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島根の匠安部信一郎さん出雲民芸紙

柔らかな手触りと風合い、しなやかさが魅力の手漉(す)き和紙は、保存性や耐久性にも優れた実用品。
県東部は古くから、出雲和紙として知られる紙の産出地でしたが、時代の変遷により一時は衰退しました。
その伝統をよみがえらせたのが、松江市八雲町の「出雲民芸紙工房」。3代目の安部信一郎さんは、優れた和紙文化を今に伝えます。

 

 

島根の匠安部信一郎さん出雲民芸紙

 

手漉(す)き和紙について

手漉(す)き和紙は、ジンチョウゲ科の雁皮(がんぴ)と三椏(みつまた)、クワ科の楮(こうぞ)の樹皮が原料で、出雲民芸紙工房では原料を単独で使用します。
樹木の種類によって耐久性や防虫効果、光沢感などが異なるためで、安部さんは「雁皮は雁皮らしい保存性の高い紙に。
それぞれの特性を大切にしています」と話します。
原料の樹皮は、丁寧に傷やごみを取って煮て砕き、繊維状の紙料(しりょう)にします。
紙料に水とトロロアオイの粘液を混ぜて「漉きぶね」と呼ばれる大型の水槽に入れると、いよいよ紙漉きです。
安部さんはすだれ状の「漉き簀(す)」を載せた「漉き桁(げた)」を一定の角度で漉きぶねに入れ、前後に緩やかに揺らします。
漉き方により紙の厚さや硬さを変えるといい、「漉き方は大まかに5種類。
簀の透け加減で仕上がり具合を見ますが、大体は体が覚えています」と安部さん。
わずか数秒で1枚を漉く技に、この道約40年の経験が光ります。
安部さんの祖父は人間国宝に認定された故・榮四郎氏。
原料ごとの個性を発揮した榮四郎氏の美しい紙は、民芸運動を先導した柳宗悦に絶賛され、全国に新たな和紙の息吹を与えました。
安部さんは「自分が紙漉きを生業としたのは、榮四郎を祖父に持ったため」と言いながらも「紙を作るのは楽しいんです」と笑顔を見せ、弟の紀正さんや弟子入りした若き職人と力を合わせて工房を支えます。
漉き上げた紙は一晩押さえて水切りし、乾燥させて完成です。
出雲民芸紙は品質とともに、多彩な色の美しさも魅力の一つ。
生活様式や住環境が変化しても、安部さんはステンドグラスのように美しい障子や柔らかな光を生む照明など、「現代の民芸」としての和紙の可能性を開拓しています。

 

 

漉き上げ重ねられた和紙の写真
漉き上げ重ねられた和紙

 

 

 

樹皮のほぐし作業の写真
樹皮のほぐし作業

 

 

 

あくを抜き、ごみ取りの写真
あくを抜き、ごみ取り

 

 

 

和紙の乾燥の写真
和紙の乾燥

 

 

 

色彩豊かな出雲民芸紙の写真
色彩豊かな出雲民芸紙

 

 

 

○お問い合わせ
出雲民芸紙工房(TEL0852・54・0303)

 

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