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食宝(しょくほう)しまね発-生産・消費の現場から-

「ワインは農産物」貫く低農薬栽培の安心原料全国にファン、交流催事も展開

雲南市木次町の寺領(じりょう)地区。奥出雲地域の山々を望むのどかな丘陵地に、
有限会社・ワイナリー「奥出雲葡萄園」がある。
低農薬栽培のブドウを使ったこだわりのワインづくりを続けながら、
ワインファンの交流催事なども手掛け、県内外に「奥出雲ワイン」の名を広めつつある。

自社農園のブドウ畑で、収穫を前にしたブドウ樹の写真
自社農園のブドウ畑で、収穫を前にしたブドウ樹

安心求め「食の杜」


葡萄園があるのは、シンボル農園「食の杜(もり)」の一角。
今ほど消費者の「食の安全」への関心が高くなかった平成2年、
「自然に逆らわず、安心して食べられるものを作りたい」との志を共有する農家、
酒メーカーや卸業者などの有志が寄り合い、誕生した。
「生産者、メーカー、流通が一体となった農工商のコラボレーションとして、
当時画期的だった」。パスチャライズ牛乳(低温殺菌牛乳)など自然の素材を大切にした食品づくりで知られ、
木次乳業の社長も務める佐藤貞之(さとうさだゆき)社長(60)は語る。
当初は、ブドウの有機栽培からスタートし、醸造免許を取得。
「ワインづくりのワの字も知らなかった素人集団」(佐藤社長)だったが、設立から2年後の平成4年に初めてワインを醸造。
現在、食の杜をはじめ町内の2.2haの自社農園で、山ブドウ交配種のホワイトべガールや、欧州系のシャルドネなど10品種のブドウを栽培。
主力商品の「奥出雲ワインロゼ」や「奥出雲ワインシャルドネ」などに加え、春と秋の季節限定ワインなど12種類醸造する。



6年連続入賞の快挙

 

同社のコンセプトの一つが「農産物としてのワイン」。刈草や牛ふん堆肥(たいひ)を使った土づくりのほか、
除草剤をまったく使わないなど、極限まで農薬使用を抑えた安全・安心の原料づくりを大切にする。
また、ブドウ樹が雨にぬれると病気を引き起こすカビが広がりやすいため、
春先から秋にかけてビニール屋根で覆うなど、細やかな工夫も。
そうしたワインづくりが実を結び、国産ワインコンクールで6年連続入賞という快挙を成し遂げ、
県内外のワイン通にまで広く知られる存在になった。
「とにかく、すごいことをやっているわけではない。地道な取り組みの結果」と数人のスタッフと醸造を切り盛りする
ワイナリー長の安部紀夫(あべのりお)さん(45)。
「甘いだけの観光みやげ用ワインでなく、食事とともに楽しむというワインの基本に立ち、
地域の食文化の中に溶け込む商品を目指したい」と熱っぽく語る。

 


地下貯蔵庫で眠るワイン樽の写真
地下貯蔵庫で眠るワイン樽

 

地域の食や文化と一体

 

年間製造量は4万本と、他のワイナリーと比べて多くないが、ワインの品質を追求しながら
「食」や「農」の在り方にも目を向けてもらうための試みにも挑戦したいという。
製造棟に併設した山小屋風の交流館では、旬の地元野菜を使った料理が楽しめるゲストルーム(レストラン)で、
四季の風景を眺めワイングラスを傾けることができ、地下ギャラリーでは通年で15回程度の展示会を催し、
年間3万人の来場者がある。
また、4月には市内外からの家族連れなど約1000人でにぎわうワインパーティー、
秋にはシャルドネ収穫祭を開催。地域の食や文化と一体となったワインづくりを目指す。
食の安全が叫ばれる今、奥出雲の山里で、ワインづくりを通して「食」と向き合う姿が、確実に支持を広げつつある。

大勢の家族連れでにぎわうワインパーティーの写真
大勢の家族連れでにぎわうワインパーティー
自社農園のブドウ畑。右奥が山小屋風の交流館の写真
自社農園のブドウ畑。右奥が山小屋風の交流館

【メモ】

雲南市木次町寺領2273-1
TEL0854-42-3480

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