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古代出雲神話のふるさと島根

平成24年は、島根にまつわる神話が多く記された日本最古の歴史書「古事記」ができてから1300年目にあたります。
翌25年には、出雲大社の祭神・大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)を本殿に奉る正遷座(しょうせんざ)が行われるなど
古代島根にまつわる話題が、相次ぎます。
島根県ではこうした歴史的な機会に合わせ、今年度から神話のふるさと・島根を全国にPRする事業をスタートします。
県民のみなさんも、古代ロマンあふれる島根の奥深い魅力に触れてみませんか。

古事記、日本書紀というわが国を代表する歴史書物の中には、出雲地方などを舞台にしたさまざまな神話が記され、
古代の島根が日本の中でも特別な地域であったことがうかがわれます。

県立古代出雲歴史博物館収蔵の写本
出雲地方などにまつわる神話が数多く記されている古事記などの歴史書
(写真は県立古代出雲歴史博物館収蔵の写本)

古事記


奈良時代、天武天皇の時に、稗田阿礼(ひえだのあれ)が暗誦(あんしょう)していた帝紀(天皇の系譜)と旧辞(古い伝承)を大安万侶(おおのやすまろ)が書き記し、712年(和銅5年)に献上した日本最古の歴史書。
全3巻のうち、神々の物語を描いた上巻の3分の1を、出雲に関わる神話が占めています。
中でも有名なのがスサノオのヤマタノオロチ退治の話。神々が住む天上界を追放されたスサノオは出雲の斐伊川流域に降り立ちます。
そこで涙を流す老夫婦に出くわしたスサノオは、その原因が体に8つの頭と尾を持つ山の精霊ヤマタノオロチに娘を生け贄(にえ)として捧げなければならないことにあると知ります。
スサノオはオロチ退治を約束し、強い酒でオロチを酔わせ、長い剣で斬って退治しました。

日本書紀


古事記と同じ奈良時代の720年に、国家の正式な歴史書として編さんされました。
神の時代から持統天皇までの朝廷に伝わった神話や伝説、各種記録などが記述されています。
神話の部分について、たとえば、出雲などが舞台になった国譲り神話の場面では、
国を譲るように要求してきた高天原(たかまがはら)の使者に対してオオナムチ(古事記で言うオオクニヌシ)は堂々と対峙(たいじ)し、
目に見える世界のことは天上の神々に委(ゆだ)ねるが、目に見えない世界は自分自身が責任を持って守り抜くと主張し、
「天の日隅宮(あめのひすみのみや)」(出雲大社)の創建を約束させたとあります。



古事記、日本書紀と並び、出雲国風土記にも、古代の出雲を描いた神話が数多く採録されています。

出雲国風土記


奈良時代、中央政府は、各地の地名の由来や土地の様子、特産物などを記録した地誌の編さんを諸国に命令しました。
こうして諸国から報告されたものが風土記です。
現在、風土記は5カ国のものが伝わっていますが、完全な形で残っているのは出雲国風土記だけです。
その中で、有名なのが国引き神話。
これは、古代の出雲国(現在の島根半島)は土地が小さかったため、神様が朝鮮半島や隠岐、北陸地方などから余った土地を4個所引っ張ってきてつなぎ合わせたという話です。
引き寄せた土地をつなぎ止める綱が、「薗(その)の長浜」(稲佐の浜から南に続く海岸)と弓ヶ浜、綱をつなぎ止める杭が、三瓶山と大山だとされています。
実にスケールの大きな神話です。

古代の出雲を知るための一冊

神々と歩く出雲神話の写真

神々と歩く出雲神話
(藤岡大拙著、NPO法人出雲学研究所編、1260円、NPO法人出雲学研究所)
国引き、黄泉の国、ヤマタノオロチ、オオクニヌシ神話、国譲りなど、5つの代表的な出雲神話を取り上げて紹介。
それぞれの神話にゆかりのある地域が写真や地図で紹介されており、本を片手に現地を訪れることもできる。
出雲をこよなく愛する著者の平易な文体と滋味あふれる記述が読者の心をとらえる。

 

新修・日本の神話を考えるの写真

新修・日本の神話を考える
(上田正昭著、1995円、小学館)
そもそも神話とは何なのか、古事記や日本書紀の神話と出雲国風土記の神話の根本的な相違は何なのかといった問題を、歴史学・民俗学・考古学などさまざまな分野の方法論を駆使して書き記した名著。

 

古代の出雲事典の写真

古代の出雲事典
(瀧音能之著、6090円、新人物往来社)
出雲に伝わる神話や出雲国風土記について、基本事項の説明から研究の現状までをやさしくかつ簡潔にまとめた事典。
出雲古代史に関心を持つ人や、現地を歩いてみたい人、これから研究を始めたいと思っている人に恰好の入門書。

 

古事記の写真

古事記
(山口佳紀、神野志隆光校訂・訳、1890円、小学館)
最先端の古事記研究の成果をわかりやすく紹介した一冊。
原文に加え、現代語訳やあらすじまで書かれており、初心者でも古事記の世界に足を踏み入れやすい構成となっている。

 

口語訳古事記人代編・神代編の写真

口語訳古事記人代編・神代編
(三浦佑之訳・注釈、人代編720円、神代編630円、文春文庫刊)
稗田阿礼は、どのように古事記のもとになる伝承を語り伝えたのか?
本書はそのような視点に立って、古事記を現代語訳した構成。
本書を読めば、読者は稗田阿礼から古事記の内容を聞いているような気分に浸れ、神々の世界をより身近に感じることができる。

 


●お問い合わせ先
神話のふるさと「島根」推進協議会事務局(観光振興課内)
TEL0852・22・5619
FAX0852・22・5580

 

 

 

県立古代出雲歴史博物館


豊富な資料で出雲神話を多角的に紹介するコーナーの写真
豊富な資料で出雲神話を多角的に紹介するコーナー

出雲市大社町の出雲大社そばに立地。
島根の古代文化を、出雲大社、出雲国風土記、弥生時代の青銅器の3つの切り口で紹介するテーマ別展示をはじめ、
古事記や出雲国風土記に登場する神々の物語を実写映像で紹介する迫力満点の神話シアターなどがあります。
出雲神話や古代史ファン必見のミュージアムです。

●お問い合わせ
県立古代出雲歴史博物館
TEL0853・53・8600
FAX0853・53・5350


島根県では今年度から平成25年度まで、「古事記」編さん1300年などに関連するシンポジウムや展示会など盛りだくさんの企画を計画しています。
神話という素晴らしい宝が数多く残る・島根を再認識し、地域の持つ資源に誇りを抱くきっかけにもなるはずです。


お問い合わせ先

広聴広報課

島根県政策企画局広聴広報課
〒690-8501
島根県松江市殿町1番地   
【電話】0852-22-5771
【FAX】0852-22-6025
【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp