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食宝しまね発〜生産・消費の現場から〜

島根の豊かな海の食を代表する一品ケンサキイカ


ほのかな甘みとコリコリとした食感が特徴の「ケンサキイカ」。
日本海で捕れる島根の豊かな食を代表する一品です。県内の広い地域で水揚げされる大切な海の恵みですが、
長時間の輸送に不向きなため、新鮮な状態で遠隔地の消費者に届けるのが難しい水産資源でもあります。
隠岐地方では、この素晴らしい味覚を県外に届け、島根の食ブランドとして全国に普及させる試みに取り組んでいます。

独特の甘みと食感が特徴のケンサキイカの写真
独特の甘みと食感が特徴のケンサキイカ

西ノ島町の「伝説のイカ」
県内の市場に出回るイカは、スルメイカ、ヤリイカ、アオリイカなど7種。
このうち最も高く取引されるのがケンサキイカです。
白イカやマイカ、ブトイカの呼び名もあり、年間漁獲量は1000〜2500トン。
甘味成分のグリシンやアラニン、プロリンを多く含み、刺身はもちろん、天ぷらや煮つけにしてもおいしくいただけます。
西ノ島町は平成18年、生きたままのイカを首都圏や京阪神で販売する事業を始めました。
冬場にイカの大群が押し寄せる同町浦郷の「イカ寄せの浜」の伝承にちなんだ商品名は「伝説のイカ」。
販売元で、地元漁協や生産者が出資して設立した(株)日本海隠岐活魚倶楽部の徳若博社長は
「イカの付加価値を高め、町の特産品を全国に売り出したかった」と狙いを語ります。
イカは温度や光、衝撃といった外的ストレスに非常に弱く、生きたまま遠隔地の消費者に届けることは夢物語でした。
これを可能にしたのが、大阪府のメーカーが開発した「活魚パックシステム」です。
ビニールパックに入れた魚介類を最長2日間程度生存させる技術で、活イカの販売を模索していた西ノ島町にとって、待望の技術でした。
平成17年9月に情報を入手した関係者はすぐさまメーカーを訪れ、システムを導入。
翌18年6月には伝説のイカのネーミングで発売するスピーディーさでした。
いけすで元気よく泳ぐケンサキイカの写真
いけすで元気よく泳ぐケンサキイカ
 

活きた味わい、都市部の消費者に

幾重もの手間をかけ商品化
伝説のイカは、身を傷めないよう、漁師が1杯ずつ丁寧に手釣りします。
「糸をたぐり上げるスピードにも気を遣う」と漁師の三田健一さんは言います。
釣ったイカは、人の手で触れず、船内のいけすに速やかに放たれます。
漁港に持ち帰った後も、人間の目では確認できない小さな傷が元で出荷直後に死んでしまうのを避けるため、専用のいけすで1日程度様子を見ます。
こうして選別したイカは、圧縮空気と紫外線殺菌した海水を充填したビニール袋に、1杯ずつ入れます。
殺菌海水は、雑菌の繁殖を抑えると同時に、輸送時の衝撃による興奮を抑え、イカが墨を吐いて自らの呼吸器官を詰まらせるのを防ぐ効果もあります。
ここまで幾重もの手間をかけてきたものの、さらなるハードルが待ち構えています。
長時間輸送です。伝説のイカは、緩衝材を詰めたダンボールに入れ、フェリーで本土まで運送後、首都圏や近畿に陸送し、出荷翌日に寿司店や割ぽう料理店に届きます。
20時間から28時間の長旅ですが、運送会社は途中、衝撃を抑えるため安全走行を心がけ、海水温度を15度前後に保つため保冷庫の室温を細かく管理します。
こうして運んだイカでさえ到着時に死んでいることがあり、再送するケースも。活イカ販売の難しさを物語ります。
販売価格は、個人向けが1杯2480〜2980円(税別)と、決して安価ではありませんが、高級志向の日本料理店や、贈答用の個人客が徐々に増え、
伝説のイカの年間売上高は約850万円に拡大しています。
徳若社長は「生きた透明なイカの新鮮な味を広めたい」と張り切っています。
殺菌海水などを封入してパッケージングされるイカの写真
殺菌海水などを封入してパッケージングされるイカ

緩衝材を詰めた箱で配送されるイカの写真
緩衝材を詰めた箱で配送されるイカ

凍結技術で安定供給
海士町の第三セクター、(株)ふるさと海士は平成17年、最大の地場産業である漁業の振興を目的に、
うまみを損なわずに魚介類をマイナス55度で瞬間凍結する「CASシステム」を導入し、特産のケンサキイカを年間を通じて販売する体制を整えました。
主な販売先は関東地方の大型飲食チェーンや百貨店。
シーズンや漁獲量にかかわらず、解凍後に獲れたてのような新鮮なイカを安定的に調達できるとあって、全国から引き合いが拡大しつつあり、同社の売上高の4割を占める主力に育っています。
販売価格も比較的安定しており、イカを卸す地元漁師の生計の安定化にもつながっています。
奥田和司(おくだかずもり)社長補佐役は「イカの販売をさらに伸ばし、漁業と海士町の活性化につなげたい」と抱負を語っています。
漁業者らの地道な取り組みが、全国に島根の食の素晴らしさを伝えるとともに、豊かな自然が残る島根のイメージアップに貢献しています。
CAS技術で凍結し、周年販売されるイカの写真
CAS技術で凍結し、周年販売されるイカ

魚介類を瞬間凍結するCASシステムの写真
魚介類を瞬間凍結するCASシステム

 

 

(株)日本海隠岐活魚倶楽部
TEL08514・6・1385
FAX08514・6・1387

(株)ふるさと海士
TEL08514・2・1105
FAX08514・2・1106

県しまねブランド推進課
TEL0852・22・5122
FAX0852・22・6859

 

 


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