本県森林・林業施策の基本方向について
−新しまね森林・林業活性化プランの推進−
1 基本的な考え方
(1) 森林・林業・木材産業が果たす役割
■自然環境への負荷をできる限り抑制し、限りある資源を有効活用する循環型社会への移行が求められている状況において、森林は自然環境的基盤、県民共有の公共的財産と位置づけられる。
■県内に豊富に存在する森林資源は、環境負荷の少ない再生産可能な優れた資源であり、林業・木材産業は、循環型社会を支える産業として、中山間地域等の地域経済の活性化、定住促進に大きく貢献することが期待される。
(2) 目指すべき方向
■森林を、21世紀の循環型社会を支える木材等の生産資源、地球環境や生活環境を守る環境資源、地域の自然や風土を育む文化資源として、県民と行政の協働による森林整備に取組む。
■循環型社会の形成に寄与するため、バイオマス利用等による木質資源の幅広い利用を進める。
■豊富な森林資源の活用を基本として、多様で再生産可能な資源を組み合わせた地域複合型産業の振興により中山間地域の活力回復を目指す。
2 基本目標
■『循環型社会への推進役を務める森林・林業・木材産業』を基本目標として、森林の多様な機能の持続的発揮をより重視するとともに、森林の管理・経営を担う林業と、木材の加工流通を通じて森林整備に寄与する木材産業が、その役割を持続的に果たしていけるよう施策展開を図る。
3 基本方針
■基本目標を踏まえ、多様な機能を発揮する健全な森林の整備と林業・木材産業の振興のため、次の4つの事項を基本方針として取組む。
■また、森林を適切に整備・保全し、健全な森林を次世代に引き継ぐ新たな取組みを進めるため、平成17年度から『水と緑の森づくり税』を導入したところであり、荒廃した人工林の整備や広葉樹の植栽、森づくりや木材利用への県民参画の促進等を通じ「豊かな森」づくりの展開を図る。
(1) 公益的機能を十分に発揮する「豊かな森」づくり
■スギ・ヒノキを主体とする人工林は、年々成長し今後伐採期を迎えるなど、県産木材の供給能力が高まることが見込まれる。
■地球環境問題への対応が求められている中で、二酸化炭素の吸収源・貯蔵庫となる森林を守り育て、地球温暖化防止にも貢献していく必要がある。
■このため、森林の管理・経営形態などを考慮するとともに、公益的機能の発揮により重点を置き、森林を次の3つに区分し、各区分毎に重視する機能がより高度に発揮されるよう望ましい姿の森林に整備・誘導していく。
○『水土保全林』(水源かん養機能又は山地災害防止機能の発揮を重視) ○『森林と人との共生林』(生活環境の保全や保健文化機能の発揮を重視) ○『資源の循環利用林』(木材生産機能を重視) |
■区分毎の望ましい森林への誘導に当たっては、平成16年度に策定した「新しまね間伐推進基本方針」に基づき、喫緊の課題である間伐対策に取組むとともに、次の主要な取組みを展開する。
○治山事業や林業公社・緑資源機構事業等の公的関与による森林整備の推進 ○複層林整備や広葉樹林改良、重要な松林の保全対策、野生鳥獣生息環境の整備等による多様な森林の整備・保全 ○森林整備地域活動支援交付金の有効活用や、森林整備協定の締結等に基づく上下流の協力 による森林整備の推進 ○森とのふれあい活動や森林ボランティア活動の促進、林業体験等の学習機会の確保を通じた森づくりへの県民理解や参加の促進 |
(2) 林業・木材産業の振興
■木材需要は、表面の化粧性を重視した製品から、乾燥材等の品質や性能が明確な製品に移行しており、住宅資材としての利用促進には、木材供給側が住宅生産者や消費者の木材製品に対するニーズを踏まえた安定的な供給を確保していくことが課題となっている。
■また、県産木材の利用促進は、木材産業の活性化のみならず、森林資源の循環利用による林業の持続的な発展によって健全な森林整備につながるものであることから、次の主要な取組みにより林業・木材産業の振興を図る。
○木材の低コスト安定供給体制の構築と路網整備 ○流通拠点整備等によるトータルコストの低減 ○木材の品質向上と高次加工の推進 ○県産材利用促進と積極的なPR |
■特に県産材の需要拡大を図るため、平成15年度に策定した「島根県木質資源活用維新計画」に基づき、県産材を使用した木造住宅建築の促進、公共事業等での一層の県産材使用、丸太の輸出や合板製造におけるスギ材の使用等の新たな試みなどに取組む。
(3) 森林資源を活かした魅力ある中山間地域づくり
■森林の多面的機能が発揮されるためには、中山間地域が健全に維持されていくことが必要であり、多様な価値をもつ地域資源を活用した産業育成により就業機会や所得の確保等を図るため、次の取組みを展開する。
○食用きのこ類、木炭などの多様な森林資源の活用と農業との連携 ○木質系バイオマスの活用 ○都市との交流促進 ○鳥獣被害対策の推進 |
(4) 森林管理の働き手の確保と育成
■森林を適切に維持・管理し多面的な機能を発揮させながら林業生産活動を持続していくためには、森林管理の働き手の育成と確保が不可欠であり、島根県林業労働力確保支援センター等との連携を図りつつ次の取組みを進める。
○就業相談、就業前後における研修の実施、情報提供の強化等による新規就業者の確保 ○認定事業主の育成、森林組合の機能強化など林業事業体の育成 ○林業事業体における雇用条件の改善や高度な技能を有する技術者の養成等による基幹的林業従事者の育成・確保、地域林業のリーダーとなる意欲ある林業後継者の育成・確保 |
4 プラン後期施策の見直しについて
■現行プランは、平成13年3月に森林・林業分野の総合的な基本計画として策定され、平成17年度末で前期5カ年が経過する折り返しの時期を迎えた。プラン策定後の県の厳しい財状況や森林林業を巡る近年の諸情勢に対応していくため、平成18年度はプラン後期施策の進め方やその内容について見直しを行うこととしている。

