平成23(2011)年県政の主な動き

大雪により県東部を中心に大きな被害【1月】

松江市内の道路状況

イチゴビニールハウスの被害状況(安来市内)

年末から年始にかけて降り続いた大雪(松江市内での最深積雪56cm)により、県東部を中心に、道路の通行止めや渋滞、公共交通機関の運休、数日に及ぶ停電や断水、農林水産業への被害や観光客の減少など、大きな影響があった。

 

県では1月1日、雪害警戒本部を設置し、被害状況を把握するとともに、道路の除雪など緊急の対策を講じた。また、補正予算を措置して大きな被害が出た農林水産業等への支援施策の実施を決めた。

 

 

 

 

 

  • 写真(左)松江市内の道路状況(右)イチゴビニールハウスの被害状況(安来市)

 

 

東日本大震災後の対応に全力【3月以降】

被災地で支援活動を行う派遣職員

島根原子力発電所の安全対策について説明を受ける知事3月11日午後、東北地方太平洋沖で発生したマグニチュード9.0の大地震と大津波により、東北地方から関東地方までの広範囲が未曾有の被害に見舞われた。県は、早期に被災地・被災者支援の対応を取ることを決定し、災害派遣医療チーム(DMAT)や医療救護班による被災者の救護、警察・消防の派遣部隊による被災者の救出救助や行方不明者の捜索、毛布などの支援物資の提供などを行った。その後も避難所運営に当たる県職員(41名)の他、土木、農林水産、保健福祉、警察関係の職員を被災地に次々に派遣した。

 

また、県民のみなさんには、被災地への支援金を呼びかけ、6月までに8千万円余の支援金を日本赤十字社へ寄託した。さらに、被災地から島根県に避難された方々に対する公営住宅等への受入れや就業相談、学校への受入れ、子供たちの夏休み期間中の県内農家民泊施設での受入れなど、さまざまな被災者支援策を講じた。

 

この地震と津波により、東京電力福島第一原子力発電所では、原子炉の冷却機能が喪失し、燃料棒の溶融や水素爆発が起こるなど深刻な事態となった。また、この事故が原因とみられる放射能に汚染された稲わらが島根県内の和牛肥育センターに納入され、この稲わらが肉牛に給与された可能性があったことから、県では、牛の出荷自粛を要請するとともに、回収された牛肉の放射能検査を実施した。また、県産肉用牛に対する市場等での風評被害が高まったことから、県は、県食肉公社から出荷する食肉について8月3日から全頭検査を実施するとともに、県産米についても、8月から9月にかけて県内全域の水田の出荷前の玄米・稲わらをサンプリング調査し、安全性を確認した。

 

福島原発事故では、原発から半径30km圏県内の市町村に避難や屋内退避などの措置が取られた。

こうした状況を受け、県は、原子力安全推進体制を強化する組織改正を行うとともに、島根・鳥取の原発周辺市町の防災担当責任者で構成する原子力防災連絡会議を開催し、島根原発の安全対策や原子力防災対策の抜本的な見直しに着手した。また、万が一の事態を想定し、島根原発から半径30km圏内の約40万人の住民の避難先確保のため、中国5県にも協力を要請して具体的な避難場所を確保する作業を進めた。また、平成23年度中に鳥取県及び30km圏内の市を含めた新たな枠組みで、原子力防災訓練を実施することを決定した。

 

  • 写真(左)被災地で支援活動を行う派遣職員(宮城県多賀城市)(右)島根原子力発電所の安全対策について説明を受ける知事

 

 

 

斐伊川・神戸川治水事業が大きく進展【3月〜10月】

さくらおろち湖での自転車競技大会(雲南市)

大橋川改修工事の様子(松江市)

斐伊川・神戸川治水事業3点セット(上流部:ダム、中流部:放水路、下流部:大橋川改修)のうち、上流部の志津見ダムが6月1日に完成し、尾原ダムについても平成23年度中の完成が予定されている。

 

併せて、県が整備を進めていた、自転車競技施設が5月に、ボート競技施設が10月にそれぞれオープンした。また、この尾原ダムを水源とする斐伊川水道(送水管路延長108.9km)が3月に完成し、4月1日から松江市、出雲市、雲南市に給水を開始した。

 

中流部の斐伊川放水路については、9月に、出雲市が洪水調節のための放水路への分水を了承し、治水機能を早期に発揮できることとなった。

 

下流部の大橋川改修については、昭和57年の中断以来、平成21年12月の鳥取県知事との事業着手の合意を機に、約30年ぶりに事業が再開され、8月に追子地区(松江市学園南1丁目)の築堤工事が始まった。

 

  • 写真(左)第46回中国地域高等学校対抗自転車道路競走大会(雲南市・奥出雲町)(右)大橋川改修工事の様子(松江市)

 

 

溝口県政二期目スタート、新県議決定【4月】

職員向けあいさつ4月10日に、投開票のあった島根県知事選挙及び島根県議会議員一般選挙の結果、現職の溝口知事が再選。また、県議会議員についても、新人9人を含む37人が当選した。

 

溝口知事は、島根原発の安全対策や防災計画の早急な見直し、産業の振興、若者の雇用の場の確保、道路などの社会インフラの整備、地域医療と福祉の確保、子どもの健全な育成、女性が個性や能力を発揮できる社会の実現に取り組むと述べ、二期目の県政をスタートさせた。

 

  • ・写真知事二期目初登庁日の知事あいさつ(県庁)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神々の国しまね」プロジェクトが本格スタート【4月以降】

神話博しまね開催をアピールする知事きゃら在月inしまね(くにびきメッセ)いにしえから伝わる島根の歴史・文化等の魅力を全国にアピールし、観光交流の一層の拡大と県民の郷土に対する誇りを醸成することを目的とした「神々の国しまね」プロジェクトが本格的にスタートした。

 

地域の魅力づくりやおもてなしの充実などの県民活動への支援や、6月のキックオフ講演会、10月の「全国夜神楽フェスティバル」、12月の「きゃら在月inしまね」など県内各地で多彩なイベントを開催した。また、県内各地を訪ね歩いてもらうための周遊バスやまち歩きのコースづくりを進めた。

 

平成24年の京都・東京で青銅器などを展示する特別展覧会、出雲大社周辺を主会場とした「神話博しまね」(7月21日から11月11日までの114日間)の開催も決まり、島根の魅力を全国に発信する。

 

 

  • 写真(左)神話博しまね開催をアピールする知事(県庁) (右)きゃら在月inしまね(くにびきメッセ)

 

 

の運航開始【6月】、県立大学短大部看護学科の4年制化決定【10月】

ドクターヘリ運航訓練のようす島根県立大学出雲キャンパスの施設整備工事6月13日、医師や看護師が搭乗して患者に救命医療を行うことのできる医療専用ヘリコプター「ドクターヘリ」の運航を開始した。

 

ドクターヘリは、現在、1日あたり平均1.7回程度の出動を行っており、離島や中山間地を抱える県内の救急医療に貢献している。

 

さらに、出雲市にある島根県立大学短期大学部看護学科の4年制化が、10月24日、文部科学大臣により認可された。

 

これにより平成24年4月に、1学年定員80名の看護学部看護学科(短期大学部専攻科(助産学専攻)は平成27年4月に大学専攻科(助産学専攻)に移行)が設置され、4年制の看護系大学進学を目指す学生のための県内の体制がさらに充実することとなる。

 

  • 写真(左)ドクターヘリ運航訓練のようす(出雲市) (右)島根県立大学出雲キャンパスの施設整備工事

 

松江市と東出雲町【8月】、出雲市と斐川町【10月】が合併

松江市・東出雲町合併記念式典出雲市・斐川町合併記念式典8月1日に松江市と東出雲町が、10月1日に出雲市と斐川町がそれぞれ合併し、県内の市町村は、19市町村(8市10町1村)となった。この合併により、松江市の人口は約208千人、出雲市の人口は、約171千人。

 

 

 

 

 

 

 

  • 写真(左)松江市・東出雲町合併記念式典(右)出雲市・斐川町合併記念式典

 

 

松江市の特例市への移行が決定【12月】

12月に、松江市の平成24年4月1日の特例市移行が決定した。

特例市は、人口20万人以上の市の申し出に基づき、総務省が政令で指定するもので、都市計画や環境保全などに関する事務を処理する権限を持つことができる。

隠岐ジオパークが世界ジオパーク認定候補地に決定【9月】

隠岐ジオパーク通天橋(西ノ島町)9月5日に開催された日本ジオパーク委員会で、隠岐ジオパークを平成24年度、日本からの世界ジオパーク認定の候補地として推薦することが決定された。

 

隠岐諸島の地質・地形をはじめとする自然の価値や、隠岐ジオパーク推進協議会を中心とした地元の取り組みが認められたもの。来年、世界ジオパークネットワークの現地調査を経て、9月頃の世界ジオパーク認定を目指す。

 

 

  • 写真は隠岐ジオパーク通天橋(西ノ島町)

 

佐陀神能がユネスコ無形文化遺産に登録【11月】

佐陀神能の写真

11月27日に、「佐陀神能」がユネスコ無形文化遺産に選定された。「佐陀神能」は、松江市鹿島町の佐太神社の祭礼の際に演じられる神楽。約400年前から能の要素を取り入れて伝承されてきたもので、3部構成の形式など出雲部の神楽に影響を与えている。島根県にとっては石州半紙に次いて2件目のユネスコ無形文化遺産。

  • 写真は佐陀神能(松江市)

県人口が717千人に(平成22年国勢調査結果まとまる)【10月】

二条・美濃筋トレ倶楽部のみなさん

平成22年国勢調査の結果が10月に公表され、県人口は717,397人で前回調査に比べて24,826人、3.3%減少した。人口減少率3.3%は、全国で7番目に高い。15歳未満人口は92,218人で初めて10万人を下回ったほか、高齢化率(県人口に占める65歳以上人口の割合)も29.1%で前回調査と比べて2.0ポイント上昇し、秋田県に次いで全国第2位となった。

 

また、社会福祉施設や病院などを除く一般世帯数は260,921世帯で前回調査に比べて1,632世帯、0.6%増加した。家族類型別にみると、単独世帯(一人暮らし)と、ひとり親と子供からなる世帯は引き続き増加し、夫婦と子供からなる世帯は微減した。

 

配偶関係では、年齢(5歳階級)別に前回調査と比べると、男女とも20〜49歳のすべての年齢階級で未婚率が上昇しており、非婚化・晩婚化が進行した。

 

高齢化が進んだ一方で、若者の活躍が目立った一年でもあった。将棋の里見香奈さん(10月に女流王将を初防衛し、女流三冠を守る)、大相撲の隠岐の海関(11月場所で自己最高位の東前頭筆頭)、テニスの錦織圭選手(日本男子選手として世界ランキング史上最高の24位)のほか、全国高校総体では、16種目で入賞し、輝かしい成績を収めた。

 

 

  • 写真二条・美濃筋トレ倶楽部のみなさん(益田市)

 

 

山陰道の未整備区間の着手が決定・浜田港が日本海側拠点港に選定【11月】

山陰道の整備(仁摩温泉津道路)

北米からの原木を積みおろす運搬船(浜田港)

11月に、平成24年度に国直轄で新規整備する高速道路として、島根県内の山陰道3区間(「湖陵〜多伎間4.5km」、「大田〜静間間5.0km」、「三隅〜益田間15.2km」)の着手が決定した。

 

島根県内の東西を結ぶ幹線道路は国道9号しかなく、広域防災や救急医療、産業振興、観光振興等に必要な路線として山陰道の未整備区間の早期着手が熱望されていた。

 

また、浜田港が北東アジアの玄関口となる日本海側拠点港に「原木の機能」で選定された。これは、浜田港の重要性や将来性が国に評価されたもの。今後、浜田港の利用拡大を図り、その他の機能の追加選定に向けて取り組む。

 

 

 

  • 写真(左)山陰道の整備(仁摩温泉津道路)(右)北米からの原木を積みおろす運搬船(浜田港)

 

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