平成24年(2012年)県政の主な動き

 島根原発の防災対策を強化【2月、11月】

原子力防災訓練の写真

 

◆原子力防災訓練の実施(2月)

 島根原子力発電所で原子炉冷却用の電源にトラブルが生じたとの想定のもと、国、県、原発周辺市町のほか警察、消防、自衛隊など30機関、約2,300人が参加した原子力防災訓練を実施した。

 広範に影響を及ぼした福島第一原子力発電所事故を受け、島根原子力発電所から半径30キロ圏まで拡大したエリアで、関係機関相互の緊急時の連絡体制やモニタリング体制などを検証した。これに伴い、島根県と松江市のほかに、周辺5市(出雲市、安来市、雲南市、米子市、境港市)や鳥取県を加えた8自治体が中心となる新たな枠組みでの訓練となった。

 島根県原子力防災センター(オフサイトセンター)では、溝口知事がテレビ会議などにより、鳥取県の平井知事や松江市の松浦市長などと情報伝達・交換を行った。

 

 〔写真〕テレビ会議で情報交換を行う溝口知事(原子力防災訓練)

 

 

 

 

原子力防災連絡会議の写真

 

◆広域避難計画の策定(11月)

 島根原子力発電所に万が一の事態が生じた場合に備えた「広域避難計画」を、避難先となる県内の市町をはじめ、中国各県及びその各市町村の協力を得て策定した。

 福島第一原子力発電所事故を受け、島根県は、鳥取県及び島根原子力発電所から30km圏域の6市(松江市、出雲市、安来市、雲南市、米子市、境港市)とともに、平成23年5月に、「原子力防災連絡会議」を設置し、国の原子力防災の方針が明示されない状況の中であっても、できることから原子力防災対策を進めていくこととして、広域避難体制の整備を進めてきた。

 平成24年9月には、国の防災基本計画(原子力災害対策編)が改正され、PAZ(予防的防護措置を準備する区域)及びUPZ(緊急時防護措置を準備する区域)を管轄に含む地方公共団体は、広域避難計画をあらかじめ策定することとされた。

 こうした状況を踏まえ、島根県は関係4市(松江市、出雲市、安来市、雲南市)と連携し、県内市町村及び中国各県・各市町村の協力を得て、平成24年11月に広域避難計画を策定した。

 

 〔写真〕原子力防災連絡会議で広域避難計画について話し合う関係自治体の担当者

 

 

 

 

 「島根総合発展計画第2次実施計画」を策定【3月】

島根総合発展計画第2次実施計画

 

 

 

平成24年度から27年度末までの4年間の県政運営の具体的な目標と道筋を示した「島根総合発展計画第2次実施計画」を策定した。

 「第2次実施計画」は、「島根が目指すべき将来像」の実現を目指して掲げた3つの基本目標(I.活力あるしまねII.安心して暮らせるしまねIII.心豊かなしまね)を達成するため、具体的な政策・施策を体系的に示したものであり、策定にあたっては、「第1次実施計画」の評価を踏まえつつ、リーマンショックや急激な円高の進行、東日本大震災など社会・経済情勢の変化や新たな課題、中長期的な問題等にも対応するものとした。

 

 

 

 

 

 

 

中山間地域対策や定住施策の推進【3月以降】

中山間地域対策プロジェクトチーム

 

 

 第3期中山間地域活性化計画(平成24年3月策定、計画期間:平成24〜27年度)に基づく中山間地域対策の推進を図るため、中山間地域対策推進会議(構成員:庁内各部関係各課長)のもとに、新たに中山間地域対策プロジェクトチームを設置し、部局連携体制を一層強化して計画の実施にあたることとした。

 4月以降、県内227地区の「しまねの郷づくりカルテ」を作成・分析し、市町村とも連携して、公民館等を範囲とした地域運営の仕組みづくりなど、中山間地域対策に精力的に取り組んだ。

 

 また、県が「定住元年」と位置づけた平成4年に設立した(財)ふるさと島根定住財団(当時)が、20周年を迎え記念フォーラムを開催。

 「産業体験事業」により615人が県内に定着するなどの成果もあがっており、引き続きUIターン希望者のニーズに対応した施策の充実を図るなど、定住を促進していく。

 

  〔写真〕中山間地域対策プロジェクトチームによる検討の様子

 

 

 

 社会基盤の整備が進む【3月、4月】

松江だんだん道路(西尾IC〜松江JCT)開通祝賀行事

 

 

 

◆松江だんだん道路の部分開通

 島根県が整備を進める「松江だんだん道路(国道485号)」の西尾インターチェンジから松江ジャンクションの間(2.6km)が、3月に開通した。これにより、松江市街地の南北が「縁結び大橋」で結ばれ、くにびき道路や中海大橋での渋滞が大きく緩和した。「松江だんだん道路」は、一般国道431号川津バイパスと一般国道9号松江道路を結ぶ地域高規格道路で、平成25年春の全線開通に向け整備を進めており、松江市街地の渋滞緩和、災害や緊急時の避難路や迂回路としての効果のみならず、宍道湖・中海圏域の活性化に大きく寄与するものと期待される。

 

 

 〔写真〕松江だんだん道路(西尾IC〜松江JCT)開通祝賀行事

 

 

 

 

 

中国横断自動車道尾道松江線(三刀屋木次IC〜吉田掛合IC)

 

 

◆高速道路の整備促進

 国が整備を進める中国横断自動車道尾道松江線の三刀屋木次インターチェンジから吉田掛合インターチェンジの間(12.3km)が、3月に供用開始した。今後、平成24年度に三次まで、平成26年度には全線の供用が予定されており、山陽・四国方面はもとより近畿や九州地方との交流拡大、観光客のみならず企業誘致等による地域経済の活性化や災害時の代替道路、山間部からの救急搬送など県民の安全・安心な暮らしの向上に寄与することが期待される。

また、山陰道の「湖陵・多伎道路」、「静間・仁摩道路」、「三隅・益田道路」の3区間が新たに事業化となった(4月)。これにより、県内の山陰道194km(重複区間も含む)のうち、約9割の169kmが開通又は事業中区間となり、山陰道の全線供用に向けて大きく前進した。

 

 〔写真〕中国横断自動車道尾道松江線(三刀屋木次IC〜吉田掛合IC)

 上熊谷高架橋付近(松江方面望む)

 

 

尾原ダム

 

 

 

 

◆尾原ダム完成

斐伊川神戸川治水事業の一環として、平成3年から国が建設を進めていた尾原ダムが、3月に完成した。ダムの完成により、流域の治水安全性の向上が図られるとともに、松江市・出雲市(旧平田市の一部)・雲南市(旧加茂町)の水道用水が確保されることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 竹島を巡る状況が大きく変化〜竹島領土権の早期確立に向け取り組み推進〜【4月以降】

竹島問題の早期解決を求める東京集会

竹島資料室

 

 4月に、「日本の領土を守るため行動する議員連盟」及び「竹島・北方領土返還要求運動島根県民会議」の主催により、初めてとなる東京集会が開催された。

 8月10日に韓国大統領が竹島へ上陸したことを契機に、政府においては、所管組織の設置検討、国際司法裁判所提訴の動きなどの一連の対応がされ、政府広報などによる国民啓発や国連総会での首相の演説など、国内外への情報発信が行われた。また、国会においては、衆参両院で「韓国大統領の竹島上陸等に抗議する決議」が採択され、島根県議会では、9月定例会で「竹島領土権確立に関する決議」が採択された(島根県議会における決議は、1978年に「領土権確立と漁業の安全確保を求めた決議」を採択して以来34年ぶり5度目)。

 島根県は、第1期、第2期に引き続いて、第3期竹島問題研究会(座長:下條正男拓殖大学教授)を設置し、竹島に関する歴史的事実の調査や日韓両国の主張の整理、検証、竹島教育の充実をさらに推し進めている。

 また、全国的に竹島問題への関心が高まっていることを受け、10月から竹島資料室の開館日を土日・祝日まで拡大するとともに、11月からは展示スペースを拡張し、展示内容の充実を図り広報啓発の強化に取り組んだ。さらに、島根県教育委員会等が作成した竹島学習リーフレットを、県内の学校に加えて、各都道府県教育委員会と全国すべての市区町村教育委員会に送付し、竹島教育の普及に取り組んだ。

 

 〔左写真〕竹島問題の早期解決を求める東京集会〔右写真〕土日、祝日の開館が始まった竹島資料室

 

 

 医療・看護体制の充実【4月、5月、6月】

1期生実習風景

 

 

 

◆県大看護学部に1期生

 島根県立大学出雲キャンパスに看護学部が設置され、1期生85人が看護師への一歩を踏み出した(4月)。同学部は、短期大学部看護学科(三年制)と専攻科を四年制に改組し開設。新入生85人のうち60人が県内出身で、地域に不足する看護師の育成が期待される。

 

 

 〔写真〕熱心に実習に取り組む1期生(島根県立大学看護学部)

 

 

 

 

隠岐病院新病院

 

 

 

◆隠岐病院新病院開院

 島根県と隠岐4町村が整備を進めてきた隠岐広域連合立隠岐病院の新病院が完成し、5月1日に開院した。新病院は14診療科で、病床数115床。屋上にはヘリポートも整備されるなど、医療機能が大きく向上し、地域や本土の医療機関との連携もより一層強化されることが期待される。

 

 

 〔写真〕新病院が開院した隠岐病院

 

 

 

 

松江赤十字病院

 

 

 

◆松江赤十字病院全館開業

 松江赤十字病院の外来機能を中心とした低層棟が完成し、平成22年から運用開始している入院機能を中心とした高層棟とあわせて、新病院として6月から全館での開業となった。また、高層棟屋上ヘリポートの運用も開始し、県東部地域における災害医療、救急医療などの拠点病院機能がより一層強化された。

 

 

 〔写真〕松江赤十字病院(手前が低層棟)

 

 

 

 

 

 

 

 再生可能エネルギーの利活用促進に向けた取り組み開始【4月以降】

島根県再生可能エネルギー導入促進協議会

 

 

 

 

 再生可能エネルギーの利活用を促進するため、「島根県再生可能エネルギー導入促進協議会」を設置し、市町村と連携して、個人住宅や公共施設の太陽光発電設備等への助成や、小水力・小規模地熱発電導入適地調査の実施、また、県有地におけるメガソーラー発電事業者の決定などの事業推進に努めた。

 

 

  〔写真〕島根県再生可能エネルギー導入促進協議会

 

 

 

 

 

 

 

「神々の国しまね」プロジェクトの推進【7月以降】

神話博しまね特設会場しまね魅力発信ステージ

県外巡回展(東京国立博物館)

 

 

 大型観光プロジェクト「神々の国しまね」を推進する県は、古事記編さん1300年を迎えたこの年、メーンイベント「神話博しまね」(7月21日から11月11日までの114日間)を開催した。主会場となった県立古代出雲歴史博物館前の特設会場には目標の40万人を大きく上回る約73万人の来場があり、会場の郷土芸能等を上演する「しまね魅力発信ステージ」では、272団体・約8,100人の県民の皆様の参加があった。

県内各地でも、「神話サンドフェスタ」など神話博関連の様々な「圏域イベント」を開催し、約14万人の参加があった。

 また、県外では重要文化財の出雲大社境内遺跡から出土した宇豆柱や国宝の青銅器等を展示する「県外巡回展」を京都国立博物館と東京国立博物館で開催した。会期中合わせて約21万人もの来場者が訪れ、「古代出雲の世界」を楽しんでいただいた。

 

 〔左写真〕神話博しまね特設会場しまね魅力発信ステージ〔右写真〕県外巡回展(東京国立博物館)

 

 

 売れる農産品づくりに向けて、期待の新品種が高評価【9月以降】

島根米「つや姫」ロゴマーク

 

 

 

◆米の新品種「つや姫」

 品質が低迷している平坦地の「コシヒカリ」に替わる品種として、「つや姫」の本格栽培を開始。収量・品質ともに生産者の評価も高く、平成25年度作付目標面積700haに対して、9割を超える栽培希望が寄せられた。また、新米販売では、炊飯米の白さやツヤに優れ、食味が良いことから、小売店や消費者からも高い評価が得られた。

 

 

 〔写真〕島根米「つや姫」ロゴマーク

 

 

 

 

島根県オリジナル品種「万華鏡」

 

 

 

◆あじさいの県オリジナル新品種「万華鏡」

 農業技術センターで育種したあじさいの県オリジナル新品種「万華鏡」が、日本の花の新品種コンテストである、ジャパンフラワーセレクションの鉢花部門で、最優秀賞となる「フラワー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。

 あじさいの県オリジナル品種の取り組みは、生産者、市場、県の関係者でプロジェクトを立ち上げ、育種から生産販売まで一体となった取り組みをおこなっており、本賞受賞により、島根のあじさいへの注目度が高まり島根ブランド確立への第一歩となることが期待される。

 

 

 〔写真〕島根県オリジナル品種「万華鏡」

 

 

 

 

 

 第98回全国図書館大会島根大会を開催【10月】

全国図書館大会(分科会)の様子

 

 

 

 10月25・26日の両日、「文化を伝え未来を創る図書館〜古事記編纂1300年神々の国しまねから〜」をテーマに、全国図書館大会を松江市で開催した。全国から延べ1400人の図書館関係者が参加し、1日目は松江市出身の玄田有史氏の記念講演等の全体会、2日目は12の分科会で研究協議が行われた。

 分科会では学校図書館活用教育や今年度から新たに取り組んだ未就学児に対する読書普及事業など、島根の読書活動を全国に発信した。

 

 

 

  〔写真〕全国図書館大会(分科会)の様子

 

 

 

 

 

 7年ぶりに交通事故死者数が増加【通年】

交通事故防止を呼びかけるため検問を行う島根県警

 

 

 

 

 県内の交通事故は1,725件で現在の統計方法となった昭和41年以降最少となり、交通事故発生件数、負傷者数はともに3年連続減少した。

 一方、死者数は45人に上り、7年ぶりに増加する結果となった。

 

 

 

  〔写真〕交通事故防止を呼びかけるため検問を行う島根県警

 

 

 

 

 

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