伝統工芸木地人形
丸みを帯びた小さな木の干支人形や雛人形。
木工職人の松谷伸吉(まつたにしんきち)さんは、出雲市大社町の工房兼店舗で白木をろくろに据え付け、
回転させながらノミを当てて成形し、墨や染料で絵付けをして木地人形(きじにんぎょう)を生み出していきます。
こけし作りの技術を干支、雛人形に生かす
もの作りに興味のあった松谷さんは高校卒業後、「たまたま新聞に載ったこけし職人の記事を読んで、これだと思った」と、
宮城県鳴子町の伝統こけし職人を訪ね、岡崎才吉(さいきち)、仁治(じんじ)親子に師事して10年間技術を磨きました。
こけし制作に打ち込むうち「もっと自由な作品が作りたい」と思い、昭和60年に島根にUターン。
観光土産に狙いを絞って、出雲大社近くにできた島根ワイナリー隣接地に工房兼店舗を構え、人形の制作を始めました。
最初は出雲神話にちなんだ恵比寿(えびす)や大黒(だいこく)、大国主命(おおくにぬしのみこと)などの人形を作っていましたが、
ニーズの変化から、干支(えと)、雛(ひな)、五月人形に比重を移すようになりました。
材料は県内産のアオハダやミズキで、白い木肌が絵付けに適しています。
ろくろに据え付けた白木は、ノミを当てると木くずを巻き上げながら一瞬のうちに雛人形の姿に。
刃先の鋭いノミの切れ味が滑らかな木肌を生みます。
ノミを支える松谷さんの左手甲に残る飛び跳ねた白木につけられた傷は職人の勲章です。
材料は年間4トンほど消費しますが、そのうち製品になるのは約4分の1。
残りはごみとなってしまうため「まきストーブを3台も購入した」と笑います。
ぬくもりを感じさせる松谷さんの作品ですが、一つの人形のスタイルを確立するには何十回もの試作が欠かせません。
「いい人形を作りたい」との決意を胸に、今日もろくろに向かっています。
「いい人形を作りたい」と語る松谷伸吉さん
木くずを巻き上げながら一瞬で人形が生み出される
鮮やかな筆さばきで雛人形の衣装を描いていく
かわいいトラの干支人形
落ち着いた雰囲気の雛人形
デザインを工夫した干支人形
松谷さんの作品が並ぶ「吉や」の外観と店内
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吉(きち)や(TEL0853・53・4080)
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