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佐々木議員(自)

(問)学力向上について

一斉学力調査の実施内容についての基本的な考え方と結果の活用方法、調査結果から指導が必要と思われる教員に対しての指導体制、今後の中高一貫教育への取り組みについて伺う。

 

(答)広沢教育長

まず、小・中学校対象の学力調査の実施については、昨年四月以来、各市町村教育委員会と協議を重ねてきた結果、本年五月に共同実施することになり、現在、その準備を進めているところです。

 今回、実施する予定の「島根県学力調査」のねらいは、県内の小学校三年生から中学校三年生までの児童生徒全員を対象にして、一人一人が学習指導要領の内容をどの程度理解しているのかを、客観的かつ詳細に把握するとともに、睡眠時間や家庭学習習慣などの生活実態調査と学習や生活の意識調査も同時に実施し、教科の学習との関連を明らかにすることであります。また、その結果を児童生徒一人一人の状態に応じた指導に生かすとともに、小中高が連携した学力向上対策に繋げることもねらいとしております。

 調査対象学年と教科につきましては、学年によって差異はありますが、小学校では、国語、社会、算数、理科の四教科を、中学校では国語、社会、数学、理科、英語の五教科を実施することにしております。

 県教育委員会といたしましては、この調査結果を基にして、来年度、学力向上対策として、「学力向上サポート事業」や「授業力向上セミナー」等、各種の学校パワーアップ事業及び教員パワーアップ事業を計画しております。

 これらの事業を実施することにより、学校の指導体制の改善・強化を推進するとともに、教員一人一人の指導力の向上、授業の改善等を目指していきたいと考えております。

 また、児童生徒一人一人に対しては、その結果をもとに、目標を持って毎日の学習や生活に取り組めるように指導するとともに、実態調査や意識調査の結果についても、保護者に伝えることによって、家庭における学力向上の意識改革に繋げていきたいと考えております。

 各学校においては、調査結果の中で明らかになった課題について、学校全体で改善に取り組む体制をつくるとともに、児童生徒や保護者による授業評価も取り入れ、教員一人一人が指導法の工夫・改善に取り組むよう、市町村教育委員会と協力しながら、積極的に支援を行ってまいります。

 特に、支援が必要と思われる学校に対しては、指導主事を派遣して、児童生徒の実態に応じた指導の在り方の研修を行うとともに、個別に教員の相談に応じるなどの支援をしていくこととしております。

 次に、中学校と高校の連携についてであります。

 近年、一部の普通科高校と近隣の中学校との間で、英語や数学といった教科別の合同研究会を開催し、授業の相互参観や、教科指導に関する意見交換などが行われてきました。このような動きは、現在、他の学校や教科にも広がりつつあります。

 また、こうした教科指導に関する連携のみならず、県内の連携型中高一貫校の中には、学習意欲や学習習慣など幅広いテーマのもと、学校挙げて学力向上に向けた連携を行っている例もあります。今後は、中高一貫校に限らず、このような形での中高連携が県内各地域で行われるよう、各高校や市町村教育委員会に対し、積極的に働きかけてまいります。

 さらに、本年四月からの実施を予定しております「しまね学力向上プロジェクト」においても、県内外の優れた実践に学ぶ「学力向上フォーラム」など、中・高の教員が一堂に会して研究・協議する場を設け、全県的な中高連携の促進・強化に努めてまいりたいと考えております。

 なお、今後の中高一貫教育についてでありますが、県教育委員会では、本年三月に「県立高校の再編成等に関する検討委員会」(仮称)を設置し、平成二十一年度以降十年間における県立高校のあり方全般について検討することとしております。その中で、併設型や中等教育学校など、これまで本県にないタイプの中高一貫教育の在り方についても、委員の方々の多様な意見をもとに、幅広い視点から検討いただく予定であります。

 

(問)専門高校について

専門高校の持つ意味と基本的な再編の方向について伺う。また、今後再編計画の実施にあたって、県関係部局・受入業界とどのような形で検討協議するのか伺う。

 

(答)広沢教育長

次に、専門高校についてであります。

 まず、専門高校の最も重要な役割は、地域産業を担い、地域産業の発展に寄与する人材を送り出し、ひいてはふるさと島根の将来を担う人材を育成していくことであります。

 そのため、基礎・基本の学習はもとより、科学技術の進展や、求められる専門能力の高度化・細分化に対応した、より専門的な知識や技術・技能を習得させるとともに、社会のニーズの変化に主体的かつ柔軟に対応できる、問題解決能力や創造力を有する職業人を養成していかなければならないと考えております。

 今後の県立高校の再編成の方向については、「県立学校再編成基本計画」及び「県立学校後期再編成計画」に、その基本的な考え方を示しております。その中で、専門高校についても、生徒数の減少により学校規模がきわめて小規模になった場合、教員数の減少等により、専門高校にふさしい教育内容を提供できなくなるおそれがあることや、学校行事、部活動などが十分に行えなくなることなどから、学校規模の適正化を通して魅力と活力ある学校を作っていくため、一学年二学級となることが見込まれる場合には、原則として近隣の高校との統合を検討するとしております。

 その際、県関係部局や関係団体、業界と十分に協議を重ねることはもちろんのこと、産業経済界や関係行政機関の関係者からなる「産業教育審議会」からいただいた「専門高校で育成すべき能力と態度について」の報告の趣旨や、先ほど述べた専門高校が果たすべき役割を十分に踏まえる必要があると考えています。

また、先ほど申しあげた県立高校の再編成等に関する検討委員会(仮称)の委員として、産業経済界の関係者にも加わっていただき、今後の専門高校のあり方や再編成について議論していただくともに、パブリックコメントや公聴会などを実施し、広く県民の方々から意見をうかがいながら、総合的な見地から検討を行ってまいりたいと考えています。


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