被災宅地危険度判定制度は、災害対策本部が設置されるような大規模な地震又は大雨によって、宅地が大規模かつ広範囲に被災した場合に、市町村が被災宅地危険度宅地判定士を活用して被害の発生状況を迅速に把握するとともに、宅地の危険度判定を行うことによって、二次災害を軽減・防止し、住民の安全を確保することを目的としています。
被災宅地危険度判定士(以下、「宅地判定士」)とは、被災した市町村又は都道府県の要請により、宅地の2次災害の危険度を判定する土木、建築等の技術者です。
宅地判定士になるためには、都道府県知事が実施する被災宅地危険度判定講習会を修了し、危険度判定を適正に執行できると認定・登録される必要があります。
なお、宅地判定士が判定活動をする場合、身分を明らかにするため、認定登録証を携帯し、「被災宅地危険度判定士」と明示した腕章やヘルメットを着用します。
宅地判定士を含む3人が1組になって、調査票等に定められた客観的な基準により、目視できる範囲の箇所について被害状況を調査し、その結果をもとに危険度を判定します。
(1)被害状況確認
全体の被害状況を把握しながら、宅地の平面図、被害箇所の断面図を調査票に記載していきます。
(2)写真撮影
被害の状況がわかるように、全景写真及び局部写真をそれぞれ1枚以上ずつ撮影します。
(3)被害状況の詳細調査(危険度判定)
擁壁及びのり面等の被害状況の詳細(亀裂の幅、傾き状況等)を調査し、被害の程度に応じて各宅地の被害を点数化していきます。
(4)結果表示
各宅地の被害点数に応じて、宅地所有、近隣の住民が余震により二次災害にあわないよう、宅地の状況を周知するため、結果票を目立つ箇所に掲示します。
被災宅地危険度判定の結果は、下記の3種類の判定ステッカーを見えやすい場所に表示し、当該宅地の使用者・居住者だけでなく、宅地の付近を通行する歩行者にも安全であるか否かを識別できるようにします。
また、判定ステッカーには、判定結果に基づく対処方法についての簡単な説明や二次災害防止のための処置についても明示します。なお、判定結果についての問い合わせ先もステッカーに表示します。
以下に、被災宅地危険度判定制度に関する要綱・マニュアル等を示します。
○要綱
○被災宅地危険度判定業務実施マニュアル等
※全国共通の要綱・マニュアル等は次のリンク先でもダウンロード出来ます。
平成30年4月9日の島根県西部を震源として発生した地震により、大田市及び美郷町で被災宅地危険度判定を行いました。
震度 | 市町村 |
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5強 | 大田市 |
5弱 | 出雲市、雲南市、川本町、美郷町 |
市町村 | 判定総数 | 危険(赤) | 要注意(黄) | 調査済(青) | 備考 |
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大田市 | 221 | 43 | 74 | 104 | 他自治体支援 |
美郷町 | 4 | 1 | 2 | 1 | 町単独実施 |
計 | 225 | 44 | 76 | 105 |
1)実施本部の立ち上げ(H30.4.9)
大田市役所に設置された実施本部
2)派遣計画の作成(H30.4.10~)
実施本部における作業状況
3)判定開始(H30.4.11~)
コンクリート擁壁のクラック(大田市波根町)
空石積擁壁の崩壊(大田市富山町)
宅地地盤のクラック(大田市富山町)
4)実施本部解散(H30.4.27)
総数 | 221件 |
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活動自治体 | 島根県、鳥取県、松江市、出雲市、大田市 |
延べ人員 | 65人 |
延べ日数 | 12日 |