9月29日質問事項2

2原発
○日本経済新聞:ちょっと別の話題でよろしいでしょうか。
原子力発電の話なんですけれども、もんじゅの廃止が国が方針出しましたけれども、核燃量サイクルにかなり影響があるという意見がありますが、知事は、このことは島根原発の再稼働も含めて、島根県にとってどういう影響があるかということを今の段階でどう考えてらっしゃるんでしょうか。
○溝口知事:それは、やはり政府が核燃料に伴ういろんな不純物、整理をしていかなきゃいかんわけですね。そのためにもんじゅというもの、それを活用していこうという考えで来たわけですね。だから、それにかわるものは今のところはないんじゃないでしょうか。だから、そういうもんじゅの問題については、政府はやはり責任を持って考えてもらいたいというのが私の考えですね。
○日本経済新聞:いろいろ新聞紙上でも対論してます。地元の自治体は残してほしいというのはあるんですけれども、知事としては、島根県にとって継続してほしいというふうに強く思われるのか。
○溝口知事:地方自治体というか、国全体としても困るでしょう。
○日本経済新聞:はい。
○溝口知事:原発、原子力発電を続けながら、出てくる廃棄物をちゃんと減らしていく手段がなきゃいかんわけでしょ。それがもんじゅという位置づけでしょ。
○日本経済新聞:位置づけですからね。
○溝口知事:そこは原発を続けていく以上、そういうものについて一定の解決策が必要だろうというふうに思いますね。
○日本経済新聞:それは、ごめんなさい、もんじゅという、国は方針を出しましたけども、努力をして続けるべきだというお考えなのか、あるいは核燃サイクル全体を維持するために、新しい、何でもいいからやるべきだというか、どういうふうに考えたらよろしいんでしょうか。
○溝口知事:外国に頼む以外には余りないでしょう。
○山陰中央新報:済みません、今の関連ですけども、外国というのは、いわゆる外国の同じような炉があって、アストリッドとか言われてますけども、ああいうもののことを指してらっしゃったんでしょうか。
○溝口知事:いや、わかりませんよ。要するに外に持ち出すということですよね。あるいは地中に埋めるというようなこともあるでしょうが、ただ、そのものが安全なのかどうかちゅうのはよくわからないでしょう。
○山陰中央新報:今、核燃サイクルの中核がもんじゅだったんで、今のような答弁をおっしゃってるんですけども、もう一つの柱で、柱と言っていいかわかりませんが、プルサーマルという手もあるんですが、これを政府はとるという手もあるんですが、そのあたりはいかがですか。
○溝口知事:プルサーマルを活用するためには、もんじゅのような施設が必要だということじゃないですか。
○山陰中央新報:いずれにせよ、これでちょっと方向が変わっていくので、今後の国が考える核燃料サイクル政策の展望、もしくは方向性というのは、改めて示してもらいたいということですね。
○溝口知事:そうですね。原子力関係の閣僚会議というのがあるわけですから、そこでしっかり議論をして、方向づけをきちっとしていただく必要があるというふうに思いますね。
○山陰中央新報:ちょっと前段の話で、廃炉になるという前提なんですけども、一方で、1兆円とも言われる大事なお金が使われて、それがうまいぐあいに、ほぼ稼働しないまま、だめになってしまうということなんですけど、そのあたりについて、何か、ちょっと残念とか、どういった受けとめをそもそもされたのか。
○溝口知事:日本のこの専門家が集まってやってるわけですけれども、なかなか解決できないわけですよね。冷やすためにナトリウムを使って、ナトリウムの処理というのがなかなか難しいという状況じゃないでしょうか。
○中国新聞:これまで巨額の国費を投じてきて、稼働実績がなかなかないということで、当然、知事も国の財政のほうには明るいと思いますけど、やっぱりそういうお金を、コストをばあっとかけ続けて、これからもかけ続けなきゃいけないという採算性といいますか、そこにはやっぱり問題があったという、今振り返ってみると、思われますか。
○溝口知事:だから、それは技術の問題であり、いろんな問題が絡んでいるわけですから、どこがどうだということをなかなか我々のレベルで決めつけるわけにいかないですね。やはり政府が責任を持って問題点をチェックをし、有効な方法を考えていただくということですね、我々の立場としては。
○山陰中央新報:それは、やっぱり原発を国策として進めているという前提があって、もともと原発を捨ててしまえば、このサイクル自体は考えてなくてもいいということも一つの大もとからちゃぶ台返しみたいなことになるんですけども、ではなくて、今政府がそれを、原発をベースロードといって進めている以上は、そういった責任を持つべきでしょうと。
○溝口知事:そういうことですね。
 

○NHK:済みません、核燃料サイクルのことでもう一度ちょっと教えていただきたいんですけども、プルサーマルを推進するためにももんじゅが必要だというお考えなんでしょうか。
○溝口知事:それはちょっと技術的なことなんで……。
○NHK:先ほどちょっとお答えになったところで、ちょっと疑問に思ったのが、そもそもプルサーマル計画というのは、もんじゅが挫折したから、その行き場を失ったプルトニウムをどう利用するかというところで注目されたのがプルサーマルなので、もんじゅが、プルサーマル計画を進めるためにもんじゅが必要だというようなロジックはちょっとおかしくって、もんじゅがなくなった場合は、恐らくプルサーマルを推進しないと、たまったプルトニウムの行き場がなくなってしまうということになると思うんですけども、その場合、もんじゅがなくなった場合、もんじゅが廃炉になった場合なんですけども、島根県でもプルサーマル、より推進すべきだというお考えなんでしょうか。
○溝口知事:その辺まで、私自身も明確な答えを持っているわけじゃありませんね。
○NHK:国に対しては、そのあたりのお考えを問いただすおつもりはありますでしょうか。このプルトニウムの処理をめぐって、例えばどう考えているのか。
○溝口知事:そこの問題は、核燃料サイクルを推進するとかどうかという話は政府がやっておりますから、我々が十分内容を知っているわけじゃありませんから、あんまり具体的なところまで、私、明快な答えができるわけじゃありませんが、政府としては、高速炉の研究開発には取り組むという方針は堅持すると言っておりますから、政府の動向をよく注視をするというのが我々の立場ですね。
○NHK:知事としてのお考えはどうですか。そもそもプルサーマル計画が注目された経緯を考えると、もんじゅが廃炉になると、さらに一層プルサーマルを推進しないといけないと、全国の軽水炉でMOX燃料を燃やさなきゃいけないというふうなエネルギー政策にもなるかなと思うんですけれども、その辺について、知事はどのようにお考えなんでしょうか。
○溝口知事:そこはちょっと私、明快な返事ができません。
○NHK:国に対してそのあたりの考えを問いただしていくおつもりはありますでしょうか。
○溝口知事:ええ、それはこれからいろいろ政府の考えを聞いてみたいと思います。

○山陰中央新報:済みません、先ほどもんじゅの関連の質問の中で、最後のあたりに、今後の核燃料サイクル政策の方向性について、これから聞いていきますというようなお話だったんですが、もんじゅの方向性自体が年内に出てくるということなので、その間に知事が直接聞くチャンスといったら、経産省が多分対象になるんですけども、例えば来年度予算編成の要望等をされていかれるときとか、いろんな機会に上京される機会があると思うんで、そういうときに、今どうなってますかというようなことを聞かれるのか、それとも、わざわざこのことだけに上京されて聞かれるということはあるんでしょうか。
○溝口知事:今のところ、前者でしょうね。
○山陰中央新報:わかりました。
○NHK:済みません、今週の火曜日に中国電力が島根原発の1号機の廃炉に関係して、燃料プールでちょっとシビアアクシデントが起きたときの計算にちょっと誤りがあったと。これまでは、全ての水が瞬時に喪失した場合に、燃料の表面温度が260度ぐらいになるのが、100度上がって、360度になりますというのがちょっと説明会、自治体説明会で発表されたんですけども、これは知事には報告はありましたでしょうか。
○溝口知事:聞いてますよ。
○NHK:これはいつごろ連絡がありましたでしょうか。
○溝口知事:いや、数日前ですかね。規制委員会に報告したわけでしょ。
○NHK:はい。
○溝口知事:100度高くなるということを。そういう事情の変更がありますから、それは中国電力のほうが、住民といいますか、地元の方々に説明をしなければという考えであるということは聞いてますけどね。
○NHK:今回の、これはもともと計算式に、シビアアクシデントのシミュレーションをやるときの計算式に誤りがあったということで、その使用していた計算式を発行しているアメリカの電力研究所のほうから、7月の下旬にコードに誤りがあったというふうに連絡があったらしいんですけども、県に対してそれの連絡があったのがその2カ月後ということで、県としては、廃炉計画、廃止措置計画の申請に事前了解をしているんですけども、コードに誤りがあったことから2カ月後にようやく報告が県のほうにあったということについては、知事はどういうふうにお考えでしょうか。その間2カ月。
○溝口知事:ちょっと私も承知してませんけども、まず、規制委員会の報告してということはあったんじゃないですか。その上で関係の地域の人たちも説明しなきゃいかんということになって、それで、県のほうにもそういう話が来たということです。
○NHK:最初に、コードに誤りがあるというのを中電のほうが先方から、電力研究所か何かの連絡で知ってから2カ月後に県に連絡があったことについては、この2カ月というタイムラグについては、仕方がないというか、別に問題はないというふうにお考えでしょうか。
○溝口知事:それは早いほどいいかもしれませんが、何かミスというよりも、使ったデータのとり方によったわけでしょ。それから、規制委員会にまず報告してというのが必要なことでありますね。それから、要するに核燃料棒が千何百度になるまでは問題がないという話でもあり、今度は260度が360度に変わったというようなことだったという事情もあるんじゃないでしょうか。それが1,000度に上がるとか、そういう問題があるような案件ですと、もうちょっと早い対応が、あるいは必要だったかもしれませんね。

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