f本県水産業施策の基本方向について
1 基本的な考え方
■本県は好漁場を有するが、外国漁船との漁場・資源の競合、回遊性資源の減少、就業者の高齢化などにより生産量は近年大きく減少してきた。
■こうした中で、国においては、「水産基本法」「漁港漁場整備法」が制定され、安全・安心で良質な水産物を安定的に供給し、水産業の健全な発展を図るという水産基本法の理念の実現に向けた取組が始まっている。
■本県においても平成10年に策定した「島根県新水産振興基本構想」により、本県沖合域を"第2県土"と位置づけ、水産資源の持続的利用を基本として、「資源管理型漁業」や「つくり育てる漁業」の推進を図ってきたところである。
■平成15年には、日韓新漁業協定の発効や水産基本法の制定等、状況の変化を踏まえ、基本構想の見直し作業を行った。その中では、経営・流通対策、後継者対策を主要課題とし、基幹漁業の再構築、沿岸・沖合域の漁場開発の推進、一県一漁協への合併、漁港・漁村環境の整備などに取り組むこととしている。
2 基本目標
■資源量に見合った適正な漁業の実現、生産物の高付加価値等により漁業経営の安定化を図り、産業として魅力ある漁業の確立と漁村地域の活性化の促進を図ることを基本目標とする。
3 基本方針
(1) 新海洋時代への対応 〜適正な資源管理のしくみづくり〜
−漁業資源の適正管理の推進−
■"第2県土"の環境を保全しつつ、水産資源の適正な管理と持続的利用を図るため、「資源管理型漁業」「つくり育てる漁業」を積極的に推進する。
ア 資源管理の強化と環境保全
■漁獲量が低水準にあっても漁業経営が成り立つよう、資源の量的な管理、鮮度保持等の質的管理、コスト削減への取り組みを一体的に推進する。
■監視取締体制の整備に努めるとともに、漁場環境の保全対策を推進する。
イ つくり育てる漁業の振興
■第5次栽培漁業基本計画に基づき、マダイ、ヒラメ、オニオコゼ、アカアマダイ等について、栽培漁業の振興を図る。
■疾病のまん延防止等防疫体制の強化を図る。
ウ 水産基盤の整備
■漁港・漁村を「水産基盤」として総合的・集約的な整備を進め、水産物の安定供給と漁村の活性化を図る。
■生態系、景観等の自然環境に対し、十分配慮した整備を行い、漁村の有する多面的な機能の維持・増進を図る。
■高層魚礁の設置等により大規模な沖合漁場開発を推進するとともに、増養殖場の整備を推進し、沿岸漁場の総合的利用を図る。
エ 日韓新漁業協定下における漁業管理体制の確立
■竹島の領土権を確立の上、排他的経済水域の境界線を確定し、暫定水域の撤廃が図られるまでの間は、暫定水域における漁業秩序や資源の管理体制が早期に確立するよう運動を推進する。
■本県沖合の我が国排他的経済水域における外国漁船の監視取り締まり体制の強化を国に要望する。
(2)変革する産業・経済構造への対応〜漁業経営基盤の強化の仕組づくり〜
−活力ある水産業の育成−
■国民のニーズに的確に対応した水産物の安定供給と漁村地域の活性化に資する活力のある水産業を確立するため、漁業経営基盤の強化や合併漁協の経営安定及び産地市場統合等を推進する。
ア 漁協組織の強化
■平成18年1月県下20漁協が合併し、県漁連や県信漁を統合した漁業協同組合JFしまねが発足したところであり、漁協組織の基盤強化がさらに九冒されるよう支援していく。
イ 経営基盤の強化
■燃油の高騰及び大型クラゲの大量発生に起因する漁業経営の悪化に対し、長期運転資金を創設、支援する
■経営基盤の強化を図るため、系統金融と連携して基幹漁業を中心とした経営体への経営指導を推進する。
ウ 内水面の総合的利用
■宍道湖・中海における水産振興を図るため、「宍道湖・中海水産資源維持再構想構」に基づく諸施策を関係機関との連携のもと、総合的に推し進める。
■河川については、地場産アユ種苗を放流していく「しまねの鮎つくりプラン」を関係者とともに実施していく。
■水辺の教室を開催し、内水面漁業や自然環境の保全の重要性をPRする。
エ 担い手の確保育成
■島根県漁業就業者確保育成センターが実施する就業希望者に対する漁業体験や漁労技術習得研修等の取り組みを支援する。
オ 水産物の流通の高度化と高付加価値化
■小規模な水産物卸売市場を統合し、漁業協同組合JFしまねの一元的販売体制を構築する。
■殺菌冷海水装置を利用した高品質で「安全・安心」な水産物の供給体制を整備する。
■消費者ニーズを的確に捉えた水産物の高付加価値を推進するため、「売れるしまねの水産物づくり事業」の積極的な展開を図る。
カ 試験研究の充実
■漁業経営の安定(コスト削減等)、資源の増大、水産物の付加価値向上などを目指した技術開発を推進する。
(3) 共生の時代への対応 〜国民と共生する水産業づくり〜
ア 漁村地域の環境整備
■漁業生産基盤、漁村・都市交流、漁業体験、水産物直販施設等の整備を図り、沿岸漁業の振興と漁村地域の活性化及び都市漁村間の交流を支援する。

