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島根の匠神楽衣裳川邊志津枝さん

島根県西部の代表的な伝統芸能、石見神楽。
その神楽の絢爛豪華(けんらんごうか)な衣裳(舞着[まいぎ])を、浜田市熱田町の川邊志津枝(かわべしずえ)さんは半世紀近くにわたって作り続けています。
金糸、銀糸を一針一針縫い込んでいくと、きらびやかな刺しゅうの龍や唐獅子(からじし)、虎などが現れます。
それらをあしらった衣裳が、勇壮で華麗な石見神楽を支えています。

島根の匠神楽衣裳

 

 

川邊さんが神楽衣裳制作の世界に入ったのは、15歳の時。
中学卒業を間近に控え、電話交換手の試験を受けた帰りに、近所に住む神楽社中の代表者に「神楽の衣裳を作る店が地元にほしい」と頼まれ、「手に職をつけたい」との思いから衣裳作りの道へ。
「師匠もいなくて、古い神楽衣裳を参考に独学で学んだ。大変だった」と当時を振り返る川邊さん。
6年ほど続け、結婚と夫の転勤などで10年余り中断し、昭和47年に帰郷したのを機会に「福屋神楽衣裳店」を創業し衣裳作りを再開しました。
神楽衣裳には、陣羽織、鬼着、姫着など、役柄によってさまざまな種類があります。
中でも鬼の扮装に用いられる鬼着は豪華。黒のビロード地に型の枠などで図柄を描き、それに沿って金や銀などの糸を通して、ビロード地が見えなくなるまで縫い込みます。
これに、別に制作した龍や獅子、鬼面などの刺しゅうを組み込み、仕上げます。
神楽衣裳の出来を左右するのが、生物(いきもの)と呼ばれる龍や獅子などの刺しゅう。
布の上に綿を置いて立体感を出し、その上から金糸、銀糸で縫っていきます。
「最後に目を入れますが、それによって迫力が出るかどうかが決まります。一番緊張する瞬間」と話す川邊さん。
その衣裳は平成13年度に島根県ふるさと伝統工芸品に指定され、広島など他県の神楽社中からも注文がきます。
現在、4人のスタッフと衣裳作りをしています。
完成までに長いもので半年かかるという根気のいる仕事。
「石見神楽の伝統を守っていくためにも、後を継ぐ人たちを育てなければ」と、後継者の育成にも力を入れています。


龍の生物(いきもの)が入った鬼着の写真。西村京太郎の推理小説『出雲神々の殺人』新書本の表紙を飾った
龍の生物(いきもの)が入った鬼着。西村京太郎の推理小説『出雲神々の殺人』新書本の表紙を飾った

川邊志津枝さん

大口袴(はかま)に刺しゅうを施す写真
大口袴(はかま)に刺しゅうを施す

いずれも龍の生物(いきもの)の入った陣羽織の写真その1いずれも龍の生物(いきもの)の入った陣羽織の写真その2
いずれも龍の生物(いきもの)の入った陣羽織

生物の刺しゅう。
生物(いきもの)の刺しゅう。上から「鶴」「虎」「龍」「蜘蛛」「蜘蛛獅子」

○お問い合わせ
福屋神楽衣裳店
(TEL0855・27・0141)

 

 

 

 

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