5月25日質問事項4

4.国補正予算・経済対策

○読売新聞:読売新聞の林ですけれども、まず、コロナ対応に関してちょっと追加でお伺いさせてください。

 先日の共同取材でも少しお話しされてるかと思うんですけれども、国が補正予算の編成を見送るという方針を固めたという報道ベースでなされてますが、このことについて、これまで補正予算の編成の必要性を訴えられていた観点で、改めてそこについて御意見をお伺いできればと思います。

○丸山知事:決まったっていうことの正式な決定がどこかでなされたわけではないと思いますけども、報道がなされ、その観測記事と同じ発言を、補正予算の編成は考えていないというコメントを財務大臣がされた、そういった状況じゃないかというふうに思います。

 度々申し上げていますとおり、今行われている経済対策というのは、12月の上旬にたしか決まったものです。その時点では、第3波みたいなものは想定してたという話なのかもしれませんけども、3波が大規模にあり、そして間をほぼ置かずに今、第4波が、第3波よりも速度を速めて拡大して、若干ちょっと感染者総数自体はピークを超えた地域もありますけれども、そういう2つの感染拡大のさなかにある。一つの感染拡大を経験し、そして2回目の感染拡大のさなかにあるわけです。そういった中で様々な問題が生じてきている。特に事業者の皆さんにとっては人出、人の行き来とかということが当然、感染拡大の地域を中心に減りますし、そうでない地域についても3波の飲食業のように、飲食店に行くことを控えるといった影響は全国的に生じてますし、そういったことが、いろんな影響が長期化をしているという厳しい、特に事業者の皆さん、そして特にパート、アルバイトの仕事をされている方からすると、そういうお店自体の来客が減って、勤務時間、シフトが減っていくといったことを通じて家計にも影響が出ているという状況ですから、ちょっとこのタイミング、こういう状況で経済対策なり補正予算が講じられないというのは、ちょっと意外というか、問題だと思いますね。

 時間がないという話もあります。でも、6月の16日が通常国会の会期だったかな、6月の中旬ですよね。これも別に国会の会期は延長できますし、47都道府県のうちの47分の1の東京都の議会議員選挙のためにわざわざ国会を閉める、延長しないという理屈というのは、まさにコロナ禍の緊急事態モードじゃない、何か平時モードの、ちょっと緊張感のない対応だというふうに思いますから、会期を延長されればいいと思いますし、仮に本当に時間がないのであれば、今の会期の中で予備費をきちんと増額をして、これまで、またこれからの状況の変化に対応していくというふうに備えるのが政治の仕事なんじゃないかというふうに思います。

 4兆円残ってるからって話もありますけど、4兆円も残ってるのかな。4月以降、第4波始まっちゃって、時短、緊急事態宣言地域、重点措置、いわゆるまん防地域、そして2つのところに指定されてなくても時短の要請が出ている地域はあって、4月からずっと続いてますよね。そうすると一日一日、ちょっと計算が我々にはできませんけど、何百億って、何十億かな、分かんないけど、一日一日、多分その協力金でお金が出ていっている、政府として支援を約束したことに対して支援しなきゃいけない金額が積み上がってると思いますよ、4、5月。そしてまた延長される。ともかく緊急事態宣言が解除されても、まだ重点、まん延防止等措置は残るし、まん延防止等措置が外れても時短が残る、そんな状況ですからね。だから、正確に政府がどういうふうに把握されてるか知りませんけど、今のような状況が続いているということは、つまり時短の協力金の財源を地方団体に配んなきゃいけないという意味での予備費の使途額、使わなきゃいけない額がどんどん積み上がってるはずです。それがいつ終わるかも分からない。ですよね。そうすると、4兆円なんか、今、絶対4兆円、今ないと思いますよ。もう出さなきゃいけないって決まってる金額があると思いますし、そういったものがまだ積み上がっていくという中で、4兆円で本当に足りるんですかと。4兆円で足りるという理屈になっていますけど、4兆円で仮に秋が臨時国会、9月の中頃だと、早くて中頃だとしても、6月の中旬から3か月ですよね。3か月間、本当に4兆円で足りるのか。足りるって誰か保証してくれる人はいるのか。いないと思いますね。感染がコントロールできてないんだから。

 さらに、政府の方針によれば、東京オリンピック・パラリンピックは予定どおり開催するという前提なわけですから、そうしますとやっぱり皆さん懸念しておられるとおり、それを契機とした感染拡大があるんじゃないかという不安を持って国民は受け取ってるわけですね。それを阻止すべく最大限努力をされるという方針なり姿勢は理解しますけども、やっぱりBプランも持っとかないといけないと。プランBというんですかね、一番うまくいったときはプランAでいいでしょうけど、うまくいかなかったときはって考えなきゃいけない。それが危機管理とか国家のかじ取りだと思いますので、4兆円で足りるっていう、その何か断定できない判断で補正予算を編成しないという考え方というのは、私は理解できないです。

 やっぱり本当に感染が、仮に第4波が収まったとして、3か月ありますから、第5波だったり、それがオリンピック絡みかどうか分かりません。オリンピックはうまくいくかもしれないけれども、オリンピック終わった後に第5波があるかもしれない。そういった中で、4兆円で足りるっていう説明でこの通常国会が終わってしまったら、私が懸念するのは、4兆円で足りるって言っちゃったがために、4兆円の範囲内でしかやらないというふうに私は逆算でなると思います。だってお金がないんだから。4兆円の中でやるしかなくなっちゃいますよね。そうすると、何か新しい対策を打たなくても、今の対策だけで一日一日、協力金のお金が積み上がっていく、新しいことをやる余裕はないというのが通常国会閉会して臨時国会が開会されるまでの間、何か月間も続いて大丈夫なんだろうかというふうに思いますので、もっと、仮に今よりも状況が悪くなったことにも備えてとか、自分たちが想定していることよりも状況が悪化した場合に備えてっていう余裕度、安心、何というか、言葉は今ちょっと、遊びというか、かつかつで通常国会と臨時国会の合間、3か月を乗り切ろうというのはやめたほうがいいんじゃないかなというふうに私は思います。

 特に、あともう一つ申し上げたいのは、ともかく東京都民の方は納得されるかもしれませんけど、46道府県の住民の皆さんは、東京都議会議員選挙のために国政が停滞するなんて納得しないと思いますよ。何で衆議院議員選挙が近いから国政選挙並みに政党が対応するのか。そのために国会が早く閉じられる。ああ、そうかと、そういうことかと、仕方ないねと誰も思わないと思いますね。多分東京都民の方も、半分以上は多分理解されないと思いますけど、何か全く、それこそ何というか、国政選挙並みに力を各党が入れて、都議会議員選挙に各党党首とかが新宿のロータリーとか明治通りとか秋葉原とかで演説を一生懸命やられてるという姿を見ると、日本中の多くの国民はがっかりするんじゃないかと、こんなことやってる場合かと、政治の信頼が失われないかということを心配しますね。そんなのは普通のときの政治日程であって、今は普通のことをしちゃ駄目でしょうと。何か緊急事態宣言ね、こんな出てるような状況なんだから、やっぱりそういう緊急事態に対する緊張感を持って国政が対応されないと、やっぱりよくない。何か理解される方っておられないような気がしますけどね。みんな理解されずに、無党派層だけどんどん増えていくみたいなことになるから、みんな同士討ちだからいいといえばいいのかもしれませんけどね、政党的なあれだと。分かりません。

 やっぱりこれだけのことが、状況なので、政府も国会も各党も、やっぱり国民が何をやってほしいというふうに思われてるかっていうことをもっと感度を高くしていただいて、やれることをやっておいてもらう。だって、国会閉会中は、予算審議もできない、閉会中できないんだから、今やれるときにやっとかないといけないでしょう。だから、難しい経済対策とかを取りまとめるのが大変で1か月かかるとかっていうんだったら、それは予備費積み増すぐらいの補正を1週間ぐらいで上げてもらえば、予算書作るのに1週間、予算審査に1週間とかで何かもうやれないことはないんじゃないのかな。もうそんなもん、印刷なんかしなくても、ホチキスでぱちぱちとじて予算書作っちゃえばいいと思うけど。だって、今後の感染拡大とか、様々な諸情勢に対応できるように予備費を何兆円積み増しますという補正予算を提案しても、野党は反対しないと思いますけどね。されるかもしれないけど。何か財務省とか財務大臣が財政規律を守るために反対されるのは、それは分かります。ただ、ほかの人たちが反対されなきゃいけないんじゃないかと、それに対して。と思います。

○読売新聞:分かりました。

企業広告
ページの先頭へ戻る