コレクションしまねの宝もの
よりすぐりの島根の宝物を紹介します。
石見銀山ゆかりの古丁銀(こちょうぎん)
古丁銀(こちょうぎん)とは、ナマコの形をした16世紀の銀の貨幣です。写真の三点はみな、石見銀山から掘り出された銀を使ってつくられました。
「御取納丁銀(おとりおさめちょうぎん)」は、毛利元就(もうりもとなり)が正親町天皇(おおぎまちてんのう)の即位料として朝廷に献納したもので、その控えとしてこの一枚のみ残っています。
「御公用丁銀(ごくようちょうぎん)」は、毛利氏から朝廷・幕府への献納に用いられました。
「石州文禄丁銀(せきしゅうぶんろくちょうぎん)」は、極印(ごくいん)から石見銀山産の銀によって製作されたと分かります。
これら石見銀は、今も四百年以上の時を超えて輝きを放ち、われわれを魅了しています。
古丁銀
所蔵:島根県教育委員会
時代:御取納丁銀=16世紀半ば、御公用丁銀=16世紀後半、石州文禄丁銀=1593年
(裏面)
この「古丁銀」は、9月24日(月)まで島根県立古代出雲歴史博物館で開催中の「石見銀山展」会場で展示しています。
勾玉(まがたま)・管玉(くだたま)
古代の出雲は、全国でも有数の玉生産地で、約百カ所の玉作り遺跡が発見されています。
今もメノウ細工が行われる松江市玉湯町には、原材料となる良質なメノウ・碧玉(へきぎょく)を産出する花仙山(かせんざん)があり、周辺には玉作り遺跡が五十カ所以上も集中し、まさに出雲における玉作りのメッカでした。
松江市宍道町の上野1号墳から出土した赤色の勾玉は、メノウ製で透明感のある美しいもので、濃い緑色の管玉は、しま模様が華やかな碧玉製です。ともに花仙山産と考えられます。
勾玉や管玉は、単なる装飾品としてだけでなく、古墳の副葬品など権威の象徴として扱われました。その神秘的な輝きは、まさに古代の出雲を象徴していたと言っても過言ではないでしょう。
島根県指定文化財(考古資料)
松江市上野1号墳出土勾玉(まがたま)・管玉(くだたま)
出土地:松江市宍道町
所蔵:島根県教育委員会
時代:古墳時代(4世紀)
玉作り工房内での玉作りの様子(安来市大原遺跡の玉作り工房跡をもとにした復元模型)
この勾玉・管玉と工房復元模型は、古代出雲歴史博物館総合展示室で展示しています。
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