令和元年6月定例県議会知事施政方針並びに提案理由説明要旨

 定例議会開会にあたり、諸議案の説明に先立ちまして、県政運営に対する私の基本的な考え方を申し上げ、県議会の皆様並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。

 

(1.はじめに)
はじめに、溝口前知事には、3期12年間にわたり、県勢発展のため、ご尽力を重ねてこられました。
その間に果たされた多大なご功績とご貢献に対しまして、深く敬意と感謝の意を表する次第でこざいます。
さて、私は先の選挙におきまして、島根のすばらしい自然、文化・歴史と暮らしを次の世代に引き継ぐために、人口減少に歯止めをかけ、人口減少に打ち勝つ島根をつくる「島根創生」に全力で取り組むことを訴え、多くの皆様からのご支持をいただき、知事に就任を致しました。
県民の皆様からの大きな期待をしっかり受け止め、この「島根創生」の実現に全力を尽くす所存であります。

 

(2.県政を取り巻く現状認識と決意)
次に、私の県政運営に臨む決意を申し述べます。


私は、総務省から島根県に出向いたしました平成25年度からの3年間に、公私ともに多くの方々と出会い、様々な仕事や経験をさせていただきました。
中でも、政策企画局長として、「島根県総合戦略」の策定に携わったことは、本当に貴重な経験でありました。

 

 「総合戦略」は、島根県の人口を将来的に安定させるために、2040年までに、合計特殊出生率2.07と社会移動の均衡を目指す「島根県人口ビジョン」の目標を実現するための、平成27年度から5年間の行動計画であります。
私は、県職員として、また一人の県民として、長年の人口減少に耐え、地域社会の助け合いや絆を守り続けて必死に頑張っておられる県民の皆様の様々な取組やご意見を見聞きさせていただきました。
総合戦略の策定にあたっては、溝口前知事の下で、この経験を活かしながら、島根にどういった人口減少対策の施策が必要であるのかを考え抜き、県議会や市町村、関係団体等の皆様と議論を重ねました。

 

 こうして策定された総合戦略に基づく取組の成果でありますが、まず、合計特殊出生率は、全国で3位と引き続き高水準であり、策定時1.66から現在は1.72に伸びております。
また、社会減も策定時は1325人であったものが、現在は169人にまで縮小しております。

 そこで、県としては、人口減少対策をさらに加速させることとし、「島根県人口ビジョン」の目標達成時期を、それぞれ次のように前倒しすることといたします。
まず、合計特殊出生率につきましては、現在の総合戦略期間での伸び率を勘案して、5年の前倒しを目指してまいります。次に社会移動の均衡につきましては、県内産業の活性化を通じて現在の社会減縮小の流れを安定化させることにより、10年の前倒しを目指してまいります。
東京をはじめ三大都市圏などと島根との社会的・経済的な格差は依然として大きく、従来の目標を達成すること自体も容易ではない状況でありますが、県民の皆様の大きな期待に応えるために、私は、新しい目標の達成に向けて、「現場主義」と「県民目線」に徹しまして、自らが先頭に立ってリーダーシップを発揮して、全力で取り組む覚悟でございます。

 

(3.県政運営にあたっての基本姿勢)
次に、「島根創生」に取り組む上での、私の基本的な考え方についてご説明申し上げます。


まず、若い世代に島根に残ってもらう、島根に戻ってもらうために、第1次産業から第2次産業、第3次産業までの産業振興を一層進め、県民所得を引き上げ、若者の雇用を増やしていく。そして、子育て中の若い世代に、もう一人子どもを生み育ててみようと思ってもらえるような子育て支援の充実や、働きやすい環境の整備を進めることにより、島根に生まれる子どもの数を増やしていくよう取り組んでまいります。

 

 次に、島根県には、中山間地域・離島などのように、地域住民の生活の場としてだけでなく、国土保全や環境保全など、多面的で重要な機能を担いながら、若年層を中心とした人口の流出や高齢化により地域の担い手不足が進み、地域コミュニティの維持や、買い物など日常生活に必要なサービスの確保が困難となりつつある地域と、宍道湖・中海圏域のように、産業に厚みがあり、充実した都市機能を有して人口が集積した牽引力のある都市部とがあります。中山間地域・離島の産業や生活機能を守るとともに、都市部の強みを更に伸ばしながら、二つの地域が共存・連携することで、県全体が発展する地域づくりを進めてまいります。

 

 また、山陰道の早期開通など産業振興や県民生活を支えるインフラの整備や、老朽化対策、防災・減災対策などの社会基盤整備を進めてまいります。
こうした取組は、島根の魅力をさらに伸ばしていくことになります。これを幅広く発信し、県外の人々との絆を深めて、都市部などからのUターン・Iターンの拡大につなげてまいります。

 

 そして、「島根創生」の実現のためには、島根が好きで、島根に暮らす未来を考え、島根での将来の自分の役割に思いを馳せる子どもたちを増やしていくことが重要であります。ふるさと教育や教育の魅力化などを通じて、「島根を創る人づくり」を進めてまいります。

 

 これらの施策を進めるためには、県内の各産業、県民の皆様の生活の状況を、私自身がこの目で見て、この耳で話をうかがうことが重要であります。
そのため、県内各地にうかがい、地域の課題や将来像等について、直接県民の皆様と意見交換を行う「知事と語る車座トーク」や、「女性活躍100人会議」を開催いたします。
また、県庁から遠い石見地域と隠岐地域において意見交換や現場訪問を集中して行う「石見の日」、「隠岐の日」を設けることとし、先月30日には、1回目の「石見の日」として、大田市において「女性活躍100人会議」と「知事と語る車座トーク」を開催し、たくさんの方々からご意見をうかがい、また、現場も見させていただきました。
今後とも、積極的に地域を訪問し、県民の皆様の声を「島根創生」のための政策に反映してまいります。

 

 加えて、人口減少は日本全体の課題でもありますので、国に対しても迅速かつ実効性のある対応を求めてまいります。

 また、多くの課題を共有する他の県とも連携を進めてまいります。先月28日には鳥取県の平井知事と、観光振興などに山陰両県が連携して取り組むことなどを確認いたしました。

 また、翌29日には、中国5県の知事や経済団体、県議会議長の皆様と意見交換し、若者の地元定着や結婚、出産、子育ての希望がかなう社会づくりなどについて中国5県で連携していくことを確認いたしました。
今後も、鳥取県、中国地方、全国の都道府県と様々な分野で連携してまいります。

 

(4.新しい総合計画・総合戦略の策定)
このような基本的な考え方を踏まえまして、今年度、新しい総合計画・総合戦略を策定することといたしております。
策定にあたりましては、県議会をはじめとする県民の皆様、市町村、関係団体などのご意見を十分にお聞きしながら策定してまいりますが、今議会に基本的な考え方をお示しさせていただきます。

 

 新しい総合計画・総合戦略は「島根創生計画」といたしております。
この「島根創生計画」は、第一に「人口減少に打ち勝つための総合戦略」、第二に「生活を支えるサービスの充実」、第三に「安全安心な県土づくり」の3編で構成し、このうち第1編の「人口減少に打ち勝つための総合戦略」は、これまでの総合戦略にあたります。

 

 計画では、概ね10年後の島根の目指す将来像を、「人口減少に打ち勝ち、笑顔で暮らせる島根」とし、今後5か年の目標や施策の基本的方向を示してまいります。

 

 その概要を、順次、ご説明申し上げます。

 

 第一の「人口減少に打ち勝つための総合戦略」については、先程申し述べましたとおり、産業振興、子育て支援、地域づくりと人づくりを進めてまいります。

 

(5.農林水産業)
まず始めに、農林水産業について申し上げます。

 

(1)農林水産業につきましては、島根の自然・風土に根ざし、中山間地域・離島にとっても重要な産業であり、活力ある農林水産業と農山漁村の実現に向けて、目標を高く掲げて進めてまいります。
(2)農業につきましては、コメに過度に依存する状況から脱却し、若い世代に魅力ある収益性の高い農業への転換を図り、農業産出額100億円増の目標達成を目指してまいります。
このために、水田を活用した園芸を拡大するとともに、将来の中核的な担い手や、地域を牽引する企業的経営体の確保・育成に重点的に取り組んでまいります。
さらに、消費者ニーズに即した有機農業の拡大や、美味しまね認証を核としたGAPの推進など、島根独自の取組を進め、県内農産品のブランド化と販売力の強化を図ってまいります。

(3)林業につきましては、利用期を迎えた森林の主伐を促進し、循環型林業の定着・拡大を図り、年間原木生産量80万立法メートルの目標達成時期を2040年から10年前倒して、2030年といたします。
このため、原木生産と再造林のコスト低減による林業経営の収益力の向上や、県内の製材力の強化による県産材の出荷拡大、林業事業体の体質強化による就業者の確保に重点的に取り組んでまいります。
また、今年度から始まった「新たな森林管理システム」を積極的に活用し、市町村と連携して森林の適正な管理を進めてまいります。

(4)また、先ほど議長からのご挨拶にありましたとおり、来年春には、天皇皇后両陛下をお迎えし、大田市の三瓶山で第71回全国植樹祭を開催いたします。島根県が取り組んでいる循環型林業を全国に十分に発信できるよう、準備を進めてまいります。

(5)水産業につきましては、適切な資源管理を進めながら漁業者の所得が向上していくよう、企業的漁業経営体における産出額の目標を200億円に設定したところであり、高性能漁船の導入や、衛生管理等のレベルアップによる魚価向上の取組などを進めてまいります。
また、新規就業者の確保・育成や、海藻などの沿岸資源を活用した新たなビジネスモデルの創出などを通じまして沿岸漁業や漁村の活性化に取り組んでまいります。

(6)農林水産業への就業支援につきましては、若い担い手を安定的に確保するため、県立農林大学校の機能強化と定員増を進めてまいります。

 

(6.商工業)
次に、商工業について申し上げます。

 

(1)商工業の振興につきましては、県民にとって魅力のある雇用の場の維持・創出や、質の向上に向けて、それぞれの産業の特性や、強みを活かした取組を推進してまいります。

(2)ものづくり産業につきましては、IoTなど次世代技術を活用した生産性の向上や、大学・高専・研究機関・外部専門家と連携し、戦略的な製品・技術の開発を支援し、成長分野への参入を促進してまいります。
特殊鋼産業につきましては、金属素材のグローバル拠点を創出するプロジェクトを中心に、航空機産業などへの新たな事業拡大と、高度専門人材の育成を一体的に推進してまいります。
食品製造業につきましては、第一次産業から第三次産業に及ぶ地域経済を支える産業であることから、地元原材料の調達の拡大、営業力や商品開発力の向上、設備整備、販路開拓への支援などを強化してまいります。

(3)IT産業につきましては、引き続きIT人材の育成・確保を図るとともに、しまねソフト研究開発センターを中心に、県内IT企業がAI、IoT等の先進技術を活用して新たな事業にチャレンジする取組を支援してまいります。

(4)観光振興につきましては、地域資源を活かした観光商品づくりや販売などへの支援、首都圏等での観光PRなどを行うとともに、豊かな自然、古き良き文化・歴史を活かした島根独自の観光地域づくりを進めてまいります。
特に、全国的に認知されつつある「美肌県」のイメージを活かし、ターゲットとする女性の年齢層を拡大して、観光商品づくりの支援や情報発信を強化するなど、美肌観光に本格的に取り組んでまいります。

(5)県内の経済と雇用を支えている中小企業・小規模企業の振興につきましては、市町村や商工団体と連携し、各地域の実情を踏まえ、地域資源を生かした商品開発や取引の拡大などにより、積極的に経営革新、基盤強化に取り組めるよう支援してまいります。
また、県外の大消費地など新たな市場をターゲットに、県内の雇用や付加価値を生むような県内企業の県外での事業展開に対する支援を新たに進めてまいります。

(6)企業誘致につきましては、県内産業の活性化や地元企業への波及効果につながり、新卒者やUターン・Iターン者の受入れなど雇用創出効果も大きいことから、私自身が先頭に立って進めてまいります。

 

(7.働く人の確保)
次に、こうした県内産業で働く人の確保について申し上げます。

 

(1)生産年齢人口が減少する中で、地域の産業が必要とする人材の確保や育成、定着を進める必要があります。

(2)このため、先程申し上げました産業振興施策を進めることにより、多様で魅力ある職場を県内で広げていくとともに、高校生や県内外の大学等に進学した学生に島根での就職を目指してもらえるよう、学生と若手社員との交流会や、低学年次の学生を対象とした企業視察ツアー、保護者と企業との交流会を実施するなど、県内企業の理解促進や島根で働く魅力の発信に取り組んでまいります。
今年度からは、こうした取組に加え、県外の大学生等が県内企業の採用面接等に参加する経費を助成し、県内への就職促進を図ってまいります。

(3)また、女性や、中高年齢者、障がい者など多様な人材が活躍できるよう、きめ細かな就職支援や企業の理解が広がる取組などを進めてまいります。

(4)さらに、県内の各産業・職場の実態を踏まえた働きやすい職場づくりを官民で連携して進め、働き方改革に向けた取組に対する支援を強化し、人材の確保・育成・定着を図ってまいります。
 
(8.結婚・出産・子育てへの支援)
次に、結婚、出産、子育ての希望をかなえるための支援について申し上げます。

 

(1)結婚支援につきましては、結婚や、子育て、家庭に対する若い世代の関心と理解を高めるとともに、縁結びボランティア「はっぴぃこーでぃねーたー」や、コンピューターを活用したマッチング支援の充実など、多様な出会いの場を創出し、結婚を望む男女の希望をかなえてまいります。

(2)妊娠・出産・子育て支援につきましては、妊娠や、出産、子育てに負担感や不安を抱える若い世代が安心できるよう、総合的な相談窓口となる「子育て世代包括支援センター」の全市町村への設置と機能強化を進め、産後ケアの取組や医療費助成などをはじめとする様々な支援の充実に向けて検討を進めてまいります。
また、子どもを産み育てながら安心して仕事を続けていただけるよう、従業員の子育て支援に積極的な企業が増える取組を進めてまいります。

(3)保育所や放課後児童クラブの待機児童を解消するための施設の拡大や、保育の質の向上につきましては、研修の機会を充実するとともに、保育士の処遇改善に向けて、検討を進めてまいります。
こうした妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援体制の充実につきましては、市町村や、関係機関と連携しながら取り組み、どの地域に住んでいても安心して子育てしていただける環境づくりを進めてまいります。

 

 

(9.中山間地域・離島の暮らしの確保)
次に、中山間地域・離島の暮らしの確保について申し上げます。

 

(1)中山間地域・離島につきましては、高齢化や人口減少が進む地域においても、今後も安心して住み続けることができるよう、個々の集落を超えて、より広域的な公民館エリアを基本とし、住民同士の話し合いを通じて地域運営の仕組みづくりに取り組んでまいります。
また、「島根創生計画」や、中山間地域活性化計画を今後策定していく中で、対策の充実について検討を進めてまいります。
(2)その中で、「小さな拠点づくり」につきましては、来年度から新たに生活に必要な機能をどのように維持するのかを検証するモデル地区の取組を行うこととし、今年度から準備に着手いたします。
(3)離島対策につきましては、有人国境離島法に基づく支援制度を活用し、島民の運賃や事業者の物資輸送費の低廉化に取り組んだことにより、経済的負担の軽減の効果が現れております。
また、滞在型観光を促進するため、島内での体験メニューの利用を組み合わせた企画乗船券を販売して、隠岐諸島への誘客と島内消費を促すなど、地域活性化につなげる取組を進めております。
こうした支援制度を十分に活用しながら、交流人口の拡大と新規雇用者の増加につながるよう、町村と連携して取り組んでまいります。

(4)来年度末で期限を迎える現行の過疎法については、中山間地域・離島などの市町村への支援に重要な内容であることから、引き続き十分な支援が行われるよう、国に強く訴えてまいります。

 

 

(10.都市部の強みを伸ばす)
次に、牽引力のある都市部の発展について申し上げます。

 

 山陰の中核的な都市圏である宍道湖・中海圏域や、石見地域の中核である浜田市など都市部につきましては、それぞれの強みを伸ばし、その機能が周辺地域にも効果が波及するよう、地域づくりを進めてまいります。

 

(11.産業振興に必要なインフラの確保)
次に、産業振興に必要なインフラの確保について申し上げます。

 

(1)交通インフラの整備につきましては、高速道路ネットワークの整備促進と、航空路線・港湾物流機能の充実・強化が重要であります。これらにより、人やモノの流れを拡大し、県民の利便性の向上に加えて、県全体の活力と経済発展につなげてまいります。

(2)山陰自動車道につきましては、先月21日に東京で開催されました全国高速道路建設協議会総会において、「島根創生」の実現のためには、産業振興、地域振興の基盤となる山陰道を早期に全線開通させることが必要であると訴え、その後、国土交通大臣等に対しても直接要望をしてまいりました。
今後も、事業中区間の整備促進と、未事業化区間の新規事業化による全線の早期整備に向け、国に対して強力に働きかけてまいります。

(3)出雲縁結び空港につきましては、今月から10月にかけて、韓国ソウルの金浦(キンポ)国際空港との間で、国際チャーター便が連続して運航されることとなりました。
山陰インバウンド機構や中国地方各県、観光事業者とも連携を強化して、来訪者に島根の自然、文化・歴史や、食材などの魅力を発信して、外国人の誘客拡大を進めてまいります。
また、出雲縁結び空港において、国際線の利便性向上を図るために、緊急的に、搭乗待合室のトイレ拡張などの整備を行い、あわせて、国内線の利用者の増加にも対応するため、中期的なターミナルビル等の施設規模などの検討を進めてまいります。
萩・石見空港につきましては、東京線の二便運航が定着するよう、利用促進対策会議を中心に、一層の利用促進に努めてまいります。
また、隠岐世界ジオパーク空港では、ターミナルビルの拡張や乗降施設の整備を行うこととしております。
これらの取組により、県内三空港の利便性を高め、それぞれが結ぶ各圏域との交流が広がるよう取り組んでまいります。

 

(4)国際定期コンテナ航路を有し、島根県で唯一の国際貿易港である浜田港につきましては、物流やクルーズ船寄港の拠点となっており、防波堤、岸壁、臨港道路の整備を進め、その機能を強化してまいります。

(5)また、水田を活用した園芸の産地化を進めるためのほ場の整備、原木生産の低コスト化につながる林業専用道路の整備、水産物の高付加価値化の鍵となる漁港整備など、農林水産業の基盤となるインフラ整備についても重点的に進めてまいります。

 

(12.地域力を活かした人づくり)
次に、島根を創る人づくりについて申し上げます。

 

(1)まず、若者が島根に残り、島根に戻る新しい人の流れをつくる必要があります。
そのため、県内出身の若者のUターンを増やすために、首都圏における移住相談や情報発信、交流の機能を強化いたします。

(2)また、県内にとどまる若者を増やすため、県内大学等と連携して、県内進学者を増やすとともに、卒業後の県内就職につなげて若者の県内定着の流れを太くする取組を進めます。

(3)また、島根で生まれ育つ子どもたちに、将来島根に暮らすことを考えてもらうことが、人口の安定のために非常に重要であります。

(4)島根で暮らしたい、活躍したいと思う子どもたちが増えていくよう、学校・家庭・地域が連携・協力し、島根の子どもたち一人ひとりに、地域に愛着と誇りを持ち、自らの人生と地域や社会の未来を切り拓くために必要となる「生きる力」を育むふるさと教育や、地域課題の解決等を通じた学びを体験できる環境づくりを強化いたします。

(5)このほか、ふるさと島根定住財団を中心に、Uターン・Iターン希望者に島根での暮らしを体験できる機会や、職場や住居などの情報を提供するとともに、市町村などと連携して定着支援に取り組み、移住・定住を推進してまいります。

(6)また、関係人口の拡大につきましては、島根での暮らしや地域づくりに関心を持つ方々への働きかけを強化してまいります。

(7)そうして島根に暮らすことを決めた若者や島根に関わりを持つ人々が、地域社会に積極的に参画し、人口減少に打ち勝つ島根を創っていく役割を担ってもらえるよう、受け皿となる地域の地域力の醸成に努めてまいります。

 

(13.女性活躍の推進)
次に、女性活躍の推進について申し上げます。

 

 女性活躍の推進につきましては、子育てや仕事で頑張っておられる女性を支え、個性と能力を十分に発揮し、地域や職場など、社会のあらゆる分野で活躍できる環境や、子育てしながら働きやすい職場環境づくりを進めることが重要であります。
このため、先月、女性活躍推進統括監と推進本部を設置し、先に述べました「女性活躍100人会議」を、今後も開催してまいります。
この会議において、子育てと仕事の両立や、職場や地域における女性の活躍を進めるための課題等をうかがい、県の施策に反映することにより、女性の皆様にいきいきと子育てや仕事、地域活動に取り組んでもらえる島根を実現してまいります。

 

 第二に、「生活を支えるサービスの充実」においては、県民誰もが、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、医療・福祉の確保・充実を進めてまいります。また、自然環境の保全や教育の充実により、県民が心豊かに暮らすための取組を進めてまいります。

 

(14.保健・医療・介護・福祉の充実)
まず、保健・医療・介護・福祉の充実について申し上げます。

 

(1)生涯にわたり、いきいきと健康で暮らすことは、県民一人ひとりにとって大切であり、また、地域の活力の維持や活性化に欠かせません。
健康づくりの推進にあたっては、地域の健康づくりリーダーをはじめ、看護師などが専門性や知識などを生かし、地域に密着して、住民の健康づくりを支える取組が県内でも広がっております。
今後は、社会参加や介護予防の活動として各地域で取り組まれている体操やスポーツなど、中高年者の健康寿命延伸の取組の優良事例を県民運動として展開し、より多くの方に参加していただける機会を提供して、活力ある地域づくりを進めてまいります。
また、学校・家庭・地域が一体となって、子どもたちの望ましい生活習慣の確立や食育の推進など心身の健康づくりの取組を強化してまいります。

(2)医療につきましては、「地域医療構想」を基に医療機関の役割分担と連携を進めるとともに、介護と医療が切れ目なく円滑に提供され、県内どこにおいても安心して医療を受けることができるよう、各地域の状況に応じた医療提供体制の構築を進めてまいります。

 

(3)医師の養成・Uターン・Iターンの促進につきましては、新たに「医師確保計画」を策定し、島根大学をはじめとする大学医学部や、医師会、しまね地域医療支援センター、医療機関、市町村などと連携しながら、医師数の増加と地域で必要となる医師の配置に取り組んでまいります。

(4)県民誰もが、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、医療、介護、介護予防、住まいと日常生活の支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を関係団体や市町村とともに進めてまいります。

(5)また、障がいのある方が住みたい地域で自立した生活を営むことができるよう、就労支援、住まいや活動の場の確保、生活支援を行う人材の養成、県民の障がい理解の促進などを進めてまいります。

 

(15.教育の充実)
次に、教育の充実について申しあげます。

 

(1)子どもの成長に応じて確かな学力を身に付け、豊かな心を育み、自らの未来に向けて挑戦し、地域や社会に貢献する子どもたちを育てるため、幼稚園・保育所から高校まで連携を図りながら、主体的・対話的で深い学びを実現するための授業改善を実施し、子どもたちの「生きる力」がより一層育まれるよう支援してまいります。

(2)また、いじめの問題や不登校、多様な障がいのある児童生徒、外国人児童生徒など、一人ひとりの教育的ニーズに応じた多様な学びの場の提供や、きめ細かな支援を行ってまいります。
(3)一方で、教育の充実を図る上で、教員の長時間勤務を是正し、児童生徒一人ひとりと直接向き合う時間を確保することが重要であります。
このため、県立学校におけるICT環境の整備や、業務アシスタント及び部活動指導員の配置など、教育環境の整備に努めてまいります。

 

(16.自然、文化・歴史の保全と活用)
次に、自然、文化・歴史の保全と活用について申し上げます。

 

 先月、「神々や鬼たちが躍動する神話の世界石見地域で伝承される神楽」が新たに日本遺産に認定されました。
これは、地元の皆様の長年のご尽力の成果であり、これを契機に、島根の豊かな自然や、古き良き文化・歴史の魅力を国内外に発信し、観光誘客の拡大と、文化・歴史を通じた人々の交流を促進してまいります。

 

 第三に、「安全安心な県土づくり」においては、県民生活の基盤となる交通ネットワークなどの社会基盤の維持・整備や、災害時に県民の生命や財産を守るための防災対策、防犯・交通安全対策を進めてまいります。

 

(17.生活基盤の確保)
まず、道路網や生活交通などの生活基盤の確保について申し上げます。

 道路網の整備や維持管理、公共交通や離島航路などの地域生活交通につきましては、県民の安全・安心な日常生活や産業活動に必要な生活基盤であります。
今後とも、市町村と連携し、地域の実情に応じて、必要な機能が確保されるよう取り組んでまいります。

 

(18.防災対策の推進)
次に、防災対策について申し上げます。

 

(1)近年、頻発する水害や土砂災害から県民の生命や財産を守るため、国の国土強靱化関係予算を最大限活用するなどして、道路の防災対策や、河川改修、ダム建設、砂防施設、ため池、治山施設の整備などのハード対策を行ってまいります。
加えて、河川の水位情報や、土砂災害警戒情報の周知など、逃げ遅れによる人的被害をなくすためのソフト対策を一体的・計画的に進めてまいります。

(2)江の川の治水対策につきましては、昨年7月の豪雨で大きな被害を受けたことを踏まえ、江の川本川(ほんせん)の堤防整備などを国に対して強く要請していくとともに、支川の県管理河川においても、特に被害の大きかった八戸川(やとがわ)流域を中心に地元市町と連携しながら早期に河川改修を進めてまいります。

(3)斐伊川神戸川治水対策につきましては、大橋川改修と中海・宍道湖の湖岸堤の整備につきまして、引き続き、国や松江市と連携して事業推進に取り組んでまいります。

(4)また、実際に災害対応に当たった被災地の職員等を招いて防災担当者などへの研修を行うなど、国や市町村など関係機関とも緊密に連携し、地域における防災人材の育成や、自主防災組織の取組支援、防災訓練の実施など、地域防災力の向上に取り組んでまいります。

 

(19.原子力安全・防災対策の充実・強化)
次に、原発の安全・防災対策について申し上げます。

 

(1)原発につきましては、住民の安全確保を最優先に、安全・防災対策に取り組んでいくことが重要であります。

(2)島根原発1号機につきましては、中国電力が廃止措置を実施中であり、県は、安全協定に基づき、引き続き適切な対応をとってまいります。

(3)2号機及び3号機につきましては、原子力規制委員会において、新規制基準適合性審査が継続中であり、県としても、引き続き審査状況を注視してまいります。

(4)原発の防災対策につきましては、国、島根・鳥取両県、原発の立地市及び周辺市による作業チームにおいて、万が一に備えた避難計画の実効性向上などに向け、検討を進めてまいります。

 

(20.交通安全対策の推進)
次に、交通安全対策の推進について申し上げます。

 

 県内では、交通事故の発生件数や負傷者数は、9年連続で減少していますが、交通事故死者数に占める高齢者の割合が高い状況が続いています。
このような状況を踏まえ、関係機関などと連携して高齢者の交通事故防止をはじめとした対策を一層進めてまいります。

 

(21.竹島問題)
次に、竹島の問題について申し上げます。

 

 この問題が早期に解決されるよう、あらゆる機会を通じて国に強く働きかけてまいります。
また、県としても、竹島問題についての国民の理解と関心が高まるよう、「竹島の日」の式典などの様々な啓発活動や、竹島問題研究会による調査研究、新学習指導要領を踏まえた指導案の検討などを進めてまいります。

 

(22.財政運営)
最後に財政運営について申し上げます。

 

 本県の財政は、溝口前知事の下で財政の健全化が進められたと考えておりますが、高齢化の進展等に伴い社会保障経費は増嵩している一方で、県税や地方交付税などの一般財源は減少傾向にあることから、依然として厳しい状況にあります。
景気回復局面においても都市部に比べて税収の伸びが期待できない地方部において、安定的な財政運営を行うことができるよう、国に対して、地方交付税の総額確保や配分における十分な配慮を強く働きかけてまいります。

 「島根創生」を進めていくためには、国への要望だけでなく、県財政としても財源を捻出する必要があります。
このため、今後の財政運営においては、スクラップ・アンド・ビルドをより一層徹底することとし、全事業を対象に事務事業の見直しを行ってまいります。

 あわせて、組織・人員体制の効率化・最適化、県有財産の売却などによる財源確保の取組を徹底して行ってまいります。
行財政改革の一環として、私をはじめとする特別職の給与と退職手当については、今議会に特例減額を行うための条例を提案させていただいたところであります。

 

(23.おわりに)
以上、今後の県政における基本的な政策の方向について、私の考えを申し上げました。

 

 「島根創生」を実現するために、県や県議会、市町村、関係団体、県民の皆様の総力を幅広く結集してオール島根で様々な政策を進めていく必要があります。
そのために、私は常に先頭に立って、多くの皆様の幅広い声を県政に反映するよう努力し、誠心誠意、県政運営に当たる所存であります。
そして、県議会の皆様には、政策や予算などを十分に説明し、ご意見を伺いながら進めてまいりますので、私の県政運営へのご理解とご支援をいただきますよう重ねてお願い申し上げます。

 

(24.補正予算など提出議案)
それでは、今回提出いたしました一般会計補正予算案などの概要について、申し上げます。

 一般会計の補正予算案につきましては、出雲縁結び空港への国際チャーター便の誘致、農林大学校の拡充など、早急に対応すべきものについて措置し、総額3億2000万円を増額いたしております。

 

 この結果、補正後の一般会計予算の規模は、4690億円となります。

 

 この補正予算案のほか、条例案6件、一般事件案7件の計14件を提出いたしております。

 

 これらの議案の詳細につきましては、この後、総務部長から説明させることと致します。

 何とぞよろしくご審議のほど、お願い申し上げます。

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