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色素増感太陽電池(Dye sensitized Solar Cell)の開発
(1)太陽光発電の将来 太陽光は無尽蔵なクリーンエネルギーとして本格的な実用化が大いに期待され、太陽電池の生産量は近年、飛躍的に増加しています。一方、太陽電池の主原料である高純度シリコンの需要も急激な伸びが見られ、半導体産業のシリコンスクラップを原料とするのみでは需要増を補いきれず、太陽電池用シリコンの不足が顕在化してきています。 NEDO(※)の「2030年に向けた太陽光発電ロードマップ(PV2030)」では、2030 年までに太陽光発電の累積導入量を100GW 程度(現在の生産量の約100倍)、発電量として家庭用電力の1/2 程度(全電力の10%程度)が太陽光発電で賄えることを想定しています。 これらの目標を達成するためには、太陽電池の高性能化と低コスト化、システム周辺機器・設置工事などの低コスト化、並びにモジュールを含むシステム機器の耐久性向上(長寿命化)などが重要とされるほか、現状技術の延長線上にない技術革新や性能向上、新しいタイプの太陽電池の開発が必要とされています。 ※新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization)の略称。日本の環境保護政策と科学技術開発の一端を担う独立行政法人で2003年10月に同名称の特殊法人から独立行政法人へと移行。
(2)次世代型太陽電池の1つ=色素増感太陽電池(DSC) 現在、シリコン結晶を用いた光電変換素子は太陽電池として実用化されていますが、普及拡大が進む反面、低価格化やシリコン原料の供給問題等の課題が予測され、シリコン以外の材料を用いる次世代型の太陽電池の開発が必要とされています。DSCは、これらのシリコン系太陽電池に比べ、(1)材料が安価であること、(2)製造工程が簡便であること、(3)意匠性(フィルム化、多色化)に富んでいることなどから、日本国内でも多くの企業や研究機関が実用化に向けて取り組んでおり、既にDSC用の材料を販売している企業があるほか、豪州では、STI社が教育用途としてDSCパネルを販売するなど、実用化は目前に迫っています。
(3)色素増感太陽電池(DSC)の仕組み 二酸化チタンの表面に吸着した特殊な色素は、太陽の光を吸収して色素中の電子を励起し、この電子を二酸化チタン粒子に注入します(色素の酸化)。酸化された色素は電解質中のヨウ素イオンより電子を受け取り(色素の還元)、元に戻ります。また、酸化されて生成したヨウ素は対極の白金触媒で再びヨウ素イオンに還元されます。このような電子の移動と酸化還元反応が光照射により連続して発生し、外部回路に電流を作り出します。(図1参照) トップ
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