• 背景色 
  • 文字サイズ 

ブドウの新品種「シャインマスカット」

食宝しまね発-生産・消費の現場から-
大粒の房が連なるシャインマスカットの畑=県農業技術センター、昨年8月

デラウェアとの複合経営で産地拡大

 

皮ごと食べる大粒のブドウ「シャインマスカット」の生産者が島根県内で着実に増えています。
甘みがあってシャキシャキした食感が消費者から支持され、試験的に店頭に並んだ昨年は、あっと言う間に売り切れる人気ぶり。
島根特産のデラウェアと収穫期がずれるのも産地にとっては好都合です。
関係者は、デラウェアに次ぐ主力産品に育てようと、緑の房に熱い視線を注いでいます。

 

 

無加温栽培が強み
緑色を増した葉が、初夏の浜風に揺れる・・・。
出雲市下横町にある長島一義(ながしまかずよし)さん(68)のビニールハウスでは、シャインマスカットの実が、
ようやく豆粒ほどの大きさまで育ち、これからの実りの季節に備えています。
「大粒の房は、成長が分かりやすいから楽しいよ」。長島さんがシャインマスカットの栽培を始めたのは、
燃料高騰に頭を痛めていた4年前。
ほとんど加温せずに栽培できる品種と知り、試験栽培に挑戦する意志を固めました。
昨年は、300キロを収穫し、初めてまとまった量を出荷。
消費者や市場の評価を聞きました。
「糖度が乗りやすい品種のうえ、皮ごと食べるのでゴミが出ないと好評だった。
樹が成長すれば10アールで2トン近く作れると思う」。
妻・幸子(さちこ)さん(68)との二人三脚で20アールまで栽培面積を拡大した長島さんは、
年を追って樹勢を強めるブドウ園の充実に意欲的です。

 

 

食味良く高値で取引
平成15年に品種登録されたシャインマスカットは、国の農研機構果樹研究所が10年を超える研究期間を経て開発しました。
その間、全国各地で適性試験が行われ、島根県内でも長島さんを含め9戸の生産者が試験的に栽培を始めました。
栽培を指導する県農業技術センター(出雲市芦渡町)の持田圭介(もちだけいすけ)専門研究員(42)は
「主力のデラウェアの補完品種としてシャインマスカットの価値が発揮される」と分析します。
デラウェアの収穫期が4月下旬から7月中旬なのに対し、シャインマスカットは8月中旬から9月上旬にかけて。
労力分散による経営規模拡大は生産者だけでなく、デラウェアの廃園が増え続けている産地にとっても大きな力となります。
香りの良いマスカットと、果皮が薄く肉質の良いカッタクルガンという両品種の長所を受け継ぐシャインマスカット。
農業技術センターが毎年続ける試食会で評価は高まり、9戸が10アールから始めた生産規模は、今では50戸に増え、80倍の8ヘクタールまで拡大しました。
まだ若い樹が多かった昨年は500キロほどの出荷でしたが、1キロ当たりの平均単価は1930円の高値を付けました。
丹精込めてシャインマスカットを育てる長島一義さん。種をなくすため、丁寧に薬剤処理を行う
丹精込めてシャインマスカットを育てる長島一義さん。
種をなくすため、丁寧に薬剤処理を行う

 

 

ブランド化を目指して
良いことづくしの新品種ですが、今後の産地形成をいかにスピーディーに行っていくかが課題です。
山形、山梨、長野、岡山、香川、広島県とライバル産地が多い中で、産地拡大を急ぎ、早く市場の評価を固めることが肝心です。
島根産のシャインマスカットを関西や山陽方面に出荷するJA全農島根県本部(斐川町)は、出荷規格や品質検査の体制を固め、お中元の贈答品などで市場開拓を急いでいます。
全農島根県本部の計画では、平成23年に40トン(約5000万円)を出荷。
新植を進め、25ヘクタール近くまで増えたブドウ園が成園になる平成27年ごろには350トンの出荷規模になると見込んでおり、
デラウェアとの2枚看板の実現が、減産続きだった島根ブドウの復活につながるとみています。
ブランド産品への取り組みは始まったばかりですが、「実が割れることが少ない品種なので、しっかり勉強を重ねれば、新規参入者もとりかかりやすいだろう」と長島さん。
「先人が築いた地盤があったからブドウ生産に取り組めた。次は自分の番」と言い聞かせ、夫婦で育てたブドウ園に足を運びます。

 

長島一義さんのデラウェア畑の写真
長島一義さんのデラウェア畑
大阪府内の果物専門店に並んだ島根産のシャインマスカットの写真
大阪府内の果物専門店に並んだ島根産のシャインマスカット
規格や販路について大阪の市場関係者と意見交換の写真
規格や販路について大阪の市場関係者と意見交換

 

 

メモ

島根県農林水産部農畜産振興課
TEL0852・22・5126
FAX0852・22・6036

 

 

 


お問い合わせ先

広報室

島根県広報部広報室
〒690-8501
島根県松江市殿町1番地   
【電話】0852-22-5771
【FAX】0852-22-6025
【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp