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渡辺議員(県政)

(問)教育問題について

1.島根の子ども達に対する思いと、島根の教育に対する思いについて伺う。

2.いじめ自殺問題に対する考えを伺う。

3.松江で開催されたタウンミーティングでは、文部科学省や内閣府からの指示等の「やらせ」がなかったかどうか伺う。

4.現在、参議院で審議中の教育基本法の改正について見解を伺う。

5.必履修科目の未履修問題について、大学入試制度の改善や学習指導要領の改善に向けて、地方から声を上げていくべきと考えるが、所見を伺う。

6.現場の状況を熟知している現場中堅教員を、県費負担指導主事として市町村教育委員会に配置する考えはないか伺う。無理であれば、地域教育コーディネーターのように半額負担が考えられるが、所見を伺う。

 

(答)教育委員長

1.まず、島根の子ども達に対する思い、島根の教育に対する思いについてであります。

 私は、島根の将来を担う子ども達には、自ら学び、自ら考え、そして行動する、たくましく豊かな心を持ち、何よりも生命を大切にする人間に育って欲しいと考えております。

 そして、そのためには、基礎的・基本的な学力が確実に身に付き、豊かな人間性を持ち、健康で体力のある、いわゆる「知・徳・体」がバランス良く発達することが必要であります。

 子ども達は、一人ひとり違う能力や資質を持っています。その能力や資質を開花させるためには、私たち大人が、一人ひとりをかけがえのない存在として認めていくことが大切であるとともに、学校・家庭・地域の三者がそれぞれの役割を果たし、相互に補完しながら教育を行っていく必要があると考えます。

幸い本県は、豊かな自然や歴史・文化、教育熱心な人々など、恵まれた教育資源を有しています。

 このような本県の特色を生かしながら、子ども達の人格形成を推進していくことが肝要であり、昨年からの「ふるさと教育」の実践は、まさに子ども達に対する全人教育であると考えております。

 しかし、議員御指摘のとおり、現在様々な教育問題が起きていることから、私としては、その一つ一つに正面から向き合い、解決に向けて誠心誠意取り組んでまいる所存であります。

 

(答)教育長

2.まず、いじめ自殺問題についてですが、全国で相次いで、自らの命を絶つという痛ましい出来事が起こっていることに対し、言い表しようのない無念さを感じるとともに大変心を痛めています。

 本県においては、最悪の事態は起こってはいませんが、いつどこでも起こり得るという危機感をもちながら、対応するよう、市町村教育委員会や各県立学校に再点検をお願いしております。

 未然防止について大切なことは、子どもたちの発するサインを見逃さないということであります。

 また、いじめられている子どもは、みんなに知られたくないと感じ、外見は明るく振る舞いながら、保護者にも教員にも相談できず、一人で悩んでいるケースが多く見受けられます。

 小さな変化を見逃さず、教職員同士の情報交換、情報共有や家庭との連携をしっかり行う必要があります。そのためにも、保護者や教員などが子どもたちから信頼される存在になってほしいと強く願っています。

 また、子どもたちには、いじめられていることを周りに知らせたり、あるいは、いじめから逃れたりすることは決して恥ずかしいことではない、相談すれば必ず気持ちを理解し、助けてくれる人が必ず身近にいるということを強く訴えて参りたいと思っております。

 

3.次に、教育改革タウンミーティングについてであります。

 内閣府の資料によりますと、平成十七年三月に松江市で開催された、このタウンミーティングは、定員三百人で募集したところ、五百六十二人の申し込みがあり、当日の参加者は、四百二十二人でした。

 このタウンミーティングは、内閣府と内閣府から委託を受けた広告代理店とが、募集受付から会場設営等一切の運営に当たっており、県は、新聞広報、市町村へのチラシ配布、PTA連合会等関係団体へ広報など、主に県民の皆様への周知について協力しました。

 したがいまして、県は、発言候補者の推薦、発言のための資料作成等といったことには、全く関与しておりませんし、内閣府の調査結果によりますと、「松江市での"やらせ"は確認されなかった」と発表されております。

 

(答)教育委員長

4.次に、教育基本法の改正についてお答えします。

 現在の教育基本法が昭和二十二年に施行されてから、およそ六十年が経過し、この間世の中は、国際化や情報化等大きく様変わりし、本県においても過疎化、少子・高齢化が進んで、当時とは教育環境も著しく異なってしまいました。

 豊かで便利な世の中になり、生活スタイルも変わってきましたが、それに伴い価値観も変わり、何か大切なものを失ったり、忘れてしまったような気がします。

現在、参議院で審議中の教育基本法改正案が、「公共の精神の尊重」、「生命や自然の尊重」、「学校・家庭及び地域住民等の相互の連携協力」といった、今日、極めて重要と考えられる理念や基本を規定したことは、教育を巡る諸情勢の変化を勘案すると、現状にあった見直しと思われ、私としては適切かつ必要なことと思われます。

 しかし、議員のお言葉にもありましたが、国の将来を左右する教育の基本を定める法律でありますから、慎重な議論を行っていただきたいと考えており、今後とも、国会での審議を注意深く見守って参りたい思っております。

 

(答)教育長

5.次に、高校における未履修問題についてであります。

 平成十四年度から始まりました完全学校週五日制、平成十五年度からの現行の学習指導要領の実施、あるいは、大学入試センター試験の科目数の増加ということがあり、このような点も含めまして、先ほど申し上げましたように他県とも情報交換しながら改善すべき点につきましては要望していきたいと考えております。

 もとより、高等学校は、単に受験勉強を教える場ではなく、全人的な自己形成ということを主として考えていく必要があると思いますが、現実問題として、受験戦争がかなりヒートアップしている中で、島根県のようなとりわけ高校が大学受験の指導に大きな役割を果たしている県にありましては、全国的あるいは都市部の塾や進学校との競争を行っていく中にありまして、受験に必要な時間数の確保を図るということで、科目を重点的に指導したことに起因するものであると考えております。

 また、この問題は、本県と同様の状況にある公立高校が抱える全国的な課題であると考えております。他県とも情報交換をしつつ、現行の大学入試や学習指導要領などについて、改善すべき点があれば、国に求めていく必要があると考えております。

 

6.次に、県費負担指導主事の市町村教育委員会への配置についてお答えします。

 教職員の配置については、いわゆる標準法に基づいて行っており、ご質問にありますような職員の市町村教育委員会への配置は標準法の中では不可能であります。制度として実施するのであれば、県単での配置が考えられますが、県、市町村とも財政が逼迫していることから、半額負担を含め、新たに配置することは非常に残念なことではありますが、現状では困難であります。

 なお、ご紹介のありましたように、現在、市の単独の負担により、四市に二十一人の教員が指導主事などとして配置されており、同じような形での要請にはお答えできると思っております。

 現場により近いところで指導者を配置することは、効果の面では非常に有効であると思っており、特に、喫緊の課題であるいじめ、不登校などに対応するためには、教育事務所に配置している教員が、市町村の教育委員会に拠点を持ち効果的な指導を行える体制の整備が重要であり、検討しております。人数の点については、今の時点ではどういう形になるかわかりませんが、制度的な面での整備を考えていきたいと思っております。

 


お問い合わせ先

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