2月18日質問事項3

3「核のごみ」問題と原発再稼働
○山陰中央新報:知事、済みません。核のごみの問題なんですけれども、最終処分場の地域はまだ決まってないっていう段階で、ずっとまだ国も問題を先送りしているという状況があるんですけども、これから原発も再稼働していく中で、この問題というのはもう早く解決、早期解決していかないといけないと思うんですが、知事のお考えというのをお伺いできますか。
○溝口知事:その問題も大変大事な課題ですけども、関係者も多いわけでありますし、基本的にエネルギー政策の中で原発をどう取り扱うかという文脈の中で、この問題は取り組んでいくほかないですね。
○山陰中央新報:その中で、今、国もこれまでの公募というところから、地域を選定して依頼するという方向に持っていく方向性を出しておるんですけれども、本当にそういったやり方で受ける側もできるのかっていう課題もあろうかとは思うんですが、知事としては。
○溝口知事:それはいろんな課題がありますが、今こうしたらこれで解決するというような案はないんじゃないですか。
○山陰中央新報:知事として、この問題、どういうふうに、国が主導でやっていかんといけんわけですけども。
○溝口知事:それはやはり国のエネルギー政策の中の一つですね。
○山陰中央新報:済みません、さっきの核のごみの話で、いずれ判断する再稼働のときに、核のごみをどうするかっていう道筋がついているかどうかというのは、一つ、再稼働の判断になるというふうに考えてらっしゃいますか。
○溝口知事:そこは、今までのような規制委員会の、今の政府の立場は、規制委員会の基準を満たせば稼働を検討していくということじゃないですか。
○山陰中央新報:それは規制委はそうなんです、はい。
○溝口知事:だから、政府の立場はそういうことですね。政府の立場に対してどういう意見を言うかというのはあると思いますよ。それはやはり私が言っていますように、周辺自治体、立地自治体の意見でありますとか、いろんな人の意見を総合的によくお聞きして、総合的に判断をし、議会の了解も得て最終決定するということでありまして、私個人がこの問題をどうするということは、それは専門家の意見などもよく聞いて判断していきたいということで、今の時点でどうこうということは思ってません。
○山陰中央新報:ただ、問題であるということは、知事としても認識持ってらっしゃって、その再稼働をどうするか等の判断のときに、その議論はしなきゃいけないというふうに思って。
○溝口知事:それは、こういう技術的な話について私が特別な知見を持っているわけじゃありませんから、専門家の意見をよく聞いたり、県民の方の意見を聞いたり、いろんな上で判断をするというのが私の立場ですね。こういういろいろ意見が違う問題については、そういう方法でやることが適切だというのが私の考えです。
○NHK:知事、関連なんですけれども、日本の科学者の代表者で組織されてる日本学術会議という内閣府の特別機関があって、そこで来月、3月にもまとめる国への提言の中で、新たな核のごみが発生する原発の再稼働を判断する際には、電力会社が暫定的に保管する施設を確保することを条件にすべきだというふうにしているんですけれども、今の現状でいうと、核のごみが無制限にふえていって、歯どめがきかない状況が今の現状で、原発が再稼働したらまた核のごみがふえていくっていう状況が続いてて、それをどういうふうに処分するのかって決まってないと思うんですけども、やっぱりその暫定的に保管する施設とかっていうのが最終的に決まるまでは必要かなと思うんですけれども、もしそういう施設をつくる際に、島根県内でつくるとかっていうことになった場合、知事はどのような考えをお示しになられますか。
○溝口知事:私はまだそういうところまで判断をする意見を聞いてませんね。そういう問題は、やはり基本的にエネルギー政策の中で原発というものをどういうふうに取り扱っていくべきかという議論の中で議論するほかないわけです。それはやはり政府の中でどういうふうにしていくかということを主体的にお決めになる必要がありますね。我々はもちろん一般市民としていろんな意見を言うことは可能ですよ。ただ、知事としては、県を代表して言う場合には県民のいろんな意見をよく聞いた上でやる必要がありますね。私個人で答えるわけにはいかない。
○NHK:でも、再稼働というタイミングが来た場合に、それに同意するか同意しないかっていうことを島根県としてもしなきゃいけないと思うんですけども、再稼働に仮に同意するってなった場合、核のごみっていうところもやっぱり考えなきゃいけないと思うんですけども、やっぱり暫定的な保管施設みたいなものは必要だと思うんですけど、知事としては、それは誰がつくるべきだというふうに。
○溝口知事:それはやはり国に確認しなきゃいかんですね。
○NHK:どういったことを確認されるんですか。
○溝口知事:それは稼働の問題とどういうふうに関係してくるかということでしょう。それは島根県だけの話じゃありませんけど、国全体としてどう考えていくべきかという話。それぞれ役割の分担があるわけですよ。
○NHK:役割の分担はあるんですけど、やっぱり。
○溝口知事:だから、知事としてという場合には、それは県を代表して言うわけですからね、いろんな人の意見もよく聞いて、こういう問題は、何か計算式のように答えがぱっと出るわけじゃありませんから、一人一人によっていろんな考えが違うわけです。原発そのものについても違うわけです。だから、そういうときには多くの関係者の意見もよく聞いて対応するということ、それから我々素人だけじゃなくて、そういう技術的な問題については専門家の考えをよく聞く、それから政府には政府の考え方をよく県民の方々に説明をしていただく、そういう中で決めていくしか方法はないと思います。

○毎日新聞:知事、済みません。今のお話で、前提として確認しておきたいんですけれども、使用済み核燃料ですね、核のごみという使用済み核燃料とか、それを処理したものですけれども、そういうものについて先ほど日本学術会議が今後提言するような暫定的な保管施設というのは必要だというふうに思われますか、必要じゃないと思われますか。
○溝口知事:そこは私はそういうことを判断する知見をまだ有してませんから、よくそれは、どういう状況になれば必要なのか、なぜそうなるのか、そういうことをよく聞いた上で考えなきゃいかんと思ってます。
○毎日新聞:ただ、でも現状、島根原発の使用済み燃料が入ってるプールもどんどんといっぱいになって、近年はとまってますけれども、どんどんたまっていってるという状況というのは以前から言われていた話でありますし、現状でそういうことについての知見がないというふうにおっしゃられると、それはそれで、これまでその辺の部分に対して何も知事が考えてなかった、初めて知ったみたいな感じに聞こえるんですけれども。
○溝口知事:そんなことないですよ。そういう問題があるというのは当然のこととして承知しておりますけれども、だけど、それをどういうふうな状況でどういうふうにしてという判断は、それは責任ある人がやる必要がありますね。
○毎日新聞:それは、島根県としては政府なりが決めたことに対しては。
○溝口知事:決めたじゃなくて、政府の考えをよく聞いた上で、専門家の意見も聞き、県民の意見も聞いた上で判断をしていくということだと思いますよ。
○毎日新聞:知事のお話を聞いていると、政府が何か決めるときに対して、島根県として何か意見を言うのではなく、政府が決定したことに対して島根県は従っていくというふうな感じに聞こえますけども……。
○溝口知事:いや、そうじゃありませんよ。
○毎日新聞:何か国が決定していくことに対して、島根県として意見を言って、島根県の意見を反映させていこうというようなお考えで……。
○溝口知事:島根県の意見を聞くときには、県民の意見を聞かないといかんのじゃないですか、いろいろな。
○毎日新聞:いや、だから、国のとおっしゃるときに、だからそういうふうに聞こえるんですけれども。
○溝口知事:私は知事の立場にありますけれども、私の意見を言うときには、やはり県民の方々だとか、あるいは国の考え方を県民にも国から説明してもらい、専門家の意見も聞いて、やはり対応しなければいけないと思いますよ。私は、だから知事を離れて一般市民としてどうかというときには、それはまた別の話ですね。
○山陰中央新報:知事、お伺いしたいのは、再稼働を判断するときに国の考え方なり核のごみに対して、その道筋なりというのが示されていることが必要だっていうふうにお考えになりますか。
○溝口知事:そこは要するに何をどうするかというところについて、国の説明を聞いてませんからね。
○山陰中央新報:だからその再稼働、今はどっちになるかというのはまだ決まってない話なんで、その再稼働を判断するとき、ある程度道筋がついてないといけないような状況に……。
○溝口知事:それはいろんな状況も見て判断するんでしょうね。
○中国新聞:知事、国の説明を聞いてないというふうによく言われるんですけども、こういう問題って、説明を聞くとかいうレベルじゃなくて、誰がどう見ても、さっき言ったみたいに核のごみがどんどんふえ続けて処分地がないという、これ明らかな状況がこうしてあるわけで、島根に原発があると。で、動けば動くほどごみはふえますと。そういう中で、稼働を判断するのは最終的には知事なわけですから、そこで知事がその核のごみの問題がやっぱり、もう少し処分地が決まるとか、そういうことがないとそこには同意できないとかっていうのは、全然僕はありだと思うんですよ。だから、知事がそういうふうな考えを持っとかれるということは非常に大事なことだと思うんですけど、何でもかんでも国の説明を聞いてからっていうことではなくて、今の時点でこういうのが非常に問題になってるので、その核のごみの問題について、ちゃんとした解決の道筋が示されることが、例えば同意する条件になるとか、そういうお考えは今のところないですかというのを聞いてるんですけど。
○溝口知事:その話は今政府がどうするかということが決まってるわけじゃありませんしね。だけど、先行事例を見ますと、そういうことはありませんね。
○中国新聞:そういうことがないっていうのはどういうこと。
○溝口知事:川内原発の問題、あるいは高浜ですか、そういう中ではそういう議論、現実に出てないでしょう。
○中国新聞:現実出てないんですよ。だから、出てないから、今のままいくと、規制委員会の規制基準に適合して、それが政府としては再稼働の条件と言ってるので。
○溝口知事:それはそういう意見があれば、我々も当然、あればというか、考えてまいりますけれども、そこはやはり県内の意見をよく聞いた上で判断するということでしょう。だから、例えば私どもはまずやっぱり議会の意見を聞かなきゃいかんですね。私がだから空白で何かを決めればという問題じゃないですよ。こういうふうに意見の違うような問題、あるいは専門的な知識が必要な問題については、それぞれのいろんな意見を総合して考えるということですよ。その問題にしても、周辺自治体の意見も聞かなきゃいかんですね。

○中国新聞:このままいくと、その問題は多分特になかったことにされて、それがなくても再稼働していいですよというふうに、このままいくとそういう流れになってるわけですけども、それでいいのかどうか、そういう問題提起だと思うんですけど、そこについて、まず周辺の意見を聞くのはわかるんですけど、知事として、まずこうだというふうに持った上で周辺の意見を聞くというのが普通だと思うんですけど、知事は全く白紙の状態から聞いていくっていうことじゃないですよね、普通は。
○溝口知事:それはいろんな意見は意見として聞いていくということですよ。
○中国新聞:それは知事としてこうだというのは出さないんですか。
○溝口知事:政府の見解もよく聞かなきゃいかんでしょうね。
○中国新聞:ですから、今のところ政府は。
○溝口知事:その問題について、政府はどういう対応をされるのかということについては。政府の見解は、まだ出てないんじゃないですか。
○NHK:政府の見解も出てないんですけど、でもやっぱり長年原発を抱えてきた立地県として、核のごみについてこう思うっていうような意見を出すということは僕、大切なことだと思うんですけど。
○溝口知事:それは一般的には出してると思いますけどね、ちょっと確認しなきゃいけませんが。
○NHK:いや、その暫定……。
○溝口知事:それは知事会などでも多分そういうことは言っておると思いますよ、原発の問題に関連しまして。
○NHK:いや、こういう形で今、暫定施設をやっぱり再稼働の条件にすべきじゃないかっていう専門家の意見とかもこう出てきてる中で、そういうことに対して政府抜きで、県民の意見聞くとかっていうことも抜きで、知事としてどういうふうにお考えになられるのかというのは、これから島根原発2号機も今安全審査を受けてるような状況ですから、いずれ再稼働になるかもしれないわけで、やっぱりそういったところも立地県としては考えていく必要があるのではないのかなと思うんですけど、いかがですか。
○溝口知事:例えばそれが国の方針としてもう明確にされてるわけですね、エネルギーの基本計画などにおいて。そういうところで、例えば国会の議論でそういう詰めた議論は余りお聞きしませんけども、立地自治体としては、県では関係自治体と情報交換などもしておりますし、あるいは知事会として原発の問題についていろんな意見も申し上げておりますけれども、多分そういう長期的な話については、何らかの形で政府にも提言をするといいうこともあったと思いますよ。今ちょっと詳細に覚えていませんけども。そういう段階だと思いますね。
○山陰中央新報:再稼働を判断するときに、核のごみの問題について、例えば有識者に聞いたりとか県民の意見聞いたりとか、周辺の自治体もそうなんですが、そういうふうな議論はしていかなきゃいけないというふうに思っていらっしゃる。
○溝口知事:それはありますね。専門家へもよく聞いていきたいと思います。
○山陰中央新報:そういうふうな問題であるという、知事としての問題意識は持っていらっしゃると。
○溝口知事:それは当然持ってますね。それは前からこの問題はあるわけでしてね。
○山陰中央新報:済みません、議論をする際に、国としての考えというのがないと、今の段階で知事は言えないという。

○溝口知事:いやいや、いろんな意見があるから、私個人の意見として、知事として言うことは適当じゃないと思ってます。私は要するに、私が発言する場合は、やはり知事として発言するんであれば、そこら辺はきちっと整理をして、専門家の意見を聞いてやらないといかんだろうと思います。
○毎日新聞:済みません、確認ですが、先ほどの話、再稼働の判断のところで、核のごみについて専門家であるとか周辺であるとか県民、県議会なんかへの意見は聞くわけですね。意見を聞く場というのをつくるおつもりだということですか。
○溝口知事:いや、そうじゃないですよ。いろんなチャネルで聞けますから。
○毎日新聞:いろんなチャンネルで聞く。
○溝口知事:聞けますっていうことです。
○毎日新聞:聞けます。
○溝口知事:必要に応じまして。
○毎日新聞:じゃあ、先ほど必要だと感じてらっしゃるというふうに他社さんの質問に対する回答でおっしゃったので、そういう場をつくるというふうな理解をしたんですけど。
○溝口知事:いや、場をつくるというよりも、それぞれの、例えば専門の顧問の方々に聞いたり、あるいは立地自治体、周辺自治体の意見聞きますからね、原発の問題で再稼働をどうするか、事前了解どうするかというような段階では。
○毎日新聞:つまり、それは事前に聞くシステムというのは、安全協定を結んでいない周辺3市も含めてつくられたので、そこに対していろいろ意見を聞かれるという流れというのはあると思うんですけれども、そのときは、再稼働についてどう思われますかと聞いて、そこに核のごみについてどう思いますかというふうに県のほうから積極的に聞くということではなくて、周辺自治体、立地自治体から核のごみについての意見が来れば、それについて考えますという意味ですか。
○溝口知事:まあそれは状況に応じて考えます。
○毎日新聞:聞く可能性もあるということなんですか。
○溝口知事:あるでしょうね。状況に応じてそれは考えます。
○毎日新聞:そういう場合というのは、そういう場合は先ほどから国の方針というふうに知事はおっしゃっていますけれども、そういうような場合になれば、じゃあ国に対して核のごみについて今後どういうふうに考えてますかというような照会は。
○溝口知事:それは聞いていきますよ。
○毎日新聞:されるんですか。
○溝口知事:はい。
○毎日新聞:それをもとに県内で議論していく。
○溝口知事:例えば国の見解も聞いた上で、それについても関係の方々、意見違うでしょうからね、それは当然聞いていくということになると思いますね。
○山陰中央新報:知事、済みません、核の問題の話でちょっと確認なんですが、国のその見解が出た段階で周辺とか専門の方のお話を聞かれるということなんですけども、見解というのは、先ほど話の中でもあったんですけれども、暫定的な保管の問題であったり、そうした考え方ということでよろしいんでしょうか。
核の最終処分の問題で、国の見解が出た段階で関係の方に……。
○溝口知事:今特別に決めてるわけじゃなくて、必要に応じてやります。
○山陰中央新報:見解というのも、これだけ問題がある中で、やっぱり政府としても早く示してほしいというお気持ちはありますか。
○溝口知事:ありますね、もちろん。

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