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没後200年/不昧公と茶の湯文化

京都や金沢と並んで「お茶どころ」とされる松江。作法を気にせず家庭でお茶を点てたり、あわせて四季折々の和菓子を楽しんだりと、暮らしの中にお茶が香ります。

その独特なお茶文化を語るときに必ず引き合いに出されるのが、松江藩7代藩主の松平治郷(不昧)です。

ニンジン栽培などの産業を興して藩財政の再建に努めた不昧は、一方で一流の文化人として名高く、分けても茶の湯に対する造詣の深さには格別のものがありました。

江戸時代後期になって遊芸化していた茶の湯に、利休の「わび・さび」を厳しく求め、型にとらわれない独自の茶風を打ち立てた不昧。茶道具の目利きとして「美の基準」を定めたとも評され、ゆるぎない審美眼で集めたコレクションの目録「雲州蔵帳」などの著作は、後世の数寄者のバイブルとして今なお至高のものです。

茶器のみならず、その目にかなった美術工芸品や銘菓は「不昧公好み」と呼ばれました。それらは没後200年を経た現在も色あせず、この地に息づいています。


不昧の肖像画の画像
不昧の肖像画(月照寺蔵)


観月庵(松江市北田町)

観月庵の写真


松江城の鬼門を守る普門院。その境内には三斎流の茶室があり、不昧もしばしば堀川を使って船で訪れたといいます。観月庵の名の通り、室内からは東の空の月や、庭の池に映った月を眺めることができます。


堀川越しに見る普門院の写真
堀川越しに見る普門院


●お問い合わせ

普門院(TEL:0852・21・1095)


月照寺(松江市外中原町、国史跡)

約3万本のアジサイが植えられていることからアジサイ寺とも呼ばれる月照寺は、松江藩主・松平家の菩提寺です。境内には歴代藩主の廟所のほか、不昧ゆかりの茶室「大円庵」や茶筌(ちゃせん)供養が行われる茶筌塚などが残ります。


月照寺にある不昧の廟所の写真
月照寺にある不昧の廟所


●お問い合わせ

月照寺(TEL:0852・21・6056)


明々庵(松江市北堀町)

不昧が29歳の時に初めて設計した茶室。わずか2畳に手前座が加わっただけの簡素なつくりから、利休のわび茶の精神を志向していたことがうかがえます。


明々庵の写真


●お問い合わせ

明々庵(TEL:0852・21・9863)


茶の湯堀川遊覧船

堀川を進む「茶の湯堀川遊覧船」の写真
堀川を進む「茶の湯堀川遊覧船」


気軽に楽しめるのが松江のお茶。国宝松江城の堀をめぐる遊覧船には特別仕様の「茶の湯堀川遊覧船」があり、畳敷きの船内でお茶を点てることができます。お点前など気にせず思い思いに点てた抹茶と、地元で愛される和菓子。ゆったりと流れる城下町の風情。松江の茶の湯文化を味わうひとときです。


船内で点てる抹茶の写真
船内で点てる抹茶


茶の湯を楽しむ乗客の写真
茶の湯を楽しむ乗客


●料金
大人1730円(抹茶、お菓子付き)
小人1110円(同)


●発着場所
ふれあい広場乗船場(松江市黒田町)


●定員
各回1隻あたり最大8人


●運航時間
11時発、11時半発、13時発、13時半発、15時発、15時半発
※要予約(当日空きがあれば乗船も可能)


●予約・お問い合わせ
堀川遊覧船管理事務所(TEL:0852・27・0417)


松江の和菓子

抹茶を引き立て、見た目も美しい和菓子。茶席に菓子が伴い始めたのは、砂糖が普及した江戸時代中期とされます。

不昧も茶と菓子の相性の良さに注目し、御用菓子司(かしつかさ)にさまざまな菓子を作らせました。松江では現在も和菓子の製造が盛んで、当地を代表する三大銘菓には、いずれも「不昧公好み」の肩書が添えられます。

没後200年となる今年、市内の菓子店が腕を競った和菓子「不昧菓」も登場しました。不昧ゆかりの歌やエピソードに着想し、趣向を凝らした春夏用の7種類。9月からは秋冬用の不昧菓がお目見えする予定です。


不昧好み銘菓と不昧菓の写真


不昧好み銘菓

(1)山川
紅白の落雁は紅葉と川の流れを表しています。「散るは浮き・散らぬは沈む・紅葉の・影は高尾の・山川の水」の歌から不昧が命名。日本三大銘菓にも数えられます。


(2)若草
春の茶会で用いられた菓子。柔らかな求肥に若草色の寒梅粉がまぶされています。不昧の歌「曇るぞよ・雨降らぬうちに・摘みてこむ・栂尾(とがのお)山の・春の若草」から。


(3)菜種の里
黄色い落雁は春の菜畑、中の煎った玄米は飛び交う蝶を表します。不昧の引歌「寿々菜(すずな)さく・野辺の朝風・そよ吹けば・とひかう蝶の・袖そかすそふ」から。


不昧菓

(1)山椒餅(さんしょもち)〔桂月堂〕
古くから出雲地方で栽培される山椒を使った餅菓子。不昧の茶会記録にも「山椒餅」が登場します。


(2)舟つきの松(彩雲堂)
不昧に嫁いだ伊達藩の姫が持参し、歴代藩主が舟をつなぐ目印とした「舟つきの松」から。


(3)出雲なんきん(三英堂)
不昧が天井にガラスを張って観賞したという金魚「出雲なんきん」が泳ぐ、涼しげな一品。


(4)御山池(おやまいけ)〔一力堂〕
松平家の別荘があった楽山。この中ほどにある弁天池(御山池)の水紋と小魚の姿を写した練り切り。


(5)大亀と紫陽花(あじさい)〔福田屋〕
松平家の菩提寺・月照寺に残る大亀伝説と、境内のアジサイがあしらわれています。


(6)薄霞(風流堂)
不昧が好んだと記録にある同名の菓子をイメージ。水彩画のような淡い色彩の練り切り。


(7)ヤブ椿(豊月堂)
松江の市花であり、不昧も好んだ椿。藩主が江戸から持ち帰り、城内に植えたと伝わります。


不昧公200年祭記念イベント

記念企画展

●大名茶人・松平不昧が名付けた名勝櫻井家庭園“岩浪”(奥出雲町・可部屋集成館、~12月7日)

●出雲工芸‐不昧公が育んだ形と心(出雲市・手錢記念館、~7月30日)

●松平不昧‐茶のこころ(松江市・松江歴史館、7月13日~8月26日)

●奥出雲・絲原家に伝わる茶道具の美(奥出雲町・絲原記念館、9月13日~12月28日)

●没後200年/大名茶人・松平不昧(松江市・県立美術館、9月21日~11月4日)

●不昧公と八雲本陣(松江市宍道町・八雲本陣、10月5日~11月26日)

●不昧公200年祭/松平不昧公展(松江市・田部美術館、10月6日~11月11日)

●不昧公御流儀茶の湯展(出雲市・手錢記念館、10月6日~12月24日)

●没後200年/不昧‐茶とその人物(出雲市・出雲文化伝承館、10月13日~11月25日)


記念企画展「松平不昧‐茶のこころ」の写真
松平不昧‐茶のこころ(松江市・松江歴史館)


記念茶会

●不昧公200年祭記念茶会

  • 表千家同門会(月照寺、10月20、21日)
  • 裏千家淡交会(月照寺、9月22、23日)
  • 武者小路千家出雲松和会(赤山茶道会館、9月23、24日)
  • 三斎流九曜会(赤山茶道会館、9月21日、10月13、14日)
  • 不昧流不昧会(月照寺、9月21日、10月28日)
  • 不昧流大円会(赤山茶道会館、10月27、28日)
  • 不昧流研究会(赤山茶道会館、10月21日)
  • 不昧流不落会(赤山茶道会館、10月20日)
  • 上田宗箇流(赤山茶道会館、9月30日)
  • 羽楽流煎茶(月照寺、9月24日)
  • 小笠原流煎茶(県民会館、10月20、21日)
  • 煎茶道方円流(松江歴史館、10月27、28日)
  • 素心流五葉会(松江歴史館、10月20、21日)
  • 煎茶道松月流(松江歴史館、10月14日)

●国宝松江城天守特別茶席(9月22日~10月28日までの土、日曜日と祝日)

松江市の地図


●お問い合わせ

島根県物産観光館(TEL:0852・22・5758)


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島根県政策企画局広聴広報課
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