても同様なことを管理職の皆様にお話をしているところでございまして、今年度から今まで表彰の規定がありましたけれども、実際には、この十年、二十年全く表彰を行っておりませんでした。教職員について新たな表彰の規定を改定いたしまして、今年の場合、二十六人の表彰を行いました。

 具体的には、夏に行いました全国総合文化祭の実行委員会の中で、それぞれのセクションの代表を務めてくれた教員でありますとか、あるいは長年教育研究グループを続けているグループですとか、地道な学校事務を一筋にやってきた職員の顕彰を行ったところであります。

 子どもに対しましても、授業の中でも豊かな発想による発言とかさりげない気配りを誉めたり、あるいは作文、絵画、書道などの学習活動とか部活動の努力の経過や成果について表彰したり、あるいは活動を認める、等について研修の中でもお互いに協議しているところでございます。

 スポーツ・文化面の各種大会で優秀な成績を収めた児童生徒への表彰や、伝統文化の継承とか、新しい地域文化の創造に関わっております優良少年団体を毎年3団体程度表彰するということも行っています。

 まだまだ十分とは考えておりません。このような教職員や子どもの取組を顕彰あるいは表彰するということ、あるいは、ホームページにも紹介するといったことをさらに広げていきたいと考えております。

 

 


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