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しまね発ものづくりマイスター

島根には、独自の技術により、国内外で高い評価を得る企業や伝統工芸品があります。携わる人々を通して「島根のものづくり」の魅力を紹介します。


川平正男(かわひらまさお)さん(浜田)

今回は、石州半紙(せきしゅうばんし)・和紙製造販売のかわひら(浜田市)の川平正男さんです。県西部の伝統工芸品で、1300年の歴史を持つ石州和紙。川平さんは、伝統的な手漉(す)き技術を今に受け継ぎながら、新しいアイデアを採り入れ、石州和紙の可能性を広げる挑戦を続けています。


紙を漉く川平正男さんの写真
紙を漉く川平正男さん


紙つむぎ糸で織った作務衣の写真
紙つむぎ糸で織った作務衣


機織り機で紙つむぎ糸を織る様子の写真
機(はた)織り機で紙つむぎ糸を織る


「バシャ、バシャ、バシャ…」。山あいの静けさの中、川平さんの和紙を漉く音が工房に響きます。石州和紙を製造する家業を継いで40年以上。長年の経験で培った技術が評価されて平成27年、厚生労働省から「現代の名工」に選ばれました。

技術の普及にも熱心で、ブータンに滞在して指導を行っていたこともあります。その一方、新しい技術にも意欲的に取り組みました。転機は平成5年。京都の織物職人から紙の糸を見せてもらったことでした。町内でも100年以上前には、和紙製の織物が作られていたことから、石州和紙を糸にしてみようと、「紙つむぎ糸」の開発を始めたのです。

糸は、和紙を半分に折って1.5センチ程度の幅に裁断したものを広げて撚(よ)り合わせる「績(う)み」によって作られます。ちぎって績んだところが少し太くなりますが、それが「糸の味」。

績み終えた和紙は、糸巻き機で巻上げますが、その時、摩擦で手が痛くなってしまうという問題がありました。そこで、績んだ和紙をたたいて柔らかくすることを考案。縄を作るのにわらをたたくのと同じで、これは、紙漉きがもともとは農家の副業だったことから浮かんだ手法です。

こうして、石州和紙独特のやや茶色がかったもののほか、染料で染めた黄色やピンクなどさまざまな色合いの糸が完成。ところが、織物の知識がなかったため、商品を生み出すにはそれから何年もかかりました。知人の紹介で知り合った人に、マクラメ編みを教わって幾何学的な模様の編み物に挑戦したり、絣(かすり)職人に織り方の指導を受けたりして試行を重ね、今では、糸を使ったコースターやしおり、服など多様な商品が並びます。

目標は、必要とされ続ける商品を作ること。和紙の新たな可能性を探り、既存の枠を超えた挑戦を続け、「和紙の魅力を後世に伝えたい」と川平さんは話します。


色とりどりの紙つむぎ糸の写真
色とりどりの紙つむぎ糸


●お問い合わせ
かわひら(TEL:0855・32・1166)

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