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ものづくり・しまねのマイスター

島根には、独自の技術により、国内外で高い評価を得る企業や伝統工芸品があります。携わる人々を通して「島根のものづくり」の魅力を紹介します。


内田文雄(うちだふみお)さん(奥出雲町)

今回は、雲州そろばん製造工の内田文雄さんです。「質の雲州」とうたわれる雲州そろばんは、上質な素材と繊細な技術で作られる工芸品。雲州そろばん協業組合で働く内田さんは、高い技術力で180年を超す伝統産業を支えています。


珠の緩みがないか入念にチェックする様子の写真
珠の緩みがないか入念にチェック


なめらかな珠運びと、「パチ、パチ」という、高く、さえた音。これが良質なそろばんの証しです。職人歴55年の内田さんが仕上げた珠は、寸分の狂いもなく縦7.5ミリ、横13.2ミリ。はじいた珠は、芯竹に吸い付くようにぴたりと止まります。

雲州そろばんを作る工程は、全部で187。珠作りひとつとっても、素材を10ミリの厚さに切断し、木目がそろうようにくりぬき、軸に通す穴を開け、形を整えるなど、細かい作業がたくさんあります。

雲州そろばん協業組合では、これらの工程を専門の職人が分担。1丁のそろばんに13人の職人が関わります。ただし、内田さんだけは、全工程を一人でこなします。

そろばんの産地、仁多郡横田町(現・奥出雲町)に育った内田さんは、そろばん職人だった父の影響で、中学校卒業と同時に地元のそろばん製造会社に入社しました。昭和40年代には、雲州そろばんの生産量は年間100万丁を数えたといいますが、続く50年代になると、電卓の普及におされて需要が急速に落ち込み、町内に20以上あった製造会社が次々に廃業していきました。

そんな厳しい状況でも、内田さんはこの業界に残ろうと決意します。「そろばん作りに携わった経験を無駄にしたくない」と、あえて一からそろばん作りを学び直すことに。弟子入りした先は、個人でそろばんを作り続けていた父でした。

ここで初めてそろばん製造の全工程に関わり、材料の選び方なども研究。より質の高いそろばんを作ろうと試行錯誤を重ねます。こうして身につけた技が認められ、平成25年、そろばん業界で初となる厚生労働省の「現代の名工」にも選ばれました。

「そろばんは集中力を養うのに効果があると見直されています」と内田さん。春には新人職人も加わる予定とのことで、「しっかり技術を伝えたい」と話します。


芯竹に珠を通す様子の写真
芯竹に珠を通す作業

 

 

内田文雄さんの写真
内田文雄さん

 

 

 

雲州そろばんの写真
雲州そろばん

 

 

 

●お問い合わせ
雲州そろばん協業組合(TEL:0854・52・0839)

 

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