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日本人の大切なものを探して

「天然コケッコー」「うん、何?」の舞台を訪ねて
写真右下/後野小学校の木造校舎=浜田市後野町、
左下/映画「天然コケッコー」の1シーン。下来原(しもくるばら)の一本道=同市金城町
映画「うん、何?」のシーン。
写真右上/龍頭が滝(りゅうずがたき)=雲南市掛合町、
左上/斐伊川(ひいかわ)に架かる願い橋(潜水橋)=同市木次町、
左中央/須我神社(すがじんじゃ)で祈る鉄郎と多賀子=同市大東町

島根が舞台の映画「天然コケッコー」と「うん、何?」。
「天然コケッコー」は、山下敦弘監督が人気少女漫画の原作と同じ石見を舞台に映画化。
「うん、何?」は、錦織良成監督がふるさとの出雲を舞台に原案・脚本から手掛けた作品です。
両監督が描いたのは、そこに暮らす人たちの当たり前の、ささやかだけれど大切な「日常」であり、
島根に残る「日本人の心」ではないでしょうか。

当たり前の、日常が残る場所

木造校舎や田んぼの中の一本道…。
昨年、全国上映された映画「天然コケッコー」ではほかにも、民家や店の通り、
神社、郵便局、駅、海岸など浜田市周辺の懐かしい風景が舞台になっています。
母親が浜田市三隅町出身の漫画家・くらもちふさこさんの人気少女漫画が原作。
舞台は石見地方で、全校児童・生徒6人の分校に通う少女と東京からの転校生との恋物語。
映画は女優の夏帆さん演じる中学生の少女の甘酸っぱい初恋を、周囲の豊かな自然と人情、たっぷりの石見弁を交え、描いています。
監督の山下敦弘さんは、「初めて浜田に来て、田んぼや海を見たが、東京と違い、ゆったりとした時間が流れていました。
後野小学校の木造校舎を見たとき、映画のイメージ通りで、何の迷いもなく『ここで撮ろう』と決めました」と言います。
そして、「描いたのは、当たり前の日常。今の時代は、朝、道行く人に声を掛けられてあいさつを返すとか、
そんな当たり前のことが忘れられてしまっています」とも。
山下監督にとって、その「当たり前のものが残る土地」こそ、石見だったのではないでしょうか。

 

島根は、私にとって第二のふるさとです

女優夏帆(かほ)さん島根は、私にとって第二のふるさとです

 

女優夏帆(かほ)さん
Profile
東京都出身。
雑誌モデルを経て、映画やテレビCMに出演。
主演映画「天然コケッコー」での演技が評価され、
日本アカデミー賞をはじめ、多くの新人賞を受賞。
他の主演映画は「うた魂♪」「東京少女」。17歳。

 

【MEMO】
原作は雑誌「コーラス」(集英社)に平成6年から12年にかけて連載。
映画は原作と同じ石見地方を舞台に、一昨年夏から秋にかけ、撮影。
昨年夏、全国公開。第32回報知映画賞で山下敦弘監督が監督賞、夏帆さんが新人賞。
第31回日本アカデミー賞で夏帆さんが新人俳優賞。
第81回キネマ旬報ベストテンの日本映画第2位に選出されました。

地域のコミュニティーと失われかけている日本人の心に気付く

今も神話が息づく島根県雲南市を舞台にした映画「うん、何?」が全国各地で上映されます。
監督は、出雲市出身の錦織良成さん。映画には滝や桜並木、斐伊川に架かる橋など美しい雲南の景色や、
ヤマタノオロチ伝説伝承地が随所に登場します。

「確かに地元でよく知られた景色が登場しますが、美しい景色は全国にたくさんあります。
単なる観光PRのご当地映画ではなく、映画の中に、景色とともに文化や歴史、伝統と、すべてを封じ込め、
本当に大切なものとは何かを伝えたい、と思いました」


主人公の鉄郎は高校3年生。毎日の日課は、父の工場で作られる新鮮な牛乳を入院中の母に届けること。
悩みは、卒業後の進路と幼なじみで同級生の多賀子への思いをどう伝えるかです…。
映画は高校生の淡い恋や友情、家族のきずなといった、ささやかだけれど大切な日常を描いています。

「雲南には子どもから若い世代、お年寄りが普通のことと思っている人と人のつながり、
地域のコミュニティーが残っています。これこそ、われわれにとって本当に大切なものであり、失われかけている日本人の心です」


映画は岐阜県でも上映され、大きな反響を呼んでいます。全国公開に向け、錦織監督も手応えを感じているようです。

「この映画で描いた日本人の大切なものは、雲南にだけ残っているものではありません。
この映画が他県で話題になっているということは、自分のふるさとを大切にしなければならないということに気付き、
共感してくれたのだと思います」


映画は、錦織監督によるしまね3部作の第2弾。
監督のふるさとの小学生と沖合を行くフェリー乗組員との心温まる交流を実話に基づいて描いた「白い船」(平成14年公開)に始まり、
日本最古の現役電車が走る一畑(いちばた)電車をテーマに8月にクランクイン予定の「BATADEN」へと続きます。

「映画を見た地元の高校生たちが、『自分たちのルーツは島根。進学や就職で都会地に出ても、
心は常にふるさとにあるものだということに気付かされた』と言っていました。
3部作に共通するのは、東京のフィルターを通してではなく、等身大の島根をじかに描いた”無添加“の映画だということです。
どこの地にもきっとある足元の大切なものを再発見する時代が来ていると思います」

錦織良成さん
映画監督
錦織良成(にしこおりよしなり)さん
Profile
昭和37年、島根県出雲市生まれ。平成8年、「BUGS」で映画監督デビュー。
平成14年、ふるさとを舞台にした「白い船」がその年のミニシアター邦画作品部門の全国興行成績1位を記録。
46歳。

【MEMO】
平成17年に雲南市で開催されたしまね映画塾の際、
市民から錦織良成監督に映画制作の打診があり、プロジェクトがスタート。
一昨年夏と昨春、撮影。舞台の雲南市は、島根県東部の中山間地域。神話の伝承地が数多く残っているほか、
銅鐸が大量出土した加茂岩倉遺跡もあります。
昨年11月から島根県内外で先行上映会、今年5月から同県などで上映され、
10月下旬以降、東京や大阪、名古屋など各地で上映の予定。

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